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大文祭の一日目は盛況だった。ライブの設営も完璧。出し物の設営も万全を期した。アンケートは『とてもよい』が一番多く、一日中快晴で蒸し蒸ししているのに来場者は満天の笑顔を見せた。
十時からスタートし、十九時半に終了する。学生達は裏方で二日目の準備をしつつ、来場客への対応で大忙し。自分達が出し物を見周る暇などないくらい、てんてこ舞いだ。
陽太はみんなの手伝いをしながら香名に言われた通りに、清き一票を投じてもらうために自分自身の手腕を宣伝していた。この調子ならば、当選率も上がるだろう。
香名はライブの司会をやっていた。意外な仕事だが、香名は頼まれたことはなんでもこなすオールマイティな女だ。ハイテンションな司会者を演じてみせた。
敦也は色々なところに呼び出され、裏方の仕事をした。陰の功労者、縁の下の力持ちだと褒めてくれても良いのではないだろうか。敦也がいて助かった、また手伝いに来てくれと依頼したみんなが口々に告げる。敦也はその言葉だけで、救われた。
そんな大変な一日目が終了し、二日目がやって来た。二日目は一日目よりも来場者数が大幅に減少。やることは一日目と変わらないからだ。大文祭は規模こそ他の大学よりも大きいものの、二、四、六……と偶数の日は奇数の日をリピートしていく形式で代わり映えのないものだからだ。その日に来られない人のために、リピート形式を取ったらしい。三日目は一日目と二日目のプログラムとは異なるので、来場者数が増えるだろう。日にちが平日なので、仕事をしている人達は休まなければならないが、大文祭は根強い人気があり、休んででも来たいと思う人の数は圧倒的である。有給休暇を消化して社会人も訪れるほどなのだ。
ビンゴゲームやコンテスト、飛び込みパフォーマンスといった、観客参加型のイベントもあり、景品は豪華だ。大規模イベントに抽選で参加できると、小型液晶テレビまで当たる。贅沢な金の使い方は、『私立大学ならでは』だろう。国立大学ならば、そうはいかない。ド派手に景品を。寄付はみんなを楽しませるために使われ、決して無駄遣いではない。結果は来場者アンケートですべて出ている。自由記述欄にもっと金を出してもいいレベルだという意見もあった。
たくさんの人が待ちに待った三日目は災難が降り注ぐ。ゲリラ豪雨に見舞われて観客がずぶ濡れになってしまったが、陽太や香名を初めとする学生達の対応が良かったため、アンケートの評価が下がることはなかった。大学で対応の仕方を学んでいるだけはあると大人達は感心していた。冷静沈着で状況判断の優れた学生達の真摯さに、学長や教員等は感服の至りと褒め称えていた。
みんなで頑張って創り上げてきた大文祭を、なんとしてでも成功させたい。その思いが表れているかのようで、みんなの心が一つになっていた。
大文祭の大方の模様が、敦也の脳内でフラッシュバックし、ダイジェスト形式に再生された。




