第11章
夕暮れは、ゆっくりと宮殿へ広がっていった。
尋問のあとにも書類が残っていた。処刑についてのアズガルの簡潔な報告。志願者解放に対する諸家の最初の反応。シアナの暫定的な財務案――彼女は本当に、志願者への支払いが侮辱ではなく下賜に見える形へ整えていた。それからマルヴェインの覚書。朝には別のことを望んでいた二つの家が、君主の命令は自分たちの古来からの期待に完全に沿うものだ、とすでに主張し始めているらしい。
その後は、また夕食だった。
フョードルは黙って食べた。
リラは傍らに立っていたが、彼が合図すると腰を下ろした。向かいではない。右側だ。
もう、それが当然になりかけていた。
シアナから、夜間の回復用栄養摂取を忘れないようにとの伝言が届いた。リラが読み上げる。フョードルは、皿に載った食事をもう一度「回復用栄養摂取」と呼んだら、全ての献立をその用語で書き直す理由を料理長に本人から説明させる、と伝えるよう命じた。
リラが書き留める。
「本当にそれを送るのか?」
「もう少し穏当な表現で」
「残念だ」
そこでようやく、先ほどから感じていた軽い苛立ちの正体に気づいた。リラは朝からずっと傍にいる。それなのに、何かを食べるところを一度も見ていない。朝食でも昼食でも、同じように隣に立っていた。
「どうして食べない?」
「君主様、作法では私は――」
フョードルは声を硬くした。
「一人じゃないのに、一人で食べるのは嫌いだ。それに空腹で倒れられるのも困る。食べろ」
彼女は頷いた。
夕食を終えると、二人は私室へ戻った。
廊下は昨日より静かだった。あるいは、彼が宮殿の音に慣れ始めただけかもしれない。衛兵の礼は深くなり、使用人は以前より素早く姿を消す。戴冠、処刑、候補者への命令、術師の尋問。その知らせはすでに城塞中を巡り、さまざまな尾ひれをつけ始めていた。
寝室へ入り、卓の前で足を止める。
人間だった頃の古い上着を、リラは本当に残してくれていた。布の残骸は、専用の暗い箱に丁寧に畳まれている。その横には、かつての暮らしの鍵、画面の死んだ携帯電話、奇跡的にポケットから回収された店のレシートの切れ端。
フョードルは携帯電話を手に取った。
ボタンを押す。
何も起こらない。
ただのプラスチックとガラスだ。
もう道が閉ざされたかもしれない世界の品。あるいは道は残っていても、今では〈光〉の印をつけた武装した馬鹿どもがそこを通ってくる。
彼は携帯電話を元の場所へ戻した。
リラは扉のそばに立っている。
昨日とは少し違っていた。
今日一日の全てが、二人の間に置かれている。戴冠式。廷臣。尋問。処刑。決断。そして沈黙。
先に口を開いたのは彼女だった。
「残りましょうか?」
声は平静だった。
だが、それは職務上の問いだけではない。
すぐに聞き取れた。気配を見れば、なおさらだった。抑えた期待。用心深さ。昨日の記憶。どんな答えも受け入れる覚悟。そして答えがあまりに簡単に出てしまうことへの恐れ。
フョードルは彼女の全身を見渡した。
朝の自分なら、また命令していたかもしれない。
だが今の疲れは、別のものだった。
身体ではない。もっと内側の疲れ。
二日間で、あまりにも大きな権力を手にした。
他人の服従を。恐怖を。記録に並ぶ名を。そして、自分の一言でもたらされた他人の死を。
「いや」
リラは動かなかった。
ただ、わずかに頭を下げる。
「はい、君主様」
少し間を置いて、彼は付け加えた。
「疲れた。眠る前に考えたいことが多い」
それは、ほとんど説明だった。
弁解ではない。
リラも、そのように受け取った。
「私は隣の翼棟におります。衛兵は外の詰所に。何かございましたら……」
「呼ぶ」
「はい」
彼女は一礼し、出ていった。
扉は音もなく閉じる。
彼は一人になった。
部屋は暖かい。火鉢の炎は低く燃えている。内側の裂け目に面した大窓の向こうで、影が動いていた。遠くで宮殿が夜の営みを続けている。衛兵の足音。使用人の立てる微かな物音。壁の向こうの声。今や彼を見つめている巨大な国家の、低い呼吸。
帯を外し、次に外套を脱いだ。寝台の縁へ腰を下ろす。
翼が疲れたように垂れ、尾が床へ横たわる。手の爪が薄闇の中で光った。
剣士のことを考えた。
処刑しろ、とあまりに簡単に言えたことを。
言葉で一日分の命を買った術師を。
今も孤独の中に座り、自分を殺せと命じた〈光〉へ祈っているかもしれない女祭司を。
肉体を彼へ渡すことになったケイル・ノルを。
リラを。
権力とは、玉座に座る感覚ではない。言葉と行為の距離が、際限なく短くなっていく感覚だ。
命じれば、人が死ぬ。
命じれば、女が残る。
執行の速さを、正しさと取り違えないこと。
それだけは忘れてはならない。
彼は長いあいだ、静寂の中に座っていた。なぜ自分がここへ、このような形で辿り着いたのか。そしてなぜ、この役割がこんなにも早く、うまく自分に馴染んだのかを考えようとした。
おそらく、昔からの原則が働いただけだ。
手元にあるもので仕事をする。
やがて横になった。
翼は自然に居場所を見つけた。身体は眠りを求めている。今度は逆らわなかった。
意識が沈む直前、明日は女祭司と話さなければならない、と思った。
そして、おそらくはリラとも。




