⑥
「すげえ……そんなもん、あるんですか?」
「いやー知らね」
屋台の店主はカカと笑った。敦也は目を据わらせ、香名は目を閉じて腰に手を当てた。
「大会があっても、私は出ないわよ。こういうところでやるから、楽しいのよ」
「いくらでもやんな」
「ええ。店が破産するまでやってあげるわ」
「スーパーボールすくいとかは、破産しないんじゃないか?」
「そうよ。だから破産するところだけね」
「鬼だな、椎菜は」
香名はありとあらゆる屋台で出禁を言い渡された。店主にとっては商売ができずに不都合もいいところだが、絶世の美女がこどもと一緒に遊んで楽しそうにしているところを見て、みんなは心を穏やかにした。遠い存在であるかのように思われていた香名が、友達を作っている。小さな友達が、香名の周りにぞくぞくと集結する。香名は小さな友達にコツを伝授していた。香名の周りに、太陽みたいな明るさの笑顔がたくさんある。敦也は香名と小さな友達を見つめていると、自然と破顔一笑に付した。
――いいな、こういうの。
「椎菜、俺にもコツ、教えてくれよ」
「あなたってば、教えてもらってばかりね」
香名は上品に笑って、敦也にもスーパーボールすくいのコツを教えた。
夜空に瞬く星空と美しい火花が燦然と輝き、二人を虹色に、色鮮やかに照らす。




