第33章
夕方には、望んでいた以上に気分が沈んでいた。
葬送儀礼は翌日に決まった。女祭司が寄越した一覧は短い。清浄な布、水、塩、白い蝋燭、そして空の下、少なくとも本物の光が差す場所。最後の項目は黒の城塞では別途協議が必要だった。城壁を出ずに済む東塔をリラが提案し、フョードルも同意した。
術師から最初の記録が届いた。
不揃いで、慎重で、ほとんどは事実だけ。最後に一行あった。
> 聖騎士団が、なすべきことをしたのか。それとも、しなかった場合を恐れたからしただけなのか、私には分からない。
フョードルは長くその一行を見つめた。
それから記録板を置いた。
夕食後、リラが来た。
書類はない。報告もない。細身の葡萄酒瓶と二つの杯、そして今夜の彼を引き上げるのに質問は使えないと理解した女の、落ち着いた顔だけだった。
「それは緊急案件か?」
葡萄酒を見て尋ねた。
「はい」
「葡萄酒が?」
「緊急です」
「承認する」
彼女は彼へ注ぎ、自分の杯にも注いだ。許可を求めず隣へ座る。これも新しいことだった。以前は合図を待った。今では必要だと分かれば、自分から場所を取る時がある。
二人は黙って飲んだ。
葡萄酒は暗く濃く、苦い渋みのあとに甘さが残った。
「うまい」
「アルダト家から、歓迎の贈り物として届きました」
「もう始めたか」
「当然です」
「酒はうまいが、特恵は戻らないと記録しろ」
リラはほとんど笑った。
「すでに」
もう一杯注ぐ。
それから杯を置き、彼へ近づいた。
「立つか?」
「そのままで」
彼の前へ跪き、腿へ両手を置いて見上げる。
「リラ」
「はい?」
「気を逸らすつもりか?」
「はい」
正直だった。
「できると思う?」
「完全には」
「なら、何のために?」
「時には『完全ではない』でも十分です」
フョードルは彼女を見た。
今夜の気配には、荒れ狂う渇望はない。温もりと意志、それに深く隠され、本人さえ恥じないため奉仕と呼んでいるかもしれない気遣いがある。
彼女はゆっくり帯を解いた。
急がずに。
彼は任せた。
今夜の親密さは炎ではなかった。冷たい水から一気に引き抜くのではなく、絶え間ない力で引き上げる手に近い。全てを忘れさせようとはしない。ただ、呼吸と肌と温もりの分だけ、思考を遠ざけていく。
ほとんど成功した。
寝台へ移っても、初めは女祭司、二つの遺体、生きた敵をどうすればいいか分からないことをまだ考えていた。やがてリラが上になり、ゆっくり彼を受け入れ、あまりに真っ直ぐ目を見るため、思考の形が崩れ始めた。
「私を見て」
彼の唇に皮肉な笑みが浮かぶ。
「今度はお前が命令するのか?」
「お願いしています」
「違いは?」
「大きいです」
フョードルは見つめた。
動く姿。翼で均衡を取り、指を彼の胸へ置き、一動作ごとに顔を変えていく様子。急がない。乱暴さへ引き込まない。忘れろとも求めない。
ただ、ここにいる。
生きて。
暖かく。
彼のものとして。
それで、ほとんど十分だった。
終わったあとも、リラは隣に残った。
頭は肩に。
指は胸に。
「できましたか?」
小さく尋ねる。
彼は背を撫でた。
「ほとんど」
「ほとんどは、何もないより多いです」
「今日は賢いな」
「アルダト家の葡萄酒です」
「なら、小さな特恵くらい認めてもいいかもしれない」
リラは指で彼の胸を軽く打った。
「駄目です」
彼は笑った。
短く。
本当に。
そこで、彼女が『ほとんど』以上を成し遂げたと分かった。
完全ではない。
だが十分に。
リラが隣で眠ったあとも、フョードルはしばらく暗闇を見つめた。
明日、女祭司は自分の死者の前に立つ。
それが重要なのかもしれない。
彼のためではないとしても。




