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モップとアンプと恋の余韻(片山綾香)

女性ライブハウススタッフ:綾香の恋愛模様

 名古屋のとあるライブハウス。深夜零時を回り、ステージのライトがすべて落ちたあとも、わずかにアンプの熱が残っていた。


 今夜はアニメソングのカバーイベント。いつもより明るく、どこか賑やかな空気が漂っていた。


 フロアスタッフ兼企画担当として働く片山綾香、二十八歳。高校生の頃から趣味でコスプレを楽しんでいたが、スタッフ間にそれが知られてからは、アニメソングのイベントでは自らもコスプレキャラに扮して司会進行を担当する。


 今日の綾香はピンク色のウィッグに、人気キャラクターの制服姿。ライブ終了後もそのままの姿でフロアのモップをかけていた。イベント司会としてステージに立ち、バンドの転換を進行し、盛り上げの拍手を誘い……最後は、観客を笑顔で送り出した。


 綾香は終演後も手を抜かない。お客様をもてなす為の彼女のポリシーだ。ドリンクカウンターを拭き、床に落ちた紙吹雪を一つずつ拾う。気が抜けたような静かな会場に、モップをこする音だけが響いていた。


(はあ……今日も無事に終わった。けど、この格好で掃除って……先に着替えれば良かったかな)


 自分の姿に思わず苦笑する。そのとき、アンプのスイッチを切る音が背後でした。


「片山さん、まだ残ってたの?」


 振り向くと、音響スタッフの光井がケーブルをまとめていた。黒いTシャツにジーンズ、ヘッドホンを首にかけた姿。いつも通り、少ない口数で落ち着いている。


「うん。もう少しで終わるよ。光井さんこそ、まだ機材のチェック?」

「うん。スピーカーの端子が一か所緩んでたので、調整してたところ」


 そう言って、光井は床に膝をつき、慎重にドライバーを回す。その姿を見ながら、綾香は思う。


(彼はいつも、仕事が丁寧だ)


 派手なことは言わないけれど、一つ一つの音を丁寧に扱う姿勢がある。


「……ねえ、光井さん」

「はい?」

「いつも思うんだけど、リハのときから真剣だよね。演者さんたち、光井さんが音響で、すごく安心してると思う」


「それは、片山さんも同じだよ。毎回、出演バンドへの対応が丁寧で。ああやって場を作れる人、なかなかいないから。片山さんの影響、自分が思ってるよりきっと大きいと思うよ」


 互いの言葉に少しだけ照れくさくなり、二人とも笑った。ずっと一緒に働いてきた。年齢も同じ二十八歳。伝えたい事は、無言でも分かる瞬間が増えていた。リハ中の目配せ、ライブ前の小さな息づかい。


「この人も、同じ気持ちでステージを支えてるんだ」と、ふと感じることがある。


 光井がアンプの電源を落とすと、静寂が広がった。その静けさの中で、ふと彼がつぶやく。


「片山さん、コスプレイベントの日は、いつも楽しそうだよね」

「え? あ、うん……まあ、仕事半分、趣味半分?」


「なるほど。でもさ、その格好で丁寧に掃除してるの、ギャップ萌えってやつだね。ちょっと面白い」

「ちょ、ちょっと何それ!」


「いや、褒めてるから。恰好はキャラクターのままでも、仕事はいつも通り丁寧だなって」

「褒め方に問題あり!」


 綾香がモップを構えると、光井は小さく肩をすくめて笑った。その笑い声が、静かなライブハウスにぽつりと響く。さっきまでの喧騒とはまるで違う――心地よい静けさ。


「今日もお疲れさま」


 光井が、ケーブルを片付け終えて立ち上がる。


「お互い、いい仕事したね」

「うん。……今日のステージ、すごく良かった。お客さんの笑顔、忘れられないや」


 しばし、二人は並んでステージを見つめる。ライトの熱が冷め、木の床が少しだけきしんだ。終演後のこの時間――音が消えたあとに残る“余韻”が、綾香は好きだった。


「光井さん」

「はい」

「このあと、時間ある?」

「うん。機材の片づけとチェックも終わったし」


「じゃあ……今からジャズバー、行かない?」

「ジャズバー?」


「うん。近くにあるの。ライブハウスのスタッフとは違って、音を“作る”側じゃなく、今度は、ただ“聴く”だけの場所に」


 光井は少しだけ考えてから、穏やかに頷いた。


「いいね。……でも、その格好のままで?」

「あっ、さすがに着替えるって!」


「残念。ギャップ萌えが見られなくなる」

「またそれ言う!」


 二人の笑い声が重なり、夜風がガラス越しに揺れた。やがて照明をすべて落とし、シャッターを下ろす。外の空気は少し湿っていて、名古屋の街は夜の熱を抱えている。


 隣を歩く光井の横顔を、綾香はちらりと見た。無口だけど、真面目で、丁寧で。同じ年齢、同じ場所で、同じ音を支えてきた人。彼の存在があるだけで安心感を覚える。


「光井さん、今日のイベント、楽しかったね」

「うん、俺も同感。でも、たぶん……それは片山さんと一緒に働いてるからだよ」


 その言葉が、ゆっくり胸に響いた。派手な告白でも、恋の約束でもない。でも、確かに心のどこかが温かくなっていた。


 ジャズバーの看板が見えてきた。扉を開けたら、きっと穏やかな音が流れている。その音に、ほんの少し恋の色を混ぜながら……二人の静かな夜が、そっと始まろうとしていた。

- キャラクター プロフィール -

名前:片山綾香かたやまあやか

職業:ライブハウススタッフ

好きな事:コスプレ

年齢:28

身長:160㎝(5'3")

体重:51㎏(112lb)

誕生日:6月19日

星座:双子座

血液型:B型


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