第51章
シアナが初飛行を許可した時の顔は、自分自身の平穏に死刑判決を書き込む者そのものだった。
朝、彼女はアズガル、リラ、若い研究員二人、衛兵三人、グロム、安全用の刻印一式、測定板を伴って現れた。その顔には、こう書かれていた。もし君主が墜落したら、目撃者を全員自分の手で殺し、そのあと彼を蘇生させて講義をしてやる。
「今日は低く浮くだけです」
彼は訓練場を見渡した。
場所は標的のあるいつもの訓練場ではなく、城塞南壁近くの広い内側の練兵場だった。石床はより平らで、空間も広く、周囲にはすでに防護陣が配置されている。城壁の上には衛兵。地上にはアズガル、リラ、グロム、そして落ち始めたら素手で受け止めるつもりにさえ見えるシアナがいた。
「どれくらい低く?」
シアナは手で高さを示した。
「まずは私の背丈までです」
彼は彼女を見た。
それから自分の翼へ目をやった。
「シアナ」
「駄目です」
「まだ何も言っていない」
「馬鹿げている、と言おうとしたでしょう」
「控えめだと言おうとした」
「馬鹿げてるぞ」とグロムが告げた。
シアナは彼を振り返った。
「今日は黙っていられますか?」
グロムは考えた。
「できる。したくない」
アズガルが言った。
「黙れ」
グロムは黙った。
シアナの右には、記録板を持ったリラが立っていた。
「手順は?」と彼が尋ねる。
シアナはすぐ仕事の顔になり、そのぶん緊張が和らいだ。
「翼は揚力を生みます。ただし、悪魔の本格的な飛行は筋力だけで成立するものではありません。それでは消耗が大きすぎます。正しい配分はおおむね半々、翼と魔法による補助です。翼が方向、機動、揚力の一部を担い、影の魔法が体重の負荷を減らし、気流を安定させ、高度の維持を助けます」
彼は翼へ視線を移した。
「つまり、羽ばたくだけでは足りない」
「急速に疲れて落ち、何か大切なものを折るには十分です」
「翼か?」
「例えば。あるいは練兵場を」
リラが淡々と付け加えた。
「ここはすでに標的と壁を生き延びています。これ以上試さないほうがよろしいかと」
「翼と魔法を半分ずつ、だな」
「はい。ただし、魔力は少量です。打撃の時とも、盾の時とも違います。世界を下へ押すのではなく、自分の身体に軽くなれと納得させるんです」
彼はシアナを見た。
「身体を納得させる」
「正確な表現です」
「妙に詩的だな」
「数学を理解していなければ、正確さが詩に見えることもあります」
リラは微笑みを隠すように記録板へ目を落とした。
彼は息をついた。
「始めよう」
最初の練習は屈辱的だった。
飛行ではない。
跳躍だ。
翼を少し開き、胸と背の回路へ短く魔力を通し、跳び上がって空中に留まらなければならない。
塔を背に、美しく翼を広げるのではない。
大きすぎて、角まで生えた訓練生のように跳ねるのだ。
彼はシアナに言われたとおりにやった。
ほとんどは。
魔力が多すぎた。
身体はシアナの背丈どころか、その三倍ほどの高さまで跳ね上がった。翼が勢いよく開きすぎ、空気が翼膜の下へ叩きつけられる。尾が横へ流れ、均衡が崩れた。ひどく格好悪く落ちることだけは理解できた。
次の瞬間、眼下で安全用の刻印が光った。
落下が粘りつくように遅くなる。
それでも片膝と片手をついて重く着地し、石板に亀裂を残した。
グロムが押し殺した音を漏らした。
アズガルが重い視線を向ける。
グロムは完全に黙った。
シアナがすぐさま駆け寄った。
「損傷は?」
「自尊心」
「それはどうでもいいです」
「ありがとう」
「身体は?」
彼は立ち上がった。
「ない」
シアナは彼の周りを回り、翼、背、尾の付け根、魔力回路を確かめた。指は素早く、動きは専門家のものだった。それでも、翼膜が無傷だと確認した時、彼女が安堵の息をついたことには気づいた。
「魔力による補助が強すぎます」
「わかった」
「それに、翼を翼面ではなく盾のように開きました」
「勝手に動いた」
「なら、『勝手に』動かないよう教えます」
リラが記録した。
「第一回。予定より高く上昇。安全用の刻印は正常に作動。負傷なし。練兵場は一部、機嫌を損ねる」
「『機嫌を損ねる』?」とシアナが聞いた。
「『損傷』より穏やかです」
彼は足先で亀裂をつついた。
「頑丈な練兵場だ。耐える」
「皆そう言います」とリラは答えた。
二度目は低かった。
ようやく本当に、人間一人分の高さで数秒間浮かぶことができた。翼が空気を捉え、魔法が内側から細く身体を持ち上げ、重さを減らしていく。それは奇妙な感覚だった。
跳躍とは違う。
むしろ重力との口論に近い。
「いいです」シアナが下から言った。「そのまま。足さないでください。足したがっているのは見えています」
「何も――」
「見えています」
彼は保った。
二秒。
三秒。
五秒。
やがて魔力の支えが揺らぎ、翼が強すぎる動きで補おうとして、身体が横へ流れた。
「降りてください!」
彼は降りた。
落ちたのではない。
ほとんど普通に着地した。尾だけは、不満げな音を立てて石床を叩いたが。
グロムが小さく言った。
「もう飛んでるように見える」
今度は反論せず、シアナも頷いた。
「はい。もう、それらしく見えます」
その言葉は、思いがけないほど嬉しかった。




