第20章
その晩、リラは自分からやってきた。
フョードルはちょうど、マルヴェインの風聞報告を読み終えたところだった。新君主は同時に「冷徹な計算家」「人間らしく温情深い」「魔族らしく残酷」「危険なほど予測不能」「財政へ関心を持ちすぎている」と噂されている。
最後の一つが、諸家を最も恐れさせているらしい。
リラは先触れなしで入ったが、夜間に入室する許可は与えてある。扉の前で足を止め、頭を下げた。
「緊急の書類は、もうありません」
「本当か、それとも慈悲か?」
「今後一時間については事実です。その後は変わる可能性があります」
「世界の寛大さに感謝する」
彼女は帰らなかった。
フョードルの視線が姿を辿る。
今夜の服装は簡素だった。夜向きの柔らかな暗色の布。髪は下ろしている。顔は平静だ。
だが気配は、もう顔より多くを語っていた。
秘書として来たのではない。
少なくとも、それだけでは。
彼はゆっくり記録板を置いた。
「リラ」
彼女が目を上げる。
「はい、君主様?」
「来い」
近づき、彼の前で止まる。
フョードルは何かを言おうとした。
だが、その前にリラが寝台へ向き直った。
ゆっくりと、それでも迷いなく。
寝台へ膝をつき、肩を落とす。最初の頃のような四つん這いではない。もっと低く、露骨に。肩と胸を掛布へ押しつけ、腰を高く上げ、脚を恥知らずなほど大きく開いた。部屋の空気が一瞬で熱くなる。
自ら尾を脇へ退け、布を捲った。
自ら開き、自ら差し出す。
彼に疑いも、会話も、退く余地も残さずに。
フョードルは彼女を見つめた。
背の線。広がる翼。腿の震え。開いた脚の間に光る濡れ。横目で彼を見るため、わずかに向けられた顔。
「今日は、俺の選択を簡単にするつもりらしいな」
少し間を置き、普段より低い声が答えた。
「はい」
彼はゆっくり近づいた。
一歩ごとに、彼女の呼吸が深くなる。動かない。隠れない。作法や義務、君主の傍らという地位のふりもしない。
掌を腰へ置くと、身体が震えた。
恐怖ではない。
期待だ。
「その姿勢は、忍耐への侮辱に近いな」
「なら、耐えないでください」
新しい言葉だった。
彼は腿を掴む。
リラが唇を噛んだ。
「もう一度」
彼女は目を閉じる。
「耐えないでください、君主様」
思わず唇を舐めた。
そして本当に、耐えるのをやめた。
自分の服はすぐに脱いだ。彼女の服は、ずらし、開き、邪魔な布を退けるだけでいい。すでに濡れ、彼を待っている。彼の大きさをすぐ完全に受け入れる準備などできない。それでもリラの身体は彼を知り、求め、近づこうとしていた。
後ろから、まずゆっくり入る。すでに馴染み始めた、きつい抵抗を感じた。リラが長く押し殺した声を漏らす。腰を掴んだまま、慣れる時間を与えた。
彼女のほうから、貪るように腰を戻した。
用心が足りないほどに。
その動きを受け止め、押さえ、それからさらに深く突いた。全てではない。だが鋭く。リラは掛布の中へ叫び、彼を締めつけた。身体は一度逃げようとし、すぐまた後ろへ求めてくる。
「もっと」
吐息の中の言葉だった。
フョードルは動き始めた。
初めは短く。彼女の身体が震え、痛みと渇望をもって受け入れるたび、少しずつ深く、強くする。もう声を隠そうとはしていない。喘ぎは大きく、低く、露骨になり、翼の縁は震えた。尾は曲がりながらも、自ら脇へ除けたままだった。全てを彼へ明け渡したいかのように。
彼は尾の付け根を掴んだ。
リラの全身が震える。
「これか?」
「はい」
即座に声が落ちた。
尾を引いて腰を寄せ、さらに深く入る。
今度はほとんど限界まで。
彼女は叫び、肩を寝台へ押しつけ、脚をもっと開いた。完全に淫らで、無防備な姿勢。今日は命令を待っていない。どこにいたいか、自分から示した。
彼の下に。
開かれて。
抱かれて。
彼のものとして。
フョードルは激しく動いた。だが拷問室のあとにあった暗い空虚さはない。別の像を追い出す必要もない。リラはその身体、覚悟、命令で作った服従よりはるかに価値のある恥知らずさで、すでに追い出していた。
身を屈め、翼の間へ掌を置く。
「自分で決めたのか?」
「はい、君主様」
「なぜ?」
答えようとしたが、次の一突きが呼吸を奪った。フョードルは深く入ったまま止まり、問いから逃がさない。
「なぜだ?」
リラは可能な限り顔を向けた。火照った顔。潤み、欲望で暗くなった目。
「疑わずに、私を抱いていただくためです」
彼は一瞬、動きを止めた。
それから何かが開いた。暗くも邪悪でもない。飢えた、所有欲に満ちた何か。
彼女を抱いた。
身体が求める最低限の加減以外、もう段階を踏まない。深く、強く、根元まで、何度も。リラは叫び、喘ぎ、感覚の過剰さに笑うような声さえ漏らし、意味をなさない小さな懇願へ崩れた。尾、腰、翼、髪を掴む。それはもう権力を試す行為ではなく、彼女自身が選んだ形を認める行為だった。
リラは属したがっている。
政治的にではない。
肉体だけでもない。
まだ口にするには危険な、あらゆる意味で。
気配にもそれが見えた。銀が開き、温まり、暗い核を包んでほとんど柔らかくなる。それでもリラはリラのままだ。危険で、賢く、整然としている。だからこそ、その覚悟には力があった。
今日は、自分のものかとは尋ねない。
彼女は姿勢ですでに答えた。
フョードルはただ、その答えをさらに深く押し込んだ。
リラが絶頂すると、全身が震えに崩れた。掛布へ叫び、次には顔を上げて隠さず声を上げる。彼は止まらない。頂点を通り過ぎさせ、その喘ぎが感覚の多さにほとんど無力になるまで続けた。
そこで初めて、自分を解放した。
深く。
限界まで。
低い掠れ声で彼女の名が漏れ、二人とも驚いた。
リラはすぐには振り返れなかった。動けるようになると、自ら近くへ這ってきた。
命令なしで。
頭を彼の肩へ載せる。
馴染みがない。
それなのに自然すぎた。
彼は退かなかった。
髪が胸へ流れ、一枚の翼が不器用に彼の脇を覆う。小さく、暖かく、まだ微かに震えている。速かった呼吸も、少しずつ落ち着いた。
「リラ」
「はい?」
「今日は泊まるか?」
彼女は頭を上げない。
「ご命令でしたら」
彼は黙った。
ほとんど聞こえない声で、彼女が付け加える。
「あるいは、お許しいただけるなら」
そのほうがよかった。
フョードルは背へ手を置いた。
「ただ、俺がいてほしいなら?」
リラは息を吐いた。
もう、彼に考える空間を残すため立ち上がり、自室へ戻る必要はなかった。
考えは、それでもあった。
マルヴェイン。諸家。最初の一口を待つ葡萄酒のように気配が美味だったシアナ。自ら恥知らずなほど大きく開いて差し出し、抱かずにはいられなくしたリラ。権力は暴力にも、法にも、命令にもなる。そして、誰かが自らその手へ身を差し出し、それでも自分であり続ける、このような形にもなる。
これ以上は考えなかった。
今日は。
先に眠ったのはリラだった。
彼の肩で。
暖かく、疲労で重い。フョードルは寝息を聞きながら、数夜ぶりに、自分自身から離れたいと思わなかった。




