3011~3020
■2026年4月14日
私はあいつを殺すことにした。氷で武器を作って、溶かせば凶器は残らない。良いトリックだ。
だが氷の刃物は脆くて使えない。鈍器は溶け残る上、滑って持てない。そこで強度を保ちつつ、溶けやすい、そして取っ手のある氷の型を作り出した。これで証拠は残らないぞ。
あとで氷の型が見つかった。
お題・氷のトリック
■2026年4月14日
友人に新しい恋人ができたと紹介された。何でも彼女には束縛癖がある。常に彼へ干渉してないと安心できないらしい。
どんな気の強い人だろうと思ったが、会ってみると案外に気弱そう。だが見せられた。彼女が隠れてペットの首輪をしているのを。
「四六時中やってないと安心できないらしくてさ」
お題・束縛癖の強い彼女
■2026年4月15日
近頃の年寄りは駄目だ。すぐに若者を否定して、自分の過去を自慢するだけ。ああも頑固だと世の中が停滞する。早く若者にバトンタッチすべきだ。おい待て、俺の話を聞け!
「で、あの爺さん何だって?」
「さあ? ともかく頑固で人の話を聞いてくれなくって」
「これだから年寄りは」
お題・頑固タブー
■2026年4月15日
「ご安全に!」
遂に我が工場は昨年事故ゼロを達成した。今年も順調だ。だが油断してはならない。今年そして来年も事故ゼロを目指して邁進するのだ。
「守るべき安全標語を唱えるだけで朝から定時までかかるな」
「ずっと仕事やってねえ」
「こんな工場、来年には倒産してなくなってるさ」
お題・絶対安全工場
■2026年4月15日
私は文武両道、眉目秀麗、人からは高嶺の花と言われている。確かにそうなのだろうという自信もある。
そして誰から告られても断っていた。だって私が好きなのは平凡だけど優しい彼だから。
なのに私が高嶺の花では彼が手を伸ばせない。私からも手が届かない。この山から飛び降りる勇気のないままに。
お題・高嶺の自信
■2026年4月15日
昼からの雨で出かける予定が、また崩れてしまった。春はいつ雨が降るか分からない。休みや予定のある日を狙って降っている気すらある。
私は天気予報を確認する。週末は雨か。じゃあ家にいるかな。そして雨音をじっと聞くのだ。
……という予定すら崩してくれるのだろうな今の季節は。
お題・春霖
■2026年4月16日
どうも近頃、港にオタクが集まっている。どうやら、そういうゲームが流行しているらしい。地元も過疎ぎみだし、これはチャンスだ。皆を集めて、もっと人を集めようと話し合いをした。ところが年寄りどもが嫌がっている。
「結局まだ賛成は貰えてないの?」
「これから港のことで、皆説く」
お題・港オタク
■2026年4月16日
「最近の若者に見る言葉の乱れは、もはやいかんともし難いものがある。言葉の乱れは社会の乱れ。ちゃんとした意味の、由緒正しい言葉を使って欲しいものだ」
「と仰ってます」
「翻訳、ご苦労さま。何語だっけ?」
「サンスクリット語」
「これだから何千年も前から生きる長命種の老害はさあ」
お題・若者言葉
■2026年4月16日
援軍は来ない。撤退したいが、本部からは帰らず耐えろと言われた。そして敵は大軍団。あっという間に囲まれたが、どうにか耐えている。だがどうしよう。
「今頃、本部はどうなっているでしょうね」
「そりゃ、ここが抜かれて襲われてるだろう」
なるほど。
「本部を助けるため、後方へ突撃だ!」
お題・援軍が来た
■2026年4月16日
後の世で英雄になろうと戦争をしかけた。勝てる戦いのはずが負け続き。独裁者は他の国へ助けを求めた。
「お前たちも軍を出してくれ」
だが他国の戦争に巻き込まれるのは冗談じゃない。
「えっ、負けてるんですか?」
すると独裁者は見栄を張る。
「負けてない!」
「じゃあ助けはいりませんね」
お題・援軍要請




