第53章
数日後、飛行は救われた墜落の連続ではなくなった。
すでに人間三人分の高さまで上がり、練兵場の半分を横切れる。旋回はまだ荒く、着地も重すぎた。一度は尾で訓練旗を引っかけ、そのまま数メートル運んでしまい、グロムを嬉し涙に暮れさせた。
シアナは笑わなかった。
ほとんど。
「尾も操縦に使うんです」
「旗が証明してくれた」
リラは完全に真面目な顔で、彼の尾から旗を外した。
「象徴に対する勝利ですね」
「記録するな」
「もうしました」
アズガルは戦闘訓練を見る時と同じ目で、飛行を観察していた。
「戦場では、上を取ればさらに危険な存在になる」
シアナが即座に言った。
「空中戦を考えるにはまだ早いです」
「考えるには早くない。実行するには早い」
「それは別です」
「そうだ」
彼はもう一周飛び、ほとんど普通に降りた。
完璧ではない。
だが亀裂は残さなかった。
シアナが頷いた。
「よくなりました」
「ただ、よくなっただけか?」
「大幅によくなりました」
「もう少しで褒め言葉だな」
「褒めています」
彼は微笑んだ。
シアナは赤くなり、測定板へ顔を埋めた。
週の終わり、彼は初めて城壁より高く飛んだ。
ほんの少しだけ。
それでも、そこには本物の境界があった。
広い練兵場が下へ遠ざかり、城塞の壁が両側に並び、やがて石壁の縁が目の高さより下へ、胸より下へ、翼より下へ沈んだ。眼前に砦の外側が開ける。斜面、暗い道、遠い森の縁、灰色の岩肌が帯のように伸びていた。
風が、より強く、より自由に打ちつけた。
翼が揺れる。
歓喜に呑まれ、魔法の支えが崩れかけた。
「安定させてください!」
下から、刻印で増幅されたシアナの鋭い声が届いた。
彼は息を吸った。
高度を変えない。動きをまっすぐ保つ。上へ向かう衝動を抑える。
持ちこたえた。
数秒間。
それから城壁の上を大きく一周し、練兵場の内側へ戻った。
着地は重かったが、乱れはなかった。
シアナは青ざめて立っていた。
その隣のリラは、表面上はひどく落ち着いていた。だが気配はまるで落ち着いていない。
アズガルが頷いた。
グロムが叫んだ。
「今度こそ飛んでるぞ!」
シアナが彼を振り返った。
「叫ばないで!」
「怖がったんじゃない。喜んだんだ!」
「どちらでも叫ばないでください!」
彼は石床に立っていた。翼はまだ開いたままで、胸が大きく上下している。身体の内側は風で満ちていた。
力ではない。
権力でもない。
風だ。
それは、ほかの何とも違っていた。
ゆっくりと翼を畳んだ。
「それで?」
シアナは測定板を見た。
次に彼を見た。
そしてまた測定板を見る。数字の中から、目の前の事実を認めずに済む許可を探しているようだった。
「よかったです」ようやく彼女は言った。「とても」
彼は問いかけるように微笑んだ。
「なら、東塔は?」
シアナは即座に眉をひそめた。
「『とてもよかった』とは言いましたが、『美しく自殺してもいい』とは言っていません」
「考えるだけなら、もういいか?」
シアナは返事をためらった。
その間が、何より雄弁だった。
リラが眉を上げた。
アズガルがわずかに首を向けた。
グロムは口を開けたまま固まった。
シアナはため息をついた。
「考えるだけなら」ひどく慎重に言った。「ただ考えるだけです。実行はしません。計画を立て、軌道を計算し、下に安全用の陣を用意し、風を調べ、翼への負荷を確認します。積極的に高度を取らず、滑空を維持できるかも確かめます。そのあとで、可能なら東塔から一度だけ降下します」
彼は彼女を見つめた。
「つまり、東塔から滑空する計画を立ててもいい」
「考えるだけです。飛び降りないでください」
「わかった」
リラが言った。
「最初の部分しか聞いていませんね」
「わかっています」とシアナが答えた。
「だから記録しておく必要があります」
「もう書いています」
アズガルは内側の屋根越しに見える東塔へ目を向けた。
「あそこからの降下は、よい試験になる」
シアナが憤然と彼を振り返った。
「手を貸さないでください」
「貸していない。評価している」
「あなたの評価は危険です」
「時にはな」
彼は笑った。
そして再び、翼が開きたがるのを感じた。
今ではない。
だが、もうすぐだ。
夕方、私室に新しい本の山が現れた。
以前より低いが、それでも威圧的だった。
**翼を持つ悪魔の飛行基礎。**
**長時間滑空における魔法的荷重軽減。**
**塔と城壁周辺の気流。**
**自分は教官より賢いと思い込む若い飛行者によくある失敗。**
彼は最後の一冊だけを取り上げた。
「シアナか?」
卓についていたリラが答えた。
「はい」
最初の頁には、また彼女の書き込みがあった。
> 「どうか、まずこの本から始めてください」
彼は本を閉じた。
「ずいぶん大胆になってきたな」
リラは微笑み、肩をすくめた。
「慣れたのでしょう」
ちょうどその時、夜の測定板を持って入ってきたシアナが最後の言葉を聞き、赤くなった。
「何に、ですか?」
彼は彼女を見た。
リラを見た。
本を見た。
今日、城壁の上で風を受けた感覚をまだ残している自分の翼を見た。
「俺に、らしい」
シアナはさらに顔を赤くしたが、引き下がらなかった。
「完全にではありません」
「それは嬉しいな」
「なぜです?」
彼の代わりにリラが答えた。
「影の君主に完全に慣れてしまうのは、よくない兆候ですから」
シアナは考えた。
「はい。そのとおりです」
彼は卓につき、身分の高い飛行者が犯す失敗についての本を開いた。
「よし。美しく自殺しないために読むか」
「そのとおりです」とシアナが言った。
リラが傍らへ葡萄酒を置いた。
「勇気のためか?」
「忍耐のためです」
彼は最初の頁を読んだ。
次の頁も。
三頁目で、著者が不愉快で、くどく、そして残念ながら役に立つ人物だったとわかった。
窓の外では、黒の城塞の空が暗くなっていく。
どこかで東塔が待っていた。
そこから身を投じるという考えは、落下ではない。
飛行の始まりだった。




