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■2026年4月21日
殺し屋のせいで家族を失った。まだ子供だった僕はその殺し屋に無理矢理、後継者として育てられることになる。憎き親の仇から、地獄のような訓練を受ける毎日。
だが復讐の時が来た。最終試験で僕は師匠の喉を掻っ切る。そして号泣した。また僕は家族を失ってしまったから。
お題・殺し屋の家族
■2026年4月21日
果てしない可能性の末、ランダムな言葉から文学の名作が生まれることもある。今まさに猿の悪戯で傑作が書かれた。愛と幻想を描いた小説だ。
だが、悪戯に気づいた人間は読まないでパソコンのデータを消してしまった。誰も猿の悪戯など読まない。傑作を書くより、読者に届く可能性はさらに低い。
お題・猿のタイプライター
■2026年4月22日
「ライオンの雄とはそういうものだろう」
などと偉そうに言って、夫は家事を手伝ってくれない。
しかし彼の職場での姿を見て驚いた。ライオンを自認していた男がへこへこ頭を下げている。まるで二重人格。
そこで私は言ってあげた。
「あなたはライオンより虎ね」
その威を借りる狐だけど。
お題・二重人格ライオン
■2026年4月22日
不倫相手が入院した。私はマグカップからパジャマやパンツの替えを見舞いに渡す。
「気が効くね。妻とは大違いだ」
と笑うあいつ。馬鹿ね。
退院してからのことを考えてない。家族の誰も知らない。けどサイズぴったりの服をどう言い訳するのやら。
これが私からの三下り半。誰からも見放されちまえ。
お題・お見舞いしてやる
■2026年4月22日
僕は父の後を継いで政治家になった。もちろん地盤、看板、カバンの「三バン」も完璧に世襲した。なのに落選する。なぜだ。
講演会の人が苦しげに教えてくれた。
「お父さんは普段から偉そうにして、評判が悪かったから」
要らぬ四つ目のバンまで完璧に受け継いでしまっていたらしい。
お題・世襲議員
■2026年4月22日
空気を読み、風を操る一族がいた。彼らはその能力で戦国の世に覇を唱えたが、代を重ねるたびに能力は弱くなって行く。すると横暴だった過去から流浪の民となった。困るのが婚姻相手。確執ゆえ嫁の来手がない。
「だから人の気持ちを考えない、空気の一族に嫁ないと言ってな」
「これが空気嫁の由来」
お題・空気を読めない
■2026年4月23日
アイツが憎い。そこへ
「復讐する力が欲しいか……」
悪魔の声が聞こえる。俺は即座に了承、超能力を得た。
だがこの超能力。憎しみの感情に応じて、頭頂から花束が出るだけ。むしろ邪魔で、人から笑われてしまった。
こんな超能力を与えやがって。あの悪魔が憎い(山ほど出てくる花束)
お題・恨み超能力
■2026年4月23日
「異世界転生なんてできるわけないだろう。夢みたいなことばかり。僕が邪神を倒して、ゲートを閉じてしまったからね。現実にもう二度と異世界間の行き来なんてできるわけないよ。そんなことより草刈りだ」
ちょっとした冗談のつもりが、返答の内容に驚く。ちょっと待って、その剣はどこから出した?
お題・もしも異世界転生したら
■2026年4月23日
私は名店の後継者として、店の味を守らなければならない。
そこで積んだ努力。飾り切りに盛り付け、皿も一流。SNS対策もバッチリだ。なのに客は来ない。
「だから今の時代だと、もう味が薄すぎるんですって」
「けど店の味だから」
「じゃあ御自分でも食べてみてくださいよ」
「魚嫌いだし」
お題・皿の中身は
■2026年4月23日
こんな辺境の村で一生を終えるなんて真っ平御免。僕は大人になったら村を出て行くんだ。すると父が教えてくれた。
「お前の決意は分かった。いいか、最寄りの町は険しい山と谷を十も越えた先にある。途中、肉食の猛獣がウヨウヨいるから注意しろよ」
御先祖はここまでどうやって来たの?
お題・閉鎖的な村




