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――優秀じゃなければ認めてくれないなんて、優秀でも認めてくれないなんて、俺が本当に要らない存在だったら、今すぐここで、殺してくれればいいのに。そしたら、諦めもつくのに。なんで、いつもいつも、少しだけ救いがあるような態度を取るんだよ。この世界は。
いないと思っていたスーパーマンもどきが現れて、ちょっと期待してしまったのだ。腸が煮えくり返るぐらい、めちゃくちゃなやつだったが、心が躍った。憧れのスーパーマンと邂逅できたのだと。夢だった。スーパーマンに出会って、心を病んだ自分を救ってもらうのが。けど、あの女は、優しくて強いみんなのヒーロー、スーパーマンではなかった。
――救いなんか、誰が……、俺を救ってくれるんだよ。頑張らなかったら、俺は要らないんだろ。問題児なんだろ、俺は。いなくなっちまえばいいようなクズなんだろ。
普通の人間が、普通に過ごしていくことが気に入らなかったのだ。
なんでもいいから、みんなと違うことがしたい。敦也はそう思っている。なんの才能にも恵まれず、なんの取り柄もない人間に成り下がってしまったから、この世界のルールが気に食わない。何故従わなければならないのか、と疑問に思っている。だから、間違ったことを平気でする。
――死ぬのはいやだけど……やっぱ生きるのもいやだな。
どうしたらいいのか、敦也は迷っていた。楽に死ねる方法があれば試してみたいという考えが脳裏を過ぎる。敦也は捻くれているので、ろくなことを考えない。早く楽に死にたい。
そんなとき、一人の熱心な学生が手を挙げて発言した。
「先生」
「なんだ。香名」
「事故を起こす人間の心理を教えてください」
ゲームをするのに飽きてしまい、敦也は携帯を閉じた。立ち上がって、ハキハキと発言している女性を見つめた。声に迷いもなく、聞き取りやすくてたいしたものだと感心していたのだが、敦也はなんとなく胸につかえる違和感を覚えた。見知らぬ女子学生を褒めているだけなのに、もやもやと苛立ちのような感情が募ってくるのは、なんでなんだ?
よく見ると、自信に満ち満ちた女性の表情が目に入る。あれは、答えを知っていてわざと確認している顔だ。厄介な女だなと思いながら顔を凝視していると……
「あっ……!?」
「ん?」
敦也の大声に振り向いた学生は、昨夜の変な女だった。傾国の美人だが、性格が最悪な女だ。忘れもしない、暴言の数々。敦也はわなわなと震えて、ここがどこだかも失念して叫んだ。
「お前はあのときの……、性悪女!! なんでお前がここに! あのままみんなに称賛されて、満足してどっか行ったんじゃなかったのかよ! スーパーマンなら、困ってるやつみんなのところに駆けつけるもんだろ? 見捨てたのか! 情けねえ!」




