2961~2970
■2026年4月3日
すね毛のミステリー。館の主のすね毛が毎晩剃られている。犯人は主の妻だった。しかし動機は語らない。すね毛の謎が残る。
「探偵さん、ありがとう。これで自由にすね毛を伸ばせます」
なぜすね毛を伸ばさないといけないんだ。そして伸びつつあるすね毛はなぜ七色なんだ。
やはり、すね毛の謎が残る。
お題・すね毛ミステリー
■2026年4月3日
どうやら私は不治の病にかかったそうだ。そこでコールドスリープすることにした。未来の技術なら治せることに期待しよう。
百年後。
「あの病気でコールドスリープしたのか。確かに今なら病気は治せるな」
「しかし冷凍技術がお粗末ですね。解凍すると死んでしまう。百年後の技術に期待しましょう」
お題・はじめてのコールドスリープ
■2026年4月3日
年を取ると人間、赤ん坊に戻るようなものだ。少しずつ体が動かなくなり、人の助けなしに生きていられなくなる。
「とか言ってるうちは、まだ赤ん坊じゃないわよ。こっちは忙しいんだから、醤油くらい動いて自分で取ってよ!」
と娘から、子供を叱るように怒鳴られた。仕方ない、立つか。
お題・老いては子供のようになる
■2026年4月3日
市民祭で有料席でないと、ろくに花火が見えなくなった。その次は祭りに参加したければ参加料を支払えと言い出した。これには市民の怒りも爆発。デモはみるみる膨れ上がり、屋台まで出るようになった。
その後
「でこの祭り、元は何だっけ?」
「確か祭りに反対するための祭りだったような」
お題・有料祭
■2026年4月3日
夕日の差し込む、放課後の教室。埃がきらきら光る中、戸惑いがちに君は……。
「よっしゃ、今回も良い画が撮れた。ヒット間違いなし!」
「よっ、エモい映画を撮らせたら監督日本一!」
「よせやい、これも皆のお陰さ。我ら夕日を撮る職人よ」
「埃ならぬプライドが輝かしいですなあ」
お題・光る埃
■2026年4月3日
小学校には、旧校舎の怪談がある。いわく、夜に人魂を見た。人さらいに連れて行かれる。誰もいないのにピアノの音がする。
どれも誰もが知っている噂ばかり。なのに全校生徒の誰一人として旧校舎の場所を知らない。
そうして旧校舎の怪談は僕が中学生になった今も、ずっと残っているのだろう。
お題・旧校舎
■2026年4月4日
ひょんなことから殺し屋をやってる人と友達になった。殺し屋といっても普段は気の良い奴だ。俺たちは普通に遊んだ。
「一般人の友達は初めてだから楽しいなあ」
「じゃあ今までの友達は殺し屋同士?」
「そうそう。おかげで仕事がかち合うことも多くてさ。一人とこんな仲良くなったのは初めてだよ」
お題・友情殺し屋
■2026年4月4日
間違った思想を正すため、私は日々活動している。自分こそが社会を守っているといっても過言ではない。今日も不正思想の所有者を殴ってやる。どうだ、お前の思想を正してやってるんだぞ。私の拳も痛いんだ。感謝しろ。
そう親切にも説明してやっているのに、なぜ怒るのか。本当に意味が分からない。
お題・なぜか感謝されない
■2026年4月4日
地元は桜の名所。町内会で食べ物を売ろうと用意したのに、週末は本降りの雨。もちろん花見客など来るわけもなく。頑張って用意したのに、と皆で肩を落とす。
仕方ない。自分らで食べるか。肌寒い中、うどんとおでんを食べながら。テントの下から、雨の桜を独り占めする。
お題・雨の桜
■2026年4月4日
人類で初めて初恋をした女がいた。だが初めてなので、その感情に名前がついてない。そうこうしているうちに女は部族の決めた男と番いになり、子を産み、孫ができる。その頃、孫娘たちが何か騒いでいる。聞くと恋をしているらしい。あの感情に名前が付いたのか。その話をすると世界初の恋だと言われた。
お題・初めての初恋




