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突然ですが、娘ができました。2  作者: ほととぎす
第1章の1 中学3年生編 (ストーカー疑惑)
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ストーカーの容疑者(伸朋の考察)

友達のストーカー相談について、父に相談する梨桜。

  【梨桜】


 電車に揺られながら、それにしても最近は物騒だな~、

と私は思ってしまう。


私自身もついこの間ああいう事件に出くわしたばかりだし、

ニュースでも中学生や高校生が被害に会う事件は日増しに多くなる気がする。


 入れられた写真は、どんなものだったのか?

 最初に入れられた『ラブレターのような手紙』は本当にそういう内容だったのだろうか?


 能代さんのことはほとんど知らないけど、ひょっとしたら相手はそういう犯罪者的な目的だったのだろうか?


・・・と、そんなことを考えていると、いつの間にか降りる駅を過ぎてしまい、ひとつ戻る羽目になってしまった。(テヘッ)



 家へ帰りいつもの様に晩御飯の支度をする。


お父さんの帰りはたいてい7時頃なので、5時半に家に着けばお洗濯も含めて、大体間に合う。


 今日のメインは春野菜の天ぷらだ。


ご飯をセットして、

下ごしらえをして、

お洗濯をして、

お風呂に入って、

てんぷらを揚げていると、お父さんが帰ってきた。


「ただいまー。」

「おかえり~。」

(この挨拶ももうすっかり日常の一部だ)


お父さんが部屋着に着替えている間、私は晩御飯の準備を整える。


「 「 いただきます。」 」


「お父さんあのね、お風呂あがったら、ちょっと相談があるの。」


「うん。今でもいいけど、長くなりそうなんだね。」


「うん。ちょっとね。」


「おっ!、てんぷら上手くなったな。

 サックサクじゃないか。」


「エヘヘ」

そう、お父さんがてんぷらは難しいと言っていたので、

私はこっそり勉強していたのだ。



  【伸朋】


 昨年、梨桜たちに障害未遂を働いた悪ガキ達は、あの2週間後に逮捕された。報道されているだけで、傷害事件が2件とのことだった。

自分がこれまで生きてきて、あの瞬間ほど肝を冷やしたことはなかった。自分の甘さ、うかつさをとことん責めた。


 そして今、娘には防犯用品を持たせ、本人には言っていないが専属にボディガードの契約もした。それでもまだ足りない気がしてしょうがない。



「お父さん。いい?」

風呂から上がると、梨桜が話しかけてきた。


「ん、じゃぁ聞こうか。」


「友達がストーカーかもしれない人に悪さされてるらしいの。」


「かもしれない?」


「うん。詳しくは聞いてないんだけど、手紙とか、

 写真を学校のげた箱に入れられたって。5回くらい。」


「学校の生徒ではなさそうなんだね?」


「う~ん、それがよくわからなくて、

 今日話し合った時は、外の人の可能性のほうが高いかなって。」


 そう言って、梨桜は今日あったことを私に話してくれた。


「なるほどな。うまい筋読みだと思うよ。その子。」


「お父さんが警察官って言ってて、土井さんの後輩だって。」


「あぁ、キャリア組は、基本年次が絶対だからな、

 面識はなくても先輩後輩という意識は強いらしい。

 それにしても、それくらいの年のキャリアでこっちに引っ越

 してきたって事は、県警本部配属だろうな。そりゃやりにく

 そうだ。」


「やりにくい?」


「警察署長は確かに権限は大きいが、所詮は一警察署の長だ。

 警察本部は多くの警察署を指揮・監督する立場だから、指揮

 命令系統としては上になる。だから、友達のお父さんは、本

 部から『先輩の警察署長』に対してあれこれ言わなきゃいけ

 ない。これはやりにくいはずだ。(笑)

 だから、あいつもさっさと上にいきゃぁいいものを。

 39歳のキャリアで警視正・警察署長っていうのもどうかと俺

 は思うんだがな。」


「ふ~ん。よくわかんない。(笑)」


「だろうな、すまん、脱線した。」


「ん~ん、よくわかんないけど、面白かったよ。

 なんか、サスペンスドラマのにおいがした。(笑)

 それで、お父さんはどう思うの?」


「俺か、そうだな、その前に、お前もやっぱり生徒じゃない可

 能性のほうが高いと思うか?」


「う~ん・・・

 みんなと話したように、男の子じゃない気はする。

 女の子がラブレターとかないだろうし・・・

 そうするとやっぱり、大人の人かな?

 それも学校に入っても見とがめられない感じの職業?」


「なるほど。

 お父さんは、女子生徒じゃないかって気がする。」


「えっ?

 女の子が好きな女の子っていうこと?」


「そうじゃなくて、『ラブレターっぽい』手紙だろ?

 その字面を見なきゃわからないけどね。

 ぽいってことは違うんじゃないかな。

 違うニュアンスが含まれていたんじゃないかって思う。

 そうすると・・・」


「そうすると?」


「11月と文化祭というイベントに注目するのはいい着眼点だと

 思うんだ。そこから始まった。でも、そこで何かあるとする

 と、一番蓋然性が高いのは、『普通の告白』のように思える。

 で、これは梨桜たちが話した通り、男の子は好きな子のげた

 箱に写真を入れたりはしないと、お父さんも思うけど、


 『好きな男子を取られたと思い込んだ女子』

 が嫌がらせをするなら、ありかな、って言うのがお父さんの

 第一感。

 少なくても大人が『文化祭で興味を持った女子生徒』に行動

 を起こすよりは可能性としては高そうに感じる。」


「ふむふむ~、なるほどなるほど。」


「まぁ、今まで黙ってたけど、あれからお前の周りにはボディ

 ガードをつけてるんだ。もちろん生徒には気づかれないよう

 指示してある。それでね、土日も学校付近を見張ってもらえ

 ば、大人かそうでないかはわかるから、そこは安心していい

 よ。」


(ぽすっ)


梨桜が軽く肩を叩いてきた。


「お父さん、やりすぎです。(笑)」


「いーや、今の世の中これくらいしないと、大事なものは守れません。」


「もうっ(笑)、

 私がお嫁に行っちゃったら、ちゃんと生きていける?(笑)」


「さぁ、どうかな。」


安心させるためとはいえ、ここで『平気だ』というのは、父親

として間違っているんじゃないかと、私は思った。


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