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森の守り手
バスッ
地面に矢の刺さる乾いた音が森にこだまする。
「何用だ!ここは人間が来ていいような場所ではないぞ!」
ここは、我らエルフの住まう”世界樹の森”だ。
魔力の循環を支える大切な大樹。
それを危険から守るのが、我々の使命だ。
今回やってきたのは”勇者”らしい。
なんでも世界樹の抱える問題を解決しに来たという。
確かに、現在世界樹が何者かに巣食われているのだ。
「どこから漏れたのだ!」
しかし族長は勇者を怪しみ、追い出してしまった。
夜。私は、近くに滞在していた勇者に依頼した。
「我々の使命は世界樹を守ることです。そのために手段は選びません。」
魔物を倒すために、秘伝の魔道具を首にかけ、彼らを見送った。
翌日、勇者一行は無残な姿で見つかった。
魔物に敗れてしまったのだ。
「また人間の遺体か…」
うんざりしたような同族の声。
「後処理をしてきます」
私はそう言って《《彼ら》》を森の奥に連れていく。
世界樹のもとにたどり着いた。
「いつもありがとうね」
妖艶で儚い声にひざを折る。
「いえ。世界樹の存続が我々の使命ですから。」
人間の死体を食べる女性にそう告げて、呪われたペンダントを握りしめた。




