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あなたの救世主  作者: 社容尊悟
第一章

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13/99

 ――優秀じゃなければ認めてくれないなんて、優秀でも認めてくれないなんて、俺が本当に要らない存在だったら、今すぐここで、殺してくれればいいのに。そしたら、諦めもつくのに。なんで、いつもいつも、少しだけ救いがあるような態度を取るんだよ。この世界は。

 いないと思っていたスーパーマンもどきが現れて、ちょっと期待してしまったのだ。はらわたが煮えくり返るぐらい、めちゃくちゃなやつだったが、心がおどった。憧れのスーパーマンと邂逅かいこうできたのだと。夢だった。スーパーマンに出会って、心を病んだ自分を救ってもらうのが。けど、あの女は、優しくて強いみんなのヒーロー、スーパーマンではなかった。

 ――救いなんか、誰が……、俺を救ってくれるんだよ。頑張らなかったら、俺は要らないんだろ。問題児なんだろ、俺は。いなくなっちまえばいいようなクズなんだろ。

 普通の人間が、普通に過ごしていくことが気に入らなかったのだ。

 なんでもいいから、みんなと違うことがしたい。敦也はそう思っている。なんの才能にも恵まれず、なんの取り柄もない人間に成り下がってしまったから、この世界のルールが気に食わない。何故従わなければならないのか、と疑問に思っている。だから、間違ったことを平気でする。

 ――死ぬのはいやだけど……やっぱ生きるのもいやだな。

 どうしたらいいのか、敦也は迷っていた。楽に死ねる方法があれば試してみたいという考えが脳裏のうりぎる。敦也はひねくれているので、ろくなことを考えない。早く楽に死にたい。

 そんなとき、一人の熱心な学生が手を挙げて発言した。

「先生」

「なんだ。香名かな

「事故を起こす人間の心理を教えてください」

 ゲームをするのに飽きてしまい、敦也は携帯を閉じた。立ち上がって、ハキハキと発言している女性を見つめた。声に迷いもなく、聞き取りやすくてたいしたものだと感心していたのだが、敦也はなんとなく胸につかえる違和感を覚えた。見知らぬ女子学生を褒めているだけなのに、もやもやと苛立ちのような感情がつのってくるのは、なんでなんだ?

 よく見ると、自信に満ち満ちた女性の表情が目に入る。あれは、答えを知っていてわざと確認している顔だ。厄介な女だなと思いながら顔を凝視していると……

「あっ……!?」

「ん?」

 敦也の大声に振り向いた学生は、昨夜の変な女だった。傾国けいこくの美人だが、性格が最悪な女だ。忘れもしない、暴言の数々。敦也はわなわなと震えて、ここがどこだかも失念して叫んだ。

「お前はあのときの……、性悪女!! なんでお前がここに! あのままみんなに称賛されて、満足してどっか行ったんじゃなかったのかよ! スーパーマンなら、困ってるやつみんなのところに駆けつけるもんだろ? 見捨てたのか! 情けねえ!」

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