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突然ですが、娘ができました。2  作者: ほととぎす
第1章の3 中学3年生編 (日常)
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2学期中間試験結果・・・そして

中間試験の結果が発表になったようです。


・・・みんなの結果はいかに・・・

  【テスト結果は月曜日】


 月曜日。


いつもより少しだけ空気の張った中、日直の号令でHRが始まる。


「それじゃぁ皆、中間試験お疲れ様ー。

 皆、しっかり勉強したようだな。うん?

 後でそれぞれの先生からも話があると思うが、先んじてみんなに伝えておこうー。」


そう話を切り出した先生はなんだか楽しそう。

私たちの結果が良かったのかな。


古井京治きょうじ先生』


 去年から私たちの担任になったこの人は国語の先生だ。

なんというか、名前の字面の通り(なの?)本質はとっても古風な人で、だけど生徒への接し方は、歩み寄ろうと心を砕いているのがわかる人。


「今回の中間試験、皆本当に良く頑張った。

 そんなに簡単じゃなかったはずだと、先生方がびっくりしてたぞ。

 うん。


 えー、全教科の平均点、これが72点ほどだな。

 ウチのクラスが学年トップだった。おめでとー。


 それから、1学期末の5教科平均が65点だったから随分上がってるな。


 さて、とー。

 なんと、な!

 全教科満点の生徒が、このクラスから出ているー。」


「 「 おおぉぉーーー 」 」


 先生がそう言うと、クラスは大きなざわめきに包まれた。

それもそのはずで、ウチの学校の変なモットーは『100点は取らさない』ので有名なのだ。


「ウチの学校の期末中間はいつも難問があるよな?

 君たちのご両親からでさえ、苦情が来る事もあるんだぞー。(笑)

 それが、全・教科で満点だ。

 おめでとうー!、

 よく頑張ったな、土井君。」


「 「 おおぉぉーーー 」 」

「 「 パチパチパチパチ 」 」


大歓声と、拍手が土井君へと贈られる。

勉強ができるとは思っていたけど、まさかこんなにできるなんて。


「恐縮です。でも、問題も素晴らしかったと思います。

 先生方の教育に対する熱心さがうかがえました。」


 なんというか、その返事もいかにも彼らしく、私は苦笑いをしてしまう。もうちょっとこう『中学生らしく』ていいのに(笑)


お父さんが鬼みたいに厳しいからこうなっちゃったのか・・・

それとも・・・過去に何かがあったのだろうか。


「それからな、みんなが1限の授業をやっている間に、いつものように掲示板に総合順位表を張り出しておくから。興味のある人はちょっと注目してみて欲しい。」


その後、今週の予定をざっと伝達してくれて今日のHRを終えた。


先生が退室すると、途端に教室はガヤガヤし始める。


「なんか意味深な言い方だったねぇ。」


「土井君以外にも注目することがあったんだね。」


「しっかし驚いたな。500点満点とは。」


 そう話す私達をよそに、男子の方はその彼のところに集まりワイワイと話をし始めている。今まででは見られなかった光景だ。


 縁君はたぶんあまり人との交流を好まないのだろう。だからああやってあえて少し陰気な雰囲気を作っているんだと思う。


 不思議なもので、あれだけ綺麗な顔立ちをしていても、髪を前に垂らしてその顔を覆い、ボサボサっとさせていると、ちょっと近寄りたくない雰囲気になる。

 (クスクス)


「ちょっと梨桜ー、視線が熱いんですけどー。(笑)」


「えっ?

 あぁ~。今まで見られなかった光景だな~って。」


「男子って、ホント単純だよねぇ。

 で? それを遠目に微笑んで見つめるアナタは奥様かっ!」


「ぷっ。

 あのカタブツにもう一人くらい友達でも出来たらいいなって。」


 彼は今のところ安藤君以外に気の置けない友達はいないように見える。もう少しそういう友達が増えたほうが学校生活も楽しくなる気がするのだけど。

それに、もっといろいろな人といっぱい話して、少し柔らかくなった方がいいと思う。

硬いものほど割れやすい!・・・なんて。

(クスクス)


「むぅ! なにげに『奥様』のくだりをスルーしたな、このー、このー!」


「あっ!、あ~~!、違いま~~す!、全力で~~!」


「 「 あははっ 」 」



・・・そして。


 今日の一限目、古井先生の国語が終わり、私たちは掲示板へと向かう。

ウチの学校では、期末や中間試験などの大きな試験結果は総合順位10位までを掲示板に張り出しているのだ。


「おー!」

「うわぁ!」

「あはっ(笑)」


その張り出された順位表を見て私たちはそれぞれが感嘆する。

1位、土井縁、2位、安藤道兼、3位、白石紗奏。


「先生も驚くわけだ。」

「順位的に、紗奏は今までとそう変わらないけど、上位1,2位が両方ウチのクラスの転校生だもんね。」

「5教科平均で90点は取れたことなかったから、一緒に勉強したおかげかな。」

そう言ってにっこり微笑む。


「うん。私も国語はかなりいい点数だったよ。

 他も結構自信ある。」


そう言って、ハイタッチ!。


「アタシもちょっとだけいつもより良かったぞ。」


3人でさらにハイタッチ。



・・・と、少し離れたところから冷ややかな声が聞こえた。


「カンニングとかじゃねーの?」

「あるある。苛めとか噂があったけど、いろいろやってたんじゃね?」


・・・その声を聞いた私たちは、すっかり白けてしまった。


3人で顔を見合わせ、その場を後にする。

こういう時アメリカ人ならきっと、両手を軽く広げて「huh・・・」ってやるんだろうな・・・。


 今日、この後も午前中3教科の試験結果が帰って来る。

どれが良さそうで、どれが不安だ、そんな話ながら廊下を歩いていると、2組の前で突然一人の男子が飛び出してきた!

 (危ない危ない)


なんか今の男子、私を狙い撃ちしてきたような?



 そして翌日。


最後の理科も帰ってきてすべてが揃った。

同時に伊崎先生が全教科の成績表も配ってくれた。

私は・・・学年12位?

よくできたとは思ったけど、こんなに上位になっていたとはびっくり。

同時に、教えてくれたみんなに恩返しができたことに嬉しくなった。


・・・


 (キーンコーンカーンコーン・・・♪)


今日のお昼は、カレーですね!

それは分かっていました。

11時半を過ぎる頃からいい匂いが致しますものね!


 (さて、今日のお味は?)


う~ん・・・・・・・・・・、

やっぱりパパカレーを食べ慣れている私にはパンチ不足だな~。

・・・って、辛いのが苦手な子もいるもんね。(笑)


・・・


 今日最後の授業、体育を終えて教室へ戻ると、なんだかめちゃめちゃ騒々しい。


「縁、スゲーな、スゲーよ!!」

「すげー、すげー、俺、初めて生で見たもん!!」


・・・どうやら、この混乱の中心は縁君のようだ。(笑)

・・・あれ?そう言えば、今、名前で呼ばれてた?


「盛り上がってるねー、男子。

 なになにー?」


「聞いてよ、白石さん、縁がダンク決めたんだって!ダンク!」


はて?ダンクとは・・・?


「ウソでしょっ!!」


「なんでこの身長であんな、飛べるんだって!」


「おお!、飛んでた、飛んでた!浮いてたもんよ!」



(ガラガラガラガラ・・・!)



その喧騒の中、今まで一緒に体育をしていた4組男子が入ってきた。


「るせーっつの!」

「一回勝ったぐれーで、イー気んなんなよ!」


その3人はずかずかと教室に入ってくる。


クラスメイトがちょっと尻込みする中、縁君が正面で迎える。


・・・嫌な予感がする・・・。


「言われるほど騒いでない。そっちこそ冷静になれ。」


「はっ!、虐められっ子のカンニングヤローが、調子こいてんじゃねー!」


そう言ったか言わないか、見るからにガキ大将っぽい彼が縁君に殴りかかった。


・・・思わず目を覆う。

・・・どうかやりすぎませんように・・・


 (トンっ)


そのあまりに小さな音に、そっと目を開くと、殴りかかった彼があおむけに倒れていた。


・・・ほっ。

どうやら彼も加減というものを覚えたようだ。


「塩崎、お前、今の自分の姿を他人の目で見てみろ。

 ダサいことこの上ないぞ。」


「くっそ!、放せっ!、コノ!」


「お前、誰のために学生やってんだよ。

 自分の為だろ?

 俺なんて、お前の人生に何の関係もない。

 放っときゃいいんだよ、俺の事なんて。

 長くもない人生を、他人のことに費やすなんて、もったいない。」


「はぁ?なに・・・言ってんだ?

 ・・・お前。」


「一番大事な時期を、嫌いなやつのことで消費するなんて

 勿体ないって言ってるんだ。

 自分の人生なんだから。」


「・・・くそっ・・・

 シラケること言いやがってよ。」


そう言うと彼は立ち上がって、取り巻き二人とともにウチのクラスを後にした。


(トントン)


(ん?)


(やばいよ・・・)


(なにが?)


(女子の目がハートになってる。)


紗奏にそう耳打ちされてみれば・・・


あぁ・・・確かにこれは『やっちゃった』感、満載だ。

クラスの女子何人もが目をピンクに染めている。


勉強ができて、体育で何かやったみたいで、ケンカも強い。

・・・それでいて、顔は母親譲りの超美形

(今は隠してるけど)


これで明るく振る舞っていたら、もう学校のアイドルじゃないだろうか?


お越しいただきありがとうございました。


中学生らしい中学生の言動・・・

思い返しても、この頃は一番精神年齢が離れていたように思います。

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