第47章
シアナは案の定、不満だった。
夜遅く、測定板を抱え、厳しい顔でやってきた。ただ頬が赤いため、その厳格さが少し損なわれている。
「力を確かめもせず、家門の代表を殴ったそうですね」
「失礼な男だった」
「無礼さは、許容できる衝撃を測る単位ではありません」
寝台の傍らに座っていたリラが、小さく言った。
「記録しておきましょう」
シアナがそちらを見る。
「何をです?」
「今の、いい言葉だったわ」
シアナは気まずそうにしたが、引かなかった。
「私は真剣です」
「私もよ」
彼は両手を上げた。
「シアナ、わかってる。加減を誤った。思った以上の力が出た」
「どの程度、以上に?」
「わからない。意識して殴ったなら、もっと強くできた」
「そこが問題です。ですから明日の朝は、魔法を使わない身体的な力の追加訓練を行います。打撃、押し、拘束、動作の停止。アズガルが訓練用の器材を出すことに同意しました」
「アズガルが?」
「はい」
「喜んでいたか?」
「はい」
「裏切り者め」
リラが言う。
「軍司令官です。当然でしょう」
シアナは近づき、手首を取って回路の脈を確かめた。
指が冷たい。
「魔力の放出は、ほとんどなかったようです。主に身体そのものの力でしょう。よい知らせは、回路が安定していること。悪い知らせは、魔法を使わなくても、ほとんど偶然に人を殺せることです」
「心強いな」
「だから訓練します」
「はいはい、監督官殿」
シアナは顔を上げ、赤くなったが、手は離さなかった。
リラは嫉妬せずに二人を見ていた。むしろ、もう見慣れたあの眼差しだ。理解と、会議室には持ち込まれない個人的な夜の何かが宿っている。
「今日は実験なしです」
シアナが突然言った。
彼は眉を上げる。
「自分で決めたのか?」
さらに赤くなったが、持ちこたえた。
「はい。あなたには休息が必要です。私も測定結果を整理しなければなりません」
リラの口元が、わずかに上がる。
「もちろん」
シアナはリラを見る。
「本当の測定結果です」
「誰も疑っていないわ」
「目で疑っています」
「それも測定結果に入るの?」
シアナは口を開いた。
閉じた。
「入るかもしれません」
彼は笑った。
一日の緊張が、ようやく少しほどけた。
短い診察を終え、翌日の訓練項目を残すと、シアナは帰っていった。リラは残った。
静かな夜だった。
触れ合いがまったくなかったわけではないが、実験はなかった。リラは隣へ横になり、彼は手のひらに温かい背中を感じながら、長いあいだ抱いていた。
「今日、殴ったあと、お前は黙っていたな」
「はい」
「なぜ?」
「謁見室中が見ていたからです。助言者は、ときにその場ではなく、あとで言うべきことがあります」
「俺が殺していたら?」
リラはすぐには答えなかった。
「それでもまず、場の秩序を保ちました」
彼は顔を向ける。
「そのあとで?」
「過ちだったと申し上げたでしょう」
「罪ではなく?」
「罪を犯すのは、法の下にいる者です。玉座は法そのもの。だから権力の過ちです。そして、そのほうが深刻です。罪は隠せますが、過ちはあなたに不利な形で働き始めますから」
彼は苦笑した。
「慰めるのが上手だな」
「そのためだけに傍にいるのではありません」
「何のためだ?」
リラは彼の肩へ頭を置いた。
「力と権利を混同させないため。そして、それでも混同なさったときは、結果を制御できるものにするためです」
彼は指で髪を撫でた。
「厳しいな」
「真実です」
「ありがとう」
「知っています」
二人は黙った。
壁の向こうでは宮殿が動いている。メラト家は折れた肋骨をいたわりながら、口にする言葉を数え直していることだろう。
ほかの諸家も、結論を出している。
とても速く。
いかにも悪魔らしく。
彼は目を閉じた。
権力は今日も、単純な事実を示した。命令を十枚出すより、一発殴るほうが早く伝わることがある。
あとは、その説明が不慮の死に変わらないよう、殴り方を学ぶだけだった。




