第63章
迷宮を思いついたのは、すぐではなかった。
そして多くの危険な思いつきと同じく、初めはほとんど冗談に見えた。
また会議の席に座り、聖騎士団の二人目の密偵についてマルヴェインの報告を聞いていた。捕らえてはいない。国境の宿場で目撃しただけだ。その時ふと、これはどうにも美しくないと思った。
密偵。英雄の一行。小部隊。国境を抜けようとする企み。痕跡、巡回隊、尋問、牢。
まるでアニメらしくない。
退屈だ。
間違っている。
この世界が彼を影の君主に任命し、光の人間たちがすでに絶対悪として描き、自称英雄たちがこれからも剣と予言と「我々は世界を救いに来た」という顔を携えてやってくるのなら、せめて世界を救う物流を面白くする場所くらい与えてやってもいいのではないか。
彼はすぐには口に出さなかった。
自分にとってさえ、あまりにも悪魔的な考えに聞こえたからだ。
それでも結局、言った。
「迷宮を作ったらどうだ?」
会議が静まり返った。
リラが記録から目を上げた。
シアナの指が計算板の上で止まる。
アズガルが顔を向けた。
当然、最初に笑ったのはマルヴェインだった。
「迷宮ですか、君主様?」
「防衛用だ。罠、怪物、偽の通路、魔法による監視。必要なものは全部」
マルヴェインの顔は、もう輝いていた。
シアナは違った。
「誰にとって『必要』なんです?」
「悪の評判にとって」
リラが一秒だけ、ゆっくり目を閉じた。
アズガルが言った。
「続けてください」
彼は椅子の背へ身体を預けた。
「抽象的な話だ。命令ではない。ただの思いつきだ。我々には問題がある。密偵、聖騎士団の小部隊、自分を過大評価する孤独な英雄がここへ入り込めば、捕らえなければならない。今は国境、巡回隊、衛兵、マルヴェイン、それに金を渡された街道沿いの宿屋が、その仕事をしている」
「よい仕組みです」とマルヴェイン。
「ああ。だが退屈だ」
リラが指摘した。
「退屈であることは、戦略的な欠点とは限りません」
「常にではない。敵が闇の城、呪われた廊下、怪物を期待しているのに、税関検査と衛兵の交代しかなければ、がっかりするかもしれない」
シアナは、冗談なのか見極めようとする目で彼を見た。
「君主様」
「抽象的な話だと言っただろう。発想はこうだ。そういう賢いつもりの連中を毎回手作業で捕らえる代わりに、誘導できる場所を作る。秘密の通路を見つけたと思わせる。弱点でもいい。城塞の心臓部へ続く古い地下道でも。だが実際には、防衛用の迷宮だ」
マルヴェインは両手を卓上へ置いた。
「情報工作としては実に素晴らしい」
「お前は気に入ると思った」
「裏切り者から買った偽の地図。買収された案内人。古代の隧道の痕跡。下層へ続く忘れられた通路についての半分だけの真実。見事です」
「そういうことだ。検討事項は、密偵や自称英雄たちをどう誘い込み、または誘導するか。建設費と工期、維持費。どんな怪物が使えるか。自分の宮殿の中に災害保護区を作らずに済むか」
最後の一言でシアナが活気づいた。
「そこです。維持管理。刻印は点検しなければなりません。罠には動力、修理、交換が必要です。怪物は食べ、繁殖し、病気になり、壁を壊し、時には想定以上に賢くなります。飢えた怪物を使えば非人道的で不安定です。満腹なら襲わないかもしれません。魔法構造体は高価。生物なら脱走の危険。アンデッドなら闇との外交問題。悪魔の犯罪者なら法的問題と買収の危険。幻術なら聖騎士団に見破られる可能性があります」
彼は喜んで彼女を見ていた。
「もう設計しかけているな」
「反対しているんです」
「非常に詳しく」
「ひどい考えだからです」
マルヴェインが穏やかに言った。
「恐ろしい考えと、悪い考えは同じではありません」
シアナが彼を振り返った。
「それは、あなた個人の祈りのように聞こえます」
「そうかもしれません」
リラが割って入った。
「真剣に検討するなら、機能を分ける必要があります。殺傷区域としての迷宮。侵入者を遅滞させ選別する仕組みとしての迷宮。政治的象徴としての迷宮。それぞれ別です」
「そのとおり」彼は言った。「地下に、年三人をことさら芝居がかった方法で殺すため金を使う、愚かな肉挽き神殿が欲しいわけではない。高くつくし、馬鹿げている。だが一団を足止めし、観察し、消耗させ、分断し、能力を測り、場合によっては生け捕りにできる場所なら、話は面白くなる」
シアナが眉をひそめた。
「観察?」
「魔法で。内部にいる者を」
「安定した観測節点が必要です。逆探知から守られ、予備動力と偽の背景を持つもの。そうでなければ、訓練を受けた術師には監視されていると気づかれます」
「つまり、できる?」
シアナは黙った。
ほとんど認めたも同然だった。
彼は口元だけで笑った。
「それに賭けを許可してもいい」
シアナが慎重に目を上げた。
「何を?」
「賭けだ。死ぬかどうかではない。各区画を突破できるか。偽の祭壇の前で何分言い争うか。最初に『簡単すぎる』と言うのは誰か。聖騎士が何回踏み板を踏むか。術師が『すべて制御下にある』と説明し続けてから、助けを求めるまで何分か」
マルヴェインは片手で顔を覆った。
恥ずかしかったのではない。
喜びのためだ。
リラは非常に注意深く彼を見ていた。口元が怪しく動いた。
一方、シアナは突然まったく違う顔になった。
「待ってください」
彼は彼女を見る。
「どうした?」
「賭けを公式にし、宮殿の会計を通し、参加者を制限すれば、維持費の一部を補えます。ただし規制が必要です。そうでなければ衛兵が参加者を増やすため、意図的に噂へ餌を与え始めます。安全責任者が、自分で結果を変えられる項目へ賭けることも禁じなければなりません」
マルヴェインはゆっくり彼女を振り返った。
「シアナ」
彼女はもう頭の中で計算していた。
「賞金への税率を別に設定する必要があります。いえ、税ではなく迷宮維持基金への手数料でも。記録機能付きの観測結晶を使えば、一部の資料を衛兵や術師の訓練に利用できます。区画ごとの費用も算出できます。拘束用の罠、幻術、魔法的な行き止まり、安全な捕獲房……」
彼女は言葉を切った。
全員に見られていると気づいた。
赤くなった。
「今でも、ひどい考えだと思っています」
「もちろん」と彼。
マルヴェインは、長く行方不明だった親族でも見つけたように幸福そうだった。
「国庫総監が、たった今、悪の収益モデルを発明しました」
「悪を発明したのではありません」とシアナは憤慨した。
「ええ」とリラ。「採算性を評価したのです」
シアナは片手で顔を覆った。
「皆さん大嫌いです」
それまで黙っていたアズガルが、ようやく口を開いた。
「宮殿の下には古い隧道がある」
沈黙の質が変わった。
マルヴェインの微笑みが細くなる。
リラがアズガルへ顔を向けた。
シアナはゆっくり手を下ろした。
「どんな隧道だ?」と彼が尋ねる。
アズガルは城塞の地図、その下部を指した。
「古いものだ。過去の攻城戦のあと閉鎖された区画もある。倉庫階へ続くもの、古代の排水路へ続くもの、現在は封印されている外部の岩道へ繋がるものも。一部は非常用通路として残されている。すでに複雑だ。迷宮ではないが、遠くもない」
マルヴェインが静かに言った。
「さて、本当に面白くなってきました」
リラは眉をひそめた。
「あるいは、本当に危険に。宮殿下の古い隧道は遊び場ではありません」
アズガルが頷いた。
「だからこそ、もっと詳しく知る必要がある。どうせ存在している。制御可能な防衛区域へ作り替えられる区画があるなら、役に立つ」
シアナはもう、再び計算していた。
「調査が必要です。完全な地図、古い刻印の点検、崩落の評価、影の流れ、地下水路、すでに怪物がいる可能性。未登録の裂け目があれば……」
「ほら」彼は言った。「全員が考え始めた」
リラが問いかけるように眉を上げた。
「『命令ではない』とおっしゃいました」
「今も命令ではない」
マルヴェインが首を傾げた。
「ですが君主の思いつきは――」
「マルヴェイン」
「黙ります」
「黙っていない。罠の将来予算へ微笑みかけている」
「認めます」
彼は四人を見た。
これが危険なのだ。
ロガン王の時にも見た。口にした考えは、ひとりでに生き始めることがある。ことにマルヴェインが気に入り、シアナにとって財務課題となり、アズガルにとって軍事的な機会となり、リラにとって法的な頭痛となった場合には。
「もう一度言う」彼は言った。「迷宮を建設せよという命令ではない。可能性の評価を用意せよという命令だ。評価だけ。隧道の地図、危険、調査費用、考えられる機能、法的制限、維持管理。工事は始めない。罠も、怪物も、英雄向けの秘密通路という噂もなしだ」
マルヴェインがわずかに息をついた。
「お残酷でいらっしゃる」
「失敗から学んでいる」
リラが短く頷いた。
「明確です。可能性の評価。実施はなし」
シアナも記録した。
「はい。評価です。調査予算を伴う」
アズガルが加えた。
「古い下層を知る者で一隊を出す」
「リラが立ち入りを登録した者だけだ」
リラがもう一度頷く。
マルヴェインはまだ微笑んでいた。
彼は視線を向けた。
「それと、一週間後に完成した迷宮を見せて俺を喜ばせようとするな」
「一週間では不可能です」
「マルヴェイン」
「意図は理解しました」
「その意図が、あとで誰かの背中を刺すのは望まない」
「では正確に申し上げます。あなたの直接命令がない限り、実施はいたしません」
「よし」
だが内心では理解していた。一か月後、下層隧道で「安全上の理由から部分的な準備」がすでに始まっていたとしても、驚きはしないだろう。
さらに悪いことに、自分が反対するかどうかにも自信がなかった。
やはり、その思いつきが気に入っていたからだ。
自分の迷宮を持たない影の君主など、何だというのか。
悪としての貫禄に欠ける。
まったく、不謹慎なほど貫禄に欠ける。




