第50章
数日間、謁見はほとんどなかった。
妙にほっとした。
もちろん、諸家が消えたわけではない。書状を寄越し、不平を述べ、弁明し、新たな提案を持ち込み、どの文言にも抜け道を残そうとしていた。ただ、リラとマルヴェインが、彼の即断を要しないものをすべて選り分けてくれた。サヴェルン・メラトを殴り飛ばして以来、急を要する無礼は減った。多くの問題が、突然、待つことを覚えたのだ。
おそらく、これこそ権力が固まり始めた何よりの証なのだろう。世界が単純になるわけではない。ただ、扉を叩きもせず踏み込んでこなくなる。
朝はアズガル。
打撃、組みつき、受け身、尾の使い方、短い踏み込み、そして最後の瞬間に力を止める訓練。時にはグロムが訓練用の石塊の代わりを務めた。彼は殴り飛ばされても一撃ごとに喜ぶため、役には立つが、参加者全員の自尊心には危険だった。
「もう一度!」
立ち上がるたび、グロムはそう言った。
シアナは頭を抱えた。
「怪我という概念はあるんですか?」
グロムは考えた。
「ある。退屈な時だ」
ある時、アズガルが言った。
「こいつは頑丈だ」
「それは医学的な所見ですか?」とシアナが尋ねた。
「実用上の所見だ」
「軍人の言い方は大嫌いです」
朝のあとは魔法。
環。糸。盾。小さな衝撃。掌に力を留めること。影を生み出すこと。訓練用の刻印が放つ弱い術を吸収すること。説明に夢中になると、シアナはますます恐れることを忘れた。そして、たった今誰に向かって「角の生えた石弩にならないでください」と命じたのか思い出しては、あとからますます赤くなった。
魔法のあとは本。
私室でも、小執務室でも、時には東塔でも読んだ。東塔では縁に立つことまでは許されたが、飛ぶ許可はまだ出なかった。シアナが禁止期間を延長したのだ。
「一週間と言っただろう」
「最低でも一週間、と言いました」
「これが学者の狡猾さか」
「正確な表現です」
隣に座っていたリラが、平然と言った。
「シアナが正しいです」
「裏切りが制度化されてきたな」
「危機管理です」
塔から空を眺めていると、翼が開きたがっているのを感じた。
空はもう、ただ彼を誘うだけではなかった。身体を通じて、ほとんど呼びかけてきていた。風が翼膜をなぞり、背を渡り、新しく生まれた神経を走る。そのたび、身体の奥に確信が灯った。
飛べる。
だが、この数日で彼はもう十分に学んでいた。「できる」と「やり方を知っている」を取り違えてはいけない。
夕方は報告。
マルヴェインが諸家と噂について報告した。メラトの一件以来、廊下では新しい評判が流れているという。新たな君主は人間のように勘定し、悪魔のように殴り、最後には言い残したことまで問いただす者のように耳を傾ける。マルヴェインはそれを「健全な恐怖」と呼び、リラは「実務に役立つ敬意」と呼び、シアナは「以前よりまし」と呼んだ。アズガルはただ頷いた。
国庫にも改善の兆しが現れていた。勝利でも救済でもない。それでも、最も露骨な特別優遇を停止してから、初めて実際の収入が入ってきた。疲弊した地域からはまだ金は上がらなかったが、訴えが減り、公の取引が増えた。シアナにとっては、喜ぶことよりもそちらのほうが重要だった。今日の減免が二か月後には流れとなって戻り始めると、すでに見通していたからだ。
「諸家が途中で台無しにしなければ、ですが」
彼女は毎回そう付け加えた。
「毒のない言い方はできないのか?」
「毒ではありません。条件です」
「毒入りの条件だ」
リラも同意した。
「少量ですが」
夜にも一定のリズムができた。
リラだけが残る夜もあった。そんな夜は、馴染んだ深さと、この奇妙な悪魔の暮らしなりの家庭らしさがあった。シアナが来る夜もあり、リラはまた、彼女を支え、導き、見守る役を引き受けた。時にはシアナが二人の間で眠り込み、術式ではなく、魔力回路や税について途切れ途切れに寝言を漏らした。リラに言わせれば、どちらも同じものらしい。
ある夜、彼はシアナの静かな寝言で目を覚ました。
「違います、メラト。橋はありません……」
リラが片目だけ開いた。
「ほら」
彼はシアナを完全に起こさないよう、できるだけ声を殺して笑った。
何もせずに終わる夜もあった。
ただ眠るだけだ。
アズガルとの訓練がことさら厳しかった日、彼は寝台へうつ伏せに倒れ込んだ。翼はどうにか左右へ広げ、尾は床へ垂らしたままだった。あとから来たリラが彼を見て、尋ねた。
「生きていますか?」
「一部は」
「シアナは?」
「診察を受ける前に死ぬことを禁じられた」
「賢明です」
リラは彼を裸にせず、帯と厚手の胴着だけを脱がせてから、その脇へ横になった。
「今日は英雄的行為なしです」
「異論はない」
「不安になりますね」
「明日は言う」
「結構です」
彼はほとんどすぐに眠りへ落ちた。
夢の中で、彼は訓練場に立っていた。目の前には石塊があり、それをきっかり半歩だけ動かさなければならない。
殴る。
すると石塊は、かつて住んでいた集合住宅の扉に変わった。その向こうには濡れた舗道があり、店の袋があり、パン、チーズ、卵、ミネラルウォーター、茶菓子があった。
夜明け前に目を覚ました。
飛び起きたわけではない。
ただ、目を開けた。
リラが隣で眠っている。壁の向こうでは、黒の城塞が石の呼吸を続けていた。遠くで衛兵が交代している。実験室では、シアナが本の上で眠っているか、あるいは今も眠らずにいるのだろう。アズガルはもう訓練場にいるかもしれない。
彼は横になったまま、以前の世界は今も自分の中にあるのだと考えた。
邪魔はしない。
消えもしない。
箱にしまった古い上着のように、そこにある。もう着ることはできないが、捨てるには惜しい。
やがて起き上がった。
リラを起こさないよう、慎重に。
それでも彼女は目を開けた。
「どちらへ?」
「訓練場だ」
「まだ早いです」
「アズガルが喜ぶ」
「危険な兆候ですね」
彼は微笑んだだけだった。
「寝ていろ」
「従わない命令はなさらないでください」
彼女も起き上がった。
半刻後、二人は訓練場にいた。
アズガルはすでに待っていた。
当然のように。
彼はフョードルを見て、リラを見て、何も置かれていない標的台を見て、内側の裂け目の上に広がる灰色の夜明け前の空を見上げた。
「始めるか?」とアズガルが尋ねた。
フョードルは最初の石塊の前に立った。
息を吸う。
脚を、尾を、背を、肩を、掌を感じた。昔から知る人間の動き。新たな悪魔の力。ケイルの記憶。そして、自分の意志。
拳を放った。
石塊は、きっかり半歩だけ動いた。




