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永遠の愛
永遠ほど、定義の曖昧な言葉はないだろう。
――ましてや、こんな世界じゃ。
人間に恋をした。
”イアン”という男だ。
かつて、吸血鬼によって人類が滅ぼされかけたこの世界で、双方から忌み嫌われる”ハーフ”として生まれた私。
そんな私に彼は、ずっと優しくしてくれた。
冒険者として、共に世界を旅した。
どこに行っても煙たがられる私を、彼はいつもかばってくれた。
恋心を抱くなという方が、無理な話だった。
10年程旅をしたとき、珍しく私たちを歓迎してくれる村と出会った。
告白をした。
そして、二人で余生をそこで過ごすことに決めたのだ。
誰も邪魔しない、むしろ歓迎してくれた。
彼も、永遠の愛を誓ってくれた。
幸せだった。
何年たったか。
イアンが死んだ。
村のみんなも、気がつくと違う人間になっていた。
分かっていた。
吸血鬼と人間。
違う時を生きているのは、分かっているつもりだった。
それでも、これはないでしょう…神よ…。
ごうごうと燃え盛る我が家。
代が変わった人間は、吸血鬼を受け入れられなかったらしい。
この世に残った唯一の”イアン”の痕跡が、焼き払われた。
イアンは、人類の”裏切り者”らしい。
本当に、ひどい話だ。
「魔法操血・”黒百合”」




