表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたの救世主  作者: 社容尊悟
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/99

 陽太は役員が選挙で決まるようになって、かなり喜んでいる。政治学が大好きというだけはあると敦也はこっそりと思った。敦也は最近、陽太のことを陰で政治オタクと呼んでいる。

「香名さんと組んだら?」

「あいつに全部票持っていかれる……」

「だから……香名さんをサポート役にお願いしたらって意味」

「なるほどな」

「いい案じゃない? 勉強苦手で成績悪くても、プラス要素があったら就職も不利じゃなくなるし。挑戦して損はないと思う。いつもやる気ナッシングな敦也でも、たまにはそういうことしたら、先生達の見る目も変わるんじゃないかな」

 結構毒舌だったが、半分は当たっているので敦也は文句を垂れなかった。

「そ、そうだな……。たまにはそういうことやんのも悪くないかもな……。サンキュー、陽太」

「いいよ。僕とお前は親友じゃないか」

「いつの間に親友になったんだよ」

「ええじゃないか、ええじゃないかってね」

 陽太は陽気に笑って、茶化した。敦也は陽太の豹変ぶりにちょっと困惑している。

「普段はあんまり怒らないからね。僕はいい人だよ」

 荒れていた頃の敦也とも、陽太は分けへだてなく接してくれた。気遣いを持って接していた。本当にできた友達だ。陽太は齢二十にして、人格者たる素質を持っている。彼が政治家になったら、この国はもっと良い国になるのではないだろうか。インターネットの占いだが、精神年齢が三十過ぎと診断されたのは間違いではなかった。陽太に内緒でやった。友達に選んだのが陽太でなかったら、敦也は今頃どうなっていただろうか。敦也と話すのはつまらなかっただろう。なのに、懸命に話しかけてくれていた。敦也の心を開くことはできなかったが、かけがえのない友達なのは確かだ。

 ――陽太がいなかったら俺は……。もっと退屈してたかもしれないな。

「サンキューな……」

 ボソッと呟くと、陽太は気味悪がって後ずさった。

「え。急に何……? 気持ち悪いよ。熱でもあるの?」

「んなわけねえよ、バカ野郎」

「僕にお礼言うなんてさ、何年ぶりだよ。ほんと気持ち悪い。あり得ない。マジで頭打った?」

「おい……さっきも言っただろ」

 テーブルに乗せていたブザーが鳴った。敦也のものと陽太のものが同時に鳴り響く。

 敦也は二つとも持って席を立って、割烹着かっぽうぎを着たおばさんがいるカウンターの方に向かう。

「はいよー」

 ブザーを渡すと、おばさんはチャーシューメンとハヤシライスをどんとカウンターに置いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ