第27話 既読のない夜
検査結果、それは実にあっさり手に入った。
検診案内に“結果はコチラからもご覧いただけます”の一文。
まあ、今どき常識に近い。
早速、澪さんにデータを転送し、合格発表を待つ身の焦燥を何十年ぶりかに味わう。
そういえば、あの時は迫力に負けてしまったが、医療従事者とはいえ何故そんなにも気にしてくれるんだろう。
“山田さんの不安解消”というのもウソではないだろうが、大部分は他の要因な気がする。
“俺のこと気になってる?”
ありえない、我ながらキモい。
スマホを握る手が、わずかに汗ばんでいる。
こんなことで緊張する年でもないだろうに。
モテないというか、他人と深く関わる事が苦手なところが、妙に心をざわつかせる。
まあ、“案ずるより産むが易し”というし、今度直接聞いてみよう。
ドン引きされても、そんなのは慣れてる。
——そう思った瞬間、足元がわずかに揺れた気がした。
いや、揺れているのは床じゃない。
“動揺しすぎだろ俺”
と思いながら、待ってみる。
来ない。当たり前か。
既読すらつかない。ノリで言っただけを真に受けたか?
そんな不安で、追加メッセージを送ろうとしていた矢先、返信音が。
『すみません。夜勤中で。データありがとうございます。ゆっくり見たいのでまた連絡します。』
勘違いで送ってなくて良かった。
“詳しく見たい”?何か気になる点があったのか?単なる仕事中だからか?
昔流れていた歌の一節が、頭のなかでリフレインされる。




