表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄される予定でしたが、王太子殿下が乙女ゲームをプレイした結果、なぜか溺愛されています  作者: S@Y@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/57

第十六話 研究仲間


 レオンハルトが毎日来るようになった。


 本当に毎日だ。


 雨の日も。


 風の日も。


 体調が悪そうな日も。


 来る。


 真面目である。


「リリアーナ」


「なに」


「創造魔法を見せてくれ」


 まただ。


 最近のレオンハルトは、創造魔法に興味津々だった。


「なんで」


「未来改変のためだ」


「万能だね」


 未来改変。


 便利な言葉である。


 私は庭のテーブルに突っ伏した。


 今日はいい天気だ。


 眠い。


 とても眠い。


「リリアーナ」


「なに」


「寝るな」


「まだ寝てない」


「今から寝るつもりだろう」


「うん」


 バレていた。


 私は諦めて顔を上げた。


「何作ればいいの」


「前世の物だ」


「また?」


「ああ」


 レオンハルトは真剣だ。


 私は少し考えた。


 前世の物。


 簡単なもの。


 簡単なもの。


「あ」


 思いついた。


 私は手を伸ばす。


 魔力を込める。


 すると。


 ぽん。


 小さなものが現れた。


「これは?」


 レオンハルトが手に取る。


「ルービックキューブ」


「るーびっく?」


「遊ぶやつ」


 私は受け取った。


 そして。


 くるくる。


 くるくる。


 色を揃える。


「ほら」


「……!」


 レオンハルトの目が輝いた。


 珍しい。


「もう一回」


「嫌」


「なぜ」


「面倒」


 私は返した。


 レオンハルトは黙った。


 そして。


 自分で回し始めた。


 くる。


 くる。


 くる。


「……できない」


「そうだね」


「難しい」


「うん」


 私は再び机に突っ伏した。


 もう十分働いた。


 昼寝の時間だ。


 しかし。


「面白い」


 レオンハルトが呟いた。


 私は顔を上げた。


 真剣な顔でルービックキューブを見ている。


「そんなに?」


「ああ」


 彼は断言した。


「この世界にはない発想だ」


「そうなんだ」


「リリアーナ」


「なに」


「お前の前世の世界はすごいな」


 私は少し考えた。


 すごいだろうか。


 休日に寝てばかりいる人間も多かったが。


「たぶん」


 私は適当に答えた。


 レオンハルトは頷いた。


 そして。


「決めた」


「何を」


「創造魔法を研究する」


 私は瞬きをした。


「なんで」


「お前のためだ」


 即答だった。


「私?」


「ああ」


 レオンハルトは真面目な顔をしている。


「お前が作りたいものを、もっと作れるようにする」


 私は少し考えた。


 もっと作れるようになる。


 ということは。


「前世のベッドも?」


「ああ」


「ソファも?」


「ああ」


「こたつも?」


「……こたつ?」


「すごいやつ」


「作れるようにしよう」


 私は初めて。


 本当に初めて。


 未来改変というものに興味を持った。


「頑張って」


「ああ」


 レオンハルトは頷いた。


 とても嬉しそうだった。


 私は思った。


 変な人だ。


 本当に。


 でも。


 こたつが作れるなら。


 少しだけ。


 応援してもいいかもしれない。


 その時。


「殿下!」


 護衛が慌てて走ってきた。


「どうした」


「陛下がお呼びです!」


 レオンハルトが顔をしかめる。


「今行く」


 立ち上がった。


 帰るらしい。


「またね」


 私は手を振った。


 すると。


 レオンハルトが固まった。


「……また?」


「うん」


「明日も?」


「来るんでしょ」


 私が聞くと。


 レオンハルトは少しだけ笑った。


「ああ」


 そして。


「明日も来る」


 そう言って。


 とても嬉しそうな顔で帰っていった。


 私は首を傾げた。


 やっぱり。


 変な人だと思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ