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ある雪山にて
僕たちは冒険者パーティー”神秘の剣”
この前Bランクになったばかりだ。
今日はシルド山脈に来ていた。
最近順調で油断したのだろう。
大した準備もせずに来てしまった。
案の定Aランクモンスター”雪猿”の群れに襲われ、遭難してしまったのだ。
「お前のせいだぞ!リドっ!お前さえいなきゃ、あんなの倒して進めたんだよっ!」
リド、僕の名前だ。
リーダーのマルスは気に入らないことはすべて僕のせいにする。
今回もそうだ。
それでも、僕をパーティーに置き続ける理由。
それは僕のスキル”転移”だ。
全魔力を消費して、自分以外を転移させるスキル。
つまるところ、緊急脱出装置。
戦士のバルドはじっとこちらを見ている。
「もういいでしょう?こんなノロマは置いて早く帰りましょ。」
魔法使いのエリス。
彼女とは幼馴染なはずなんだけどな…。
「ふっ。そうだなぁw」
全員の視線が僕に集中する。
「早くやってちょうだい。」
「うん。みんな…じゃあね。」
”転移”
三人が光に包まれる。
不思議だ。
「どうして、散々虐げてきた人間のことを信じられるんだろう。」
一か月後。
”雪猿”に食い荒らされた三人組パーティーの残骸が発見された。




