第25章
リラとの夜は、問いもなく訪れた。
荒々しい始まりもなかった。
夕食後、彼女はそれがすでに夜の手順の一部であるかのように自然に私室へ残った。外套を受け取り、最後の記録板を渡し、外部からの連絡を閉じ、警備を確認し、傍に残る。
黒い箱へ書類を収める姿を、フョードルは見ていた。
「今日は泊まるか?」
リラが目を上げる。
「はい」
「ご命令なら」も、「お許しいただけるなら」もない。
ただ、はい。
思った以上に、その違いは大きかった。
彼は近づき、顎を取り、口づけた。初めはゆっくり、ほとんど穏やかに。リラはもう以前の慎重な間を置かず、すぐに応えた。身体を寄せ、掌を胸へ置く。翼は少し開き、また畳まれる。これから先に場所と温もりと寝台と彼の手があることを、身体がすでに知っているように。
親密さが習慣になり始めていた。
色褪せたのではない。
道を覚えた火のように。行き方は知っていても、熱は変わらない。欲望は強く、魔族らしく直接的なまま、互いを知る感覚が加わった。
翼の間へ掌を置けば、彼女がどう身を反らすかを知っている。
彼女は、寝台の縁へ翼をぶつけないよう、どこへ手を掛ければいいか知っている。
黙って長く見つめると、リラがさらに赤くなることを知っている。
リラは、命令を待たず自分から求めてくる時、彼の欲望が最も強くなることを知っている。
ほとんど言葉を交わさず服を脱いだ。
爪で肌を傷つけず脇腹をなぞると、皮膚が震えた。リラは目を閉じて息を吐き、自分から彼の手を取って腿へ置いた。
小さな仕草。
宮廷的でも、職務的でもない。
彼のものだった。
フョードルは笑う。
「大胆になったな」
「慣れてきました、君主様」
「何に?」
彼女は目を開いた。
「あなたが私を選んだことに」
あまりに単純な答えだった。
彼は抱き上げ、寝台へ運んだ。途中で尾が卓の縁へ当たりかけ、リラは小さく笑ってから唇を噛む。
「何だ?」
「何でもありません」
「言え」
「もう、家具をほとんど倒さなくなりました」
彼は足を止めた。
彼女を見る。
「褒めたつもりか?」
「実用的な観察です」
「シアナの悪影響だ」
「最良の方から学んでいます」
加減しながらも勢いよく寝台へ放ると、リラは声を上げ、今度こそ隠さず笑った。だが彼が身体を覆うと、笑いは途切れた。
その先は、笑っている余裕がなかった。
リラは以前ほど痛まず、より確かな身体で彼を受け入れた。フョードルはゆっくり入り、下で開いていく身体、乱れる呼吸、肩へ食い込む指を感じた。顔を隠さない。できる限り真っ直ぐ見つめ、より深く入ると目を閉じ、小さく喘いだ。
今度、彼は急がなかった。
優しくしたいだけではない。
一瞬で奪うのではなく、ゆっくりその時を所有する快楽のために。彼女が受け入れ、緊張を解き、自ら腰を持ち上げ、言葉ではなく動きで求めるところを見るために。
耳元へ屈む。
「俺のものか?」
リラが息を吐く。
「あなたのものです」
もう、力ずくで引き出された告白のようには聞こえない。
自分でも聞きたいから繰り返す真実のようだった。
彼は急がず、さらに深く動いた。リラは下で喘ぎ、翼で彼を抱き、我を忘れると爪で背を掻いた。彼は許した。むしろ、それを望んだ。新しい肌に残る彼女の爪痕が、なぜか正しく思える。
やがてリラが上になった。体格差があるため、初めはぎこちなく慎重に動く。だが律動を見つけ、自分の大胆さに恥じらった。フョードルはそれを見抜き、腰を掴んで逃がさない。
「続けろ」
彼女は続けた。
赤い顔、震える腿、昼の評議会で見せるリラとはかけ離れていく露骨な声。自ら彼を受け入れ、少しずつ制御を失い、いつもの厳格さが顔から消え、欲望と信頼だけが残る様子を見つめた。
その言葉は不意に浮かんだ。
信頼。
服従でも奉仕でも、情欲だけでもない。
彼の力は従わせても、押し潰しはしないという信頼。手荒く掴んでも、壊さないという信頼。傍は危険でも、空虚ではないという信頼。
フョードルは身を起こし、彼女を抱いて引き寄せ、予想以上に深く入った。リラは叫び、首へ腕を回し、顔を肩へ隠す。彼はそのまま抱き、短く重く動かし続けた。やがて身体が震え、彼女は喘ぎながら身を反らし、彼を締めつけ、ほとんど聞こえない言葉を囁いた。
それから仰向けに返し、自ら最後まで導いた。
全てが終わると、リラは乱れた髪と、もう羞恥だけではない赤みを頬へ残し、荒く息をしながら彼の下にいた。フョードルが隣へ横になると、すぐに近づいてくる。
習慣のように。
また、その言葉が浮かぶ。
習慣。
肩の上の頭。脇を覆う翼。背へ置いた手。静かな呼吸。低く燃える火鉢。扉の向こうの宮殿。明日になれば再び決断を求める国家。
今日は違う。
今日は〈闇〉と〈森〉と〈海〉、古い家、利益なしに古い特恵を返してほしいという願いへの柔らかな拒絶の日だった。
夜はリラのものだった。
彼女が眠りへ落ちかけた頃、フョードルは小さく尋ねた。
「本当に慣れてきたのか?」
リラは目を開かない。
「はい」
「危険だぞ」
「知っています」
「それでも?」
彼女は少し強く身を寄せた。
「それでも」
彼は答えず、翼を掌で撫で、目を閉じた。




