第68章
リラは一歩も引かなかった。
それは美しいほどだった。
彼ももう、リラが声高に争うことはめったにないと知っていた。声を荒らげず、感情で押さず、長い騒ぎも起こさず、忠誠で論拠を置き換えようともしない。ただ彼の前へ一本の線を引く。まっすぐで、冷たく、法的に練り上げられ、彼女を動かすより自分の苛立ちをぶつけて砕くほうが容易いほど頑丈な線を。
「都市へ出る前に」リラは言った。「専属護衛をお選びください」
彼は朝の報告書越しに彼女を見た。
「衛兵がいる」
「宮殿に衛兵がいます」
「アズガルがいる」
「軍にアズガルがいます」
「お前がいる」
「あなたにいるのは、秘書、助言者、影内務官房長です。隣に誰もいなかったため、私が一時的にその場所を埋めていました。それを恒久的な誤りにしてはいけません」
窓際で飛行後の負荷についての測定板を見ていたシアナが、慎重に顔を上げた。
彼は彼女へ視線を向けた。
「お前まで?」
シアナは明らかに口を挟みたくなかった。
だが、できなかった。
「リラが正しいです」
「もちろん」
「『もちろん』ではありません」彼女は急いで言った。「都市へ出ようとしているんです。群衆、聖騎士団の工作員の可能性、日常的な危険、あなたの気配への偶発的な反応があります。護衛が必要なのは、あなたが弱いからではありません。小さな脅威なら、間に合うように気づかない可能性があるからです。あるいは気づいても、反応が強すぎるかもしれません」
彼はゆっくり報告書を置いた。
「つまり専属護衛は、俺が誤って誰かを殺さないためにも必要だと」
シアナは恥ずかしそうにした。
「それもあります」
リラが頷いた。
「はい」
「ずいぶん嬉しい評価だな」
「実用的な評価です」とリラ。
彼はため息をついた。
「どれくらいかかる?」
「選考に?」
「全部だ」
「アズガルが候補を早く出し、マルヴェインが芝居を始めず、シアナが気配の相性とあなたの魔法への反応を調べ、私が人脈と法的危険を確認できれば、三日後には一次選考を始められます」
「もう全部考えていたんだな」
「はい」
「この話をする前から?」
「当然です」
彼はシアナを見た。
彼女は罪悪感を覚えたように目を伏せた。
「お前も?」
「基準を用意しました」
「裏切り者たちめ」
「心配している者たちです」とリラが訂正した。
彼は反論しかけた。
やめた。
二人とも正しかったからだ。
専属護衛なしで都市へ出るのは愚かだ。彼が簡単に殺されるからではない。むしろ逆だ。今の彼を殺すのは難しい。だが彼の周囲には力が多すぎ、意味が重すぎ、偶然に許せる余地が少なすぎた。
「わかった。選考を始めろ」
リラは、勝利ではなく物事の正常な秩序が戻っただけだというように頷いた。
「はい、君主様」
***
一時間後には、マルヴェインも知った。
そして何かを察した。
彼がほとんど何も言わなかったことが、何より雄弁だった。
普段なら人事の話を聞くたび、マルヴェインの目には淡い輝きが浮かぶ。誰が誰を引き上げ、誰が誰へ恩を負い、どの家が腹を立て、どんな噂を流せるか。埃の中からどの古い繋がりを引き出し、もう一度働かせられるか。だが今回は、専属護衛の候補を選ぶ時だと聞くと、一瞬だけ静かすぎるほど静かになった。
「つまり、都市ですか」
リラが目を上げた。
「私は言っていません」
「この時期に専属護衛を選ぶ。それだけで十分です」
彼はマルヴェインへ向き直った。
「それで?」
「ようやく都市を地上からご覧になると決められ、嬉しく思います。それ以上に、まず安全を考えるようリラが強いたことを喜んでおります」
「喜んでいる?」
「もちろん。生きて都市を歩く君主は、翼が護衛の代わりになると考えて死んだ君主より、政治的に役立ちます」
シアナが小さく言った。
「翼は護衛の代わりにはなりません」
「ほら」マルヴェインが言った。「科学と策謀が完全に一致しました」
リラは笑わなかった。
「あなたの家から候補は?」
「出します」
「隠れた義務はなしに?」
マルヴェインは胸へ手を当てた。
「リラ、傷つきます」
「なら、質問の意味は理解しましたね」
「はい。出せる中で最良の者を。そして何より、影の君主の専属護衛は家ではなく君主へ仕えると理解する程度には賢い者を」
「本人たちもそう言いますか?」
「言うでしょう。信じるかどうかは、あなたの仕事です」
彼は二人を眺めながら、ますます明確に理解した。マルヴェインは、自分の人間を彼の傍へ置ければ非常に喜ぶだろう。
必ずしも密偵としてではない。
そこまで粗雑ではない。
マルヴェインの者は、役に立ち、危険で、賢く、彼個人へ忠実で、見事に訓練されているかもしれない。それでもソル家へ続く糸であることに変わりはない。そしてソル家は、マルヴェインの家だった。
彼を完全に信じるのは、あまりにも楽だ。
そして、あまりにも愚かだった。
アズガルの反応は違った。
ただ頷いた。
「そうすべきだ」
「それだけか?」
「もっと早く必要だった」
「優しい言い方に感謝する」
「もう早くはない」
アズガルは短い一覧を卓上へ置いた。
「ラハト家からは三人。全員、検査済みで強い。ただし先に言っておく。専属の影というより、衛兵向きだ」
「なぜ?」
「大きく、目立ち、直線的だ。身体であなたを庇い、襲撃者を折る必要があるなら優秀だ。群衆の中を歩き、群衆の意識を自分たちへ集中させない役には向かない」
「正直だな」
「ああ」
シアナが恥ずかしそうに自分の板を差し出した。
「ヴェイル家からも二人出します。ただ、私たちの専門ではありません。魔法的な監視役、刻印の守護者に近い者たちです。第二防護層としては役立ちます。主たる護衛としては疑問があります」
「自分の家は短刀が苦手だ、と言えばいいだろう」
「不正確です。扱えます。ただ、短刀がどこへ刺さり、治療にいくらかかるか計算することのほうが得意なだけです」
マルヴェインの笑みは石さえ溶かしそうだった。
「値のつけようもない手法ですね」
シアナは眉をひそめた。
「からかわないでください」
「感嘆しています」
「それはしばしば同じものです」
最後にリラが自分の一覧を置いた。
「私の家からも候補を出します」
彼は爪で一覧を思案げに動かした。
「お前が一番長く黙っていたな」
「私の家が最も職務に近いからです」
タル家。
ラハト家ほど名高くなく、ソル家ほど網を持たず、ヴェイル家ほど研究を得意としない。リラの家が担うのは、官房業務、儀礼手順、毒、対抗措置、内部警備、目立たない護衛、立ち入りの刻印、文書と人間の検査。そして手遅れになるまで、その場にいると気づかれない者たちだ。
「親族を勧めるのか?」
「遠縁です。近い直系は出しません。余計な繋がりが生まれます」
「自分で除いた?」
「はい」
「当然だな」
彼女は恥じなかった。
昼のリラは、そもそもめったに恥じない。
「三日後です」彼女は言った。「内側の訓練場。廷臣は入れません。あなた、私、アズガル、マルヴェイン、シアナ、そして候補者を一人ずつ」
「グロムは?」
アズガルは考えた。
「必要ない」
「がっかりするぞ」
「ああ」
リラが乾いた声で言った。
「それは選考基準ではありません」




