表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄される予定でしたが、王太子殿下が乙女ゲームをプレイした結果、なぜか溺愛されています  作者: S@Y@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/45

第十二話 攻略開始(レオンハルト視点)


 私は王城の自室にいた。


 机の上には紙が広がっている。


 白紙ではない。


 びっしりと文字が書かれていた。


『聖なる花と七つの誓い』


 攻略情報。


 いや。


 未来情報だ。


「殿下」


 側近候補の少年、エリオットが恐る恐る声をかけてきた。


「何だ」


「昨日から一睡もされていません」


「問題ない」


「問題があります」


 エリオットは頭を抱えた。


 いつものことだ。


 彼は優秀だが、心配性でもある。


「それより」


 私は紙を見つめた。


「このゲームには七人の攻略対象がいる」


「こうりゃく?」


「気にするな」


 説明している時間はない。


 問題はそこではない。


 問題は。


 七人もいることだ。


「多いな……」


 私は呟いた。


 なぜ七人もいる。


 一人で十分だろう。


 しかも。


 そのうち一人は私だ。


 未来の私。


 愚かな私。


「殿下?」


「未来の私は馬鹿だ」


「……はい?」


 エリオットが困惑している。


 無理もない。


 説明していない。


 だが今は説明する時間も惜しい。


 私は紙をめくった。


 そこには、昨日リリアーナから聞き出した情報がまとめられている。


【主人公】

 セレナ・ルミエール


【入学時期】

 十五歳


【婚約破棄イベント】

 卒業パーティー


【悪役令嬢】

 リリアーナ・ローゼンベルク


 ここまではいい。


 問題は次だ。


【リリアーナの行動】

 ヒロインをいじめる


「……」


 私は考えた。


 考えて。


 考えて。


 結論が出た。


「ありえない」


「何がですか」


「リリアーナが人をいじめる」


 エリオットが少し考えた。


「ありえませんね」


「だろう」


 即答だった。


 当然である。


 あのリリアーナだ。


 面倒だからという理由で昼寝を優先する。


 お菓子を取られても、取り返すのが面倒だから諦めそうな人間だ。


 そんな人間が。


 積極的に嫌がらせをする?


 ありえない。


「つまり」


 私は結論を口にした。


「誰かがリリアーナを陥れる」


「……は?」


 エリオットが固まった。


 しかし私は真剣だ。


 そうとしか考えられない。


「殿下」


「何だ」


「まだ三歳ですよね」


「そうだ」


「なぜそこまで」


「決まっている」


 私は答えた。


「リリアーナは面倒なことが嫌いだ」


「はい」


「なら、自分から面倒事を起こすわけがない」


 完璧な推理だった。


 エリオットが遠い目をした。


 だが反論はできないようだ。


「……確かに」


「だろう」


 私は満足した。


 これで一つ目の問題は解決だ。


 そして。


 二つ目。


 私は紙に書かれた名前を見る。


『セレナ・ルミエール』


「この娘だ」


「誰ですか」


「未来の敵」


 エリオットがとうとう頭を抱えた。


 だが仕方ない。


 事実なのだから。


 私は立ち上がった。


「調べる」


「何をですか」


「全部だ」


「全部?」


「ああ」


 私は窓の外を見た。


 青い空が広がっている。


 今ならまだ間に合う。


 未来は変えられる。


 そして。


 リリアーナは。


 私が守る。


「まずは」


 私は新しい紙を取り出した。


 そして大きく書いた。


【リリアーナ未来改変計画】


 第一目標。


【リリアーナを婚約破棄させない】


 第二目標。


【リリアーナを追放させない】


 第三目標。


 ここで手が止まった。


 私は少し考える。


 そして。


 ゆっくりと書いた。


【リリアーナを幸せにする】


 書き終えた瞬間。


 なぜか少しだけ。


 嬉しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ