第12章
朝は金の話から始まった。
戴冠式よりひどかった。
戴冠式は少なくとも、古代の儀式に見せようと正直に努めていた。金は数字のふりをしている。だが一つ一つの数字の背後には、領地と軍と借金と私怨と古い権利と新たな恐怖を抱え、なぜ自分以外の誰かが支払うべきなのかを喜々として説明する者がいた。
シアナは三人の書記、分厚い綴りを六冊、地図を二枚、空中に浮かぶ歳入表、そして今から痛い目を見るとすでに知っている人間の顔を携え、小執務室へ現れた。
「それが短縮版か?」
一瞬、彼女は困惑した。
「はい」
フョードルは、書類にほとんど埋もれた卓へ視線を移した。
「完全版が怖くなってきたな」
「完全版には専用の部屋が必要です」
「冗談か?」
シアナはしばらく黙った。
「いいえ」
彼は席に着いた。
リラは右側に残った。後ろへ下がりすぎない位置だ。姿勢は真っ直ぐで、静かで、余計な視線を向けてこない。フョードルも必要以上に彼女を見つめなかった。
そのほうが楽だった。
そして、なぜか苦しかった。
「始めよう」
シアナは頷き、最初の記録板へ触れた。
〈影〉の領地における歳入図が、彼の前に立ち上がった。地理を示す地図ではない。生きた財務の地図だ。地域ごとに異なる濃さで光っている。太い流れとなって首都へ向かう場所もあれば、かすかに燻るだけの場所もある。途中で諸家や地方評議会、私設の金庫、古い債務へ逸れていく流れもあった。その仕組みはあまりに巧妙に記されており、少し覗きに来たマルヴェインでさえ「美しい盗み方ですね」と評したほどだった。
シアナは表現の正確さに気分を害したが、内容には反論しなかった。
「領地からの総徴収額は、中央統治機構、軍、要塞、研究事業を維持するには、形式上十分です」
「書類の上では?」
「現実には、玉座へ届くのは本来の歳入の半分以下です」
「なぜだ?」
彼女は次の表を開いた。
「免除。特恵措置。何十年も撤回されていない一時的な軽減。過去の戦争へ参加したことへの補償。すでに行われていない守備隊の自給に関する協定。先代君主への忠誠に対する優遇。先代君主が買い取った不忠に対する優遇。〈光〉の被害を受けた家への例外。〈光〉を食い止めていると称する家への例外。〈光〉を食い止めると約束したものの、今は相続争いに忙しい家への例外」
フョードルは黙って聞いていた。
シアナの口調は次第に速くなった。今度は恥ずかしさのせいではない。怒っているのだ。長年穴を見続けながら、それを「歴史的に複雑な債務構造」と呼ばざるを得なかった財務官の、職業的な怒りだった。
「その一方で、小領地の税率は高く設定されています。特に、有力家の庇護がない地域では。形式上は大領系統からの不足分を補うためでしたが、実際には交易の衰退、職人の流出、非公式取引の増加を招いています」
フョードルは目を上げた。
「つまり貧しい者ほど多く払い、富める者は自分だけ例外である理由を説明する」
シアナは顔をしかめた。
「乱暴に言えば、はい」
「その乱暴さの結果が、今ここにある」
リラが書き留める。
彼は立ち上がり、地図へ近づいた。
身体は以前よりずっと素直に動く。翼は考えなくても畳めるようになり、尾も椅子の脚に引っかからなくなった。昨日のぎこちなさが消えつつある。
それもまた、警戒すべきことだった。
巨大で危険な何かになった事実へ、あまりに早く慣れている。
「反乱寸前の人間は、どのくらいいる?」
シアナが固まった。
「魔族、です」
「魔族でも、人間でも、エルフの商人でも、辺境の混血でも、都市の職人でもいい。今は種族の誇りに興味はない。徴税区域のうち、崩壊寸前なのはいくつだ?」
彼女は別の表を開いた。
「七つです。ほかに十一が緊張状態にあります」
「原因は?」
「すでに挙げたものです。重税。防衛の不足。諸家の債務。交易の衰退。軍による徴発」
「下げろ」
シアナは記録から顔を上げた。
「何を、ですか?」
「その地域の税だ。下げろ」
彼女は数秒間、まるで宮殿を暖めるため国庫へ火を放てと命じられたかのように彼を見つめた。
「君主様、国庫はすでに……」
「知ってる。だから下げる」
リラは口を挟まなかったが、手の中の筆が止まった。
シアナが慎重に言う。
「通常、資金が不足しているときには税率を上げます」
「知恵が足りないときも、普通はそうするらしいな」
彼女が瞬いた。
フョードルは地図を爪で指した。今度は表面を傷つけないよう慎重に。
「貧しい者が満足していることは滅多にない。生き延びる最後の手段まで奪われた貧者は、納税者じゃなく治安上の問題になる。穴の空いた国庫を埋めるため弱い地域を締め上げれば、反乱、密輸、逃亡、憎悪を買うことになる。しかも高値でだ。自分たちの金を使ってな」
シアナはゆっくりと表へ目を落とした。
「はい」
「国庫への流れは別の方法で補う」
「どのように?」
彼は彼女へ向き直った。
「諸家への特恵と免除を廃止する」
部屋が静まり返った。
リラさえ筆を止めた。
シアナは、ひどくゆっくりと尋ねた。
「全て、ですか?」
「全てだ」
「それは……」
「怒りを買う。結構だ」
「怒りだけではありません。法的紛争、妨害工作、古来の協定を破ったとの非難、別の候補者を支持するという脅し、守備隊を通じた圧力……」
「シアナ」
彼女は口を閉じた。
「どの家も、俺には同じくらい縁がない。なら、その意味では平等に扱う」
リラが顔を上げた。
マルヴェインなら笑うだろう、とフョードルは思った。その後で、誰が最初に自分の憤りを売り込みに来るか数え始める。
「先代君主の決定は効力を失った。特に、国庫と弱い領地の負担で忠誠を買ったものはな。特恵が欲しいなら、今度は俺と交渉させろ。直接、書面で、見返りに何を差し出すか計算も添えてだ。『我が家は古い』『昔から仕えてきた』『約束された』は要らない。何を差し出すのか。何で払うのか。どの脅威を封じるのか。どの守備隊を養うのか。どの交易路を守るのか。どの借金を返すのか」
シアナはもう書き始めていた。
速く。
ほとんど貪るように。
「特恵再審査の暫定台帳が必要です。根拠申請の期限を設け、係争中の優遇は自動停止。例外は君主決裁のみ。諸家は軍事、交易、辺境、内地、文書保管などの類型に分けられます……」
「やれ」
「困窮地域の減税も同時に発表すべきです。そうしなければ、諸家は特恵廃止を玉座による略奪として喧伝します」
「同時なら?」
「負担の均衡化と領地再建として構成できます」
「なるほど。『肥えた連中から取り上げる』じゃなく、『飢えた者の首から縄を外す』と呼ぶわけだ」
シアナが少し顔をしかめた。
「公表文では、もう少し穏やかに」
リラが言った。
「内部命令は強い表現のままでも構いません。外向けには『旧来の例外措置の暫定再審査、および疲弊領地への負担軽減』と」
「役に立つな」
彼女はただ頷いた。
フョードルは地図へ目を戻す。
「特恵の三分の一でも廃止できれば、国庫にはどれだけ入る?」
シアナは計算板へ指を走らせた。数字が列を作って流れていく。見つめる彼女の唇が、かすかに動いた。
「三分の一として……七区域と、さらに十一区域の減税を維持し……徴収への抵抗も考慮すると……第一四半期は厳しくなります。その後は流入が増えます。半年後には、増税するより良い状態で安定します。一年後――諸家が改革を潰さなければ――準備金を作れます」
「潰されたら?」
「自家の特恵を、軍や国境や飢えた領地より優先した者の一覧が手に入ります」
彼は笑った。
「ほらな。それだけでもいい道具だ。その後は他の地域も減税する。連中も欲しがるだろうし、自分たちが恩恵を賜ると聞けば喜ぶ」
シアナはすぐには顔を上げなかった。
その目には、困惑と疲労と、ほとんど歓喜に近いものがあった。
「非常に危険です」
「この宮殿に危険じゃないものが一つでもあるか?」
彼女は考えた。
「パンの一部は」
「十分だ」
フョードルはさらに考えた。
「ただ、こちらの減税だけじゃ足りない。今は民の所得の十分の四を国が取り、現地の家がさらに十分の四を取る。残るのは十分の二だ。死の瀬戸際の貧困になる。国の取り分を十分の二まで下げても、諸家がその分を取れば、玉座より自分たちを上に置くことになる」
「反乱を招くかもしれません。厳しすぎます」
「厳しい。だが必要だ。それに、反乱が悪い考えだと示す見本になってもらう家が出るかもしれない。お前は、どう発表すれば納得させられるか考えろ。マルヴェインに相談してもいい」
シアナは緊張したように唾を呑んだ。しかし、内心ではこの案を気に入っているらしい。
「それから、大ざっぱな見積もりだが、民が豊かになれば所得が増え、結果的に徴収額も増える。数字を詰めて、長期的には諸家もほとんど損をしない、場合によっては得をすると示せるはずだ」
数字と聞いた瞬間、シアナの目が記録板へ走り、それからわずかに焦点を失った。
もう計算を始めている。
リラが最後の一行を書き留めた。
「命令案は夕刻までに?」
「いや、夜まででいい。今朝は計算。夕方に草案。明日、マルヴェインとアズガルを交えて協議。その後に発表だ」
シアナが頷いた。
「承知しました」
フョードルは席へ戻った。
「次は支出だ」
シアナが青ざめた。
「先に短い休憩を取りませんか?」
「そこまでひどいのか?」
「はい」
「なら、なおさら支出だ」
正午までには、先代君主の国庫を殺したものが一つの決定ではなく、一つの習慣だったと分かった。
小さな譲歩。先送りされた支払い。高価な象徴事業。無用な宮廷職の維持。諸家への贈り物。見直せば弱さを認めることになるため、誰も手をつけなかった古い軍事債務。
フョードルは素早く切った。
全てではない。
明らかなものだけだ。
儀礼用品の購入を削減。三つの外殿装飾を凍結。三代にわたって明確な職務もなく「奉仕」している宮廷職を監査。実在しない協定への支払いを確認まで停止。
軍への補給は維持。
シアナの研究も維持。
昨日解放した志願者への報奨も維持。
そこでシアナが、慎重に顔を上げた。
「これは延期できます」
「できない」
「ですが……」
「駄目だ。もう言った。連中は、自分の家の権力か信仰のために死にに行った。俺はその死を取り消した。報奨は残す。そうしなければ、俺の最初の命令が都合のいい腐臭を放ち始める」
シアナは黙って記録した。
リラも。
昼食の頃には、戦いを終えたような疲労を覚えていた。
シアナの有様はもっとひどかったが、目にはかえって生気があった。布を詰めて穴を塞ぐことしか許されなかった者が、ようやく刃物を渡され、腐った布地そのものを切り取れるようになったかのようだった。
退出する前、彼女は言った。
「君主様。これが成功すれば、国庫は生き残れます」
「失敗したら?」
彼女は考えた。
「少なくとも、誰が殺したのかは分かります」
「それも成果だ」
シアナは一礼し、書類を胸に抱えて出ていった。
フョードルはその背を見送った。
「頭がいい」
リラが答える。
「とても」
「仕事を抱えすぎてる」
「はい」
「改革が終わったら補佐をつけよう。小書記じゃなく、本物のな」
「難しいでしょう」
「全部難しい」
「はい」
彼は立ち上がった。
「軍は?」
「一時間後です」
「食事はできるか?」
「言い争わなければ」
「お前も一緒に食べるなら、言い争わない」




