↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影の君主  作者: Svolik
56/69

第56章

飛行は日課になった。


初めのうちは、まだ「負荷を制限し、魔力回路の検査と翼の状態確認を必須とし、高度に関する自主的な実験を禁じた訓練」と呼ばれていた。


最後の一節を、シアナはことさら頻繁に口にした。


三日目、彼は言った。


「もうわかった」


シアナは測定板から目を上げずに答えた。


「いいえ。覚えただけです。それは別です」


隣に立つリラが平然と加えた。


「シアナが正しいです」


「それが二人のお気に入りの訓練になった気がする」


「何がです?」とリラ。


「シアナが正しいと俺に言うことだ」


シアナは赤くなったが、それでも言った。


「初めから同意する回数を増やしていただければ、訓練も短くなります」


リラは笑いそうになった。


「ほら。また正しいです」


彼は二人を見た。


「陰謀だ」


「はい」とリラ。


「医療上の」とシアナも付け加えた。


「ましには聞こえないな」


だが、それ以上は反論しなかった。


実際、飛行には制御が必要だったからだ。


日を追うごとに、練兵場は狭くなっていった。つい先日まで広大に思えた空間が、訓練用の檻へ変わりつつある。離陸、旋回、降下、方向転換、滞空、着地。それから、もう一度。さらにもう一度。翼は疲れにくくなり、魔法の支えは安定し、身体は空気を危険ではなく環境として理解し始めた。


時にはリラやシアナも一緒に飛んだ。


最初は、ほとんど偶然だった。


彼が練兵場の上へ上がり、城壁に沿って大きく旋回すると、リラが翼を広げるのが見えた。足場を軽く蹴り、あとを追って上がってくる。彼とは違う飛び方だった。彼女の翼はもっと小さく薄い。長時間の力仕事より、短い機動に向いている。その身体の下にはすぐ、ほとんど見えない銀黒色の魔法の支えが敷かれた。彼女の気配そのものが伸びたようだった。


飛び方も違った。


空中へ放たれた刃のようだった。短い旋回、正確な降下、城壁に沿ったほとんど無音の飛行。高度の維持には翼より魔法を多く使っていたが、それで弱く見えることはない。ただ、飛行の型が違うのだ。


二人とも着地してから、彼は言った。


「悪くない」


リラが眉を上げた。


「悪くない?」


「羨ましい」


「そのほうがいいですね」


「褒め言葉を待っていたのか?」


「いいえ。正確さを」


「シアナの影響が悪いな」


測定板を持つシアナが即座に言った。


「正確さは重要です」


「ほら」


翌日はシアナも飛んだ。


その前に彼女は十分間、自分が参加すれば「異なる翼面積における魔法的荷重軽減の方式を比較できる」と説明した。彼は聞いていたが、やがてリラが言った。


「一緒に飛びたいのです」


シアナの顔が燃え上がった。


「動機の説明として不完全です」


「でも正しい」


「一部は」


「十分です」


そして、シアナも飛び上がった。


彼女の翼はリラのものよりさらに小さく、安定を取るためのものに近かった。魔力は多く使うが、その扱いは驚くほど澄んでいる。空中へ出たばかりのシアナは緊張し、あまりにも正確だった。すべての指示へ同時に従おうとしている者のように。それでも二周目に入ると、何かがほどけた。


彼女は微笑んだ。


ほんの少し。


だが彼には見えた。


リラにも。


シアナは速くも、鋭くも飛ばなかった。それでも美しかった。上昇、降下、翼の角度、魔力消費。そのすべてが計算されている。彼のように空へ飛び込むのでもなく、リラのように切り裂くのでもない。


空気と話をつけながら飛んでいた。


着地してから、彼は言った。


「似合っている」


シアナは翼を畳むより先に頬を赤くした。


「飛行が、ですか?」


「そうだ」


「翼を持つ悪魔としては、解剖学的に予想される結果です」


リラが淡々と言った。


「褒め言葉を受け取りなさい」


シアナは息を吐いた。


「ありがとうございます、君主様」


そのあと訓練が終わるまで、彼を長く見すぎないよう努めていた。


当然、うまくはいかなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。