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第46話 同じ方向

“ツアー御一行様”のような列のまま、歩き続ける。

ゴールは決まっているのだが、“何処に連れて行かれるんだろう”とふと思ってしまう、そんな雰囲気になっていると、少し前方に、団子のような人だかりが見えた。

何かアクシデントか?と思ったが、そうではないらしい。どちらかというと有名人に群がるファンのようなノリでワイワイ騒がしい。

観察しながらダンゴに吸収されていく。

近づくにつれて、声が聞こえてくる。、

『ということで、先程正午にスタートしたこのイベント、早くも1時間を経過してーー』

どうやら、地元ラジオか何かの中継らしい。

夕方の情報番組で聞いた声が大げさな身振り手振りで話している。

名前はたしか、どこかの幹線道路みたいな名前だった。

“筑紫とおる”。

やたらハイテンションで、参加者にインタビューを始めた。

近くにいた参加者が、半ば強引に捕まっていた。

『何回目の参加ですか?』

『初めて参加しました。地元のうまいもの食べられるって。それ目当てで。』

『何か違うような〜』

『彼に誘われて。“一緒にゴールしようね”って。』

『ゴールした後に、サプライズがありそうな話ですね。抜け駆けされないように。』

『?』

たまにラジオで聞く声だが、実物はそれ以上にうるさい。

そんな中、ひときわ大げさなアクションの参加者に声をかける。

『有り余る元気を醸し出しているのは、ゲストウォーカーの“のぼりもん・タカ”さんじゃないですか!相変わらずしゃ〜しい人ですね!』

『あんたに言われたくないわ。こんにちは、モツ鍋エンターテイメントののぼりもん・タカです。面白い事見つけタカ〜!』

『タカさん、今日相方のヤスさんは?』

『アイツはネタづくりに忙しいとかで、途中で応援には来ます、クルマでな!俺は肉体労働担当、これでギャラは同じ!』

『そこはかとなく昭和テイスト感じますが、それはおいといてヨロシクお願いします!』

『スルーするんかい!ツッコんで欲しかとに、あんたとはコンビやってられんわ!』

『そもそも、コンビじゃないし。中継は以上です』

人だかりが散っていく。

すれ違いざま、タカがこちらを見る。

『まだ序盤ですよね?』

「たぶん」

『ですよね!』

「大丈夫です?」

『ぐー・バッチ・グー』

お決まりのフレーズを残して、少し遠ざかっていった。

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