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神の箱庭へようこそ!~創って、護って、派遣して~  作者: 緋桜
第二章 神の試験は強制参加

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第44話 見落とし

❀ ❀ ❀


「そうそう!その調子っ!」

「なんか⋯⋯出来たかも⋯」

「うんうん、出来てる、出来てる。あ、出た、スライムだ!やってみて!」

「うん!」


ダンッ


四季が、霊力を込めた足でスライムを踏み付けると、スライムは光の粒子となって消えていった。


「「やったぁー!!」」


二人でハイタッチをする。

何度かやるうちに、だいぶスムーズに出来るようになったね、ハイタッチ。


【スライムLv.1を倒しました。】

【経験値1とコイン2を獲得しました。】

【Lv.がUPしました。】


「おっ?レベルアップだっ!」

「え?」


俺は「ステータス」と唱えて、ステータスボードを開く。


「おー、Lv.2になった!」


俺が喜びの声をあげると、四季も慌ててステータスボードを開いたみたいだ。


「ほ、ほんとだ!Lv.2⋯あ、身体強化が、アクティブスキルに追加されてる。」

「お、良かったねぇ!」

「うん、晴のおかげだよ、ありがとう。」

「いやいや、四季が飲み込み早いからだよ。これで、もう少し上のレベルのモンスターもいけそうだね。」

「う、うん⋯⋯あれ?これ、まだ、下がある?」

「へ?」


そう言って、四季がステータスボードをスワイプするような仕草をする。

俺も自分のステータスボードをもう一度見ると、ステータスボード右端にスクロールバーを見つけた。


「あ、本当だ!どれどれ⋯」


スクロールバーを下げていくと、スキルの下に「特記」の文字。


《特記:保持神格有〈木花之佐久夜毘売〉同期率25%》


「同期率?」


俺の中に、木花之佐久夜毘売の神格が在るのは知っている。

そういえば、俺のスキルには木花之佐久夜毘売っぽいスキルは無いね?

元々陰陽師として会得したものがスキルになってるか、今までの生活の中で得たものだ。

数ある陰陽術の中でスキル化しているものは、おそらく、俺がよく使用するものだろう。

箱庭では、那智達と修行と称して技を繰り出したりとよく遊んでいたからな。

って事は、この同期率が100%になったら、木花之佐久夜毘売の神格が完全に解放⋯俺の中に同期される、ということ?

スキルが増えるのかな?

何か⋯めんどくさい事にならないよね?

嫌な予感がするんだよねぇー。

ただでさえ悪目立ちしてるのに、これ以上はごめんこうむりたい。


はぁー⋯とため息を吐いたあと、四季に目を向けると、ステータスボードを見つめたままだ。


「ん?なんかあった?」

「あ⋯⋯その、1番下に【加護】っていう欄があって、そこに⋯【雷神の加護】って⋯。」


四季の顔には、困惑の色がありありと浮かんでいる。


「加護?」

「うん。」


もう一度、自分のステータスボードを見ても、俺にはそういう表示は無い。

足元に寄ってきたスライムを踏み付けながら、四季を見る。


「俺には無いなぁ。特記があるだけ。」

「特記?⋯俺には無いよ?」

「そうなの?⋯って事は、人によって違うのかな。⋯でも、四季って豊穣の神の血統なんだよね?なんで雷神?」

「⋯なんでだろう?」

「「う〜〜ん⋯」」


豊穣の神と雷神って繋がりがあるのかな?

フレイってきっと北欧系の神様だよね?

雷神⋯


「雷神の名前は書いてないの?」

「うん、書いてない。」

「そっかぁ〜⋯⋯なんか心当たりある?」

「心当たり⋯⋯特には無いけど⋯⋯ただ⋯」

「ただ?」

「⋯⋯豪雨の中、雷が落ちてきて⋯それで死んだんだよね、俺⋯」

「ん?⋯え?雷で?」

「うん。ピカッって凄く光って、空を見上げた瞬間バリバリバリッって。それが、最後の記憶かな⋯」

「⋯⋯それは、なんか、⋯⋯⋯奇跡のような確率だね?」

「もの凄い不運だよ⋯。」


四季が、しょんぼりしている。

まぁ⋯気持ちは分からないではない。

けど、それと雷神の加護が繋がるかは分からないな。


それと⋯⋯


チラッと四季を見る。

くたびれてヨレヨレの学ランに、ボサボサの髪の毛。

無造作に1つに結んでいるけど、見て分かる不揃いの長く伸びた髪。


(なんで、こんな姿なんだろう?今の俺達って、肉体じゃなくて、魂の状態なんだよね?⋯⋯魂が、あの状態ってこと?それって⋯⋯魂が、あれだけ傷付いてるってこと?)


いったい、何があったら、ああなるのか。

ここに来る直前までホラー体験していた俺でも、そんな事ないぞ?

でも、まあ⋯会ってすぐの俺が、立ち入ることじゃないね。

今はとりあえず、やるべき事をやろう。


「よし、ダンジョン探索再開しよう!まずは、アイテム集めて、レベルも上げよう!」


足元にやってきたスライムを再び踏み付けながら、四季に提案する。

すると、四季も先程までの不安そうな表情が消え、少し元気になった声で、返事が返ってきた。


「うん!」


❀


暫く進むと、Lv.3のスライムに混じり、ミニブタくらいのサイズのネズミのモンスターが出始めた。

最初は動きが早くてびっくりしたけど、動きが単調で見切りやすく、まずは避ける。

今まではスライムだったから倒しやすかったけど、生き物の形になると、話は別。

踏み付けるのも、蹴るのも躊躇してしまう。

俺でそうなんだから、四季は尚更⋯⋯


「放電!」ビリビリビリッ


ギャァー


「やった!倒せた!」

「お、おう⋯ナイス、四季。」


問題無かったようだ。

そう、そうね⋯モンスターだしね。

倒さないとこっちが危ないもんね。

⋯うん、俺も頑張ろう。


その後は、四季は放電、俺は狐火を使いながら順調に進む。

けど、これくらいなら狐火使わなくても、剣とかあれば倒せそう。

そうしたら、霊力消費も防げそう。

いくらスキル化で省エネでもねぇ⋯、もったいない。


「そろそろ、武器が欲しいな。スキルだと、霊力消耗するし。」

「レベルアップで回復するけど、せっかく覚えた身体強化も活かしたいな。」

「おお、前向きで良いねー。うんうん、今は1体ずつだけど、この先、何体かまとめて出てきたりするようになるかもしれないし、戦闘手段は他にも欲しいよね。何より、レベルアップに凄く時間掛かるし。」

「うん⋯⋯モンスターが強くなると、経験値も増えるみたいだけど⋯」

「いや、それでもかかり過ぎだろってくらい掛かってるよ。あれだけ倒してまだLv.2だし。」

「このビッグラットは、アイテムも落とさないしね。」

「ほんと、ほんと。」


コインを収納して、先に進む。

途中、光るキノコを見つけてそれも収納。


再度歩き始めると、スライムとビッグラットが同時に出てきた。


「晴の予想通りだね。」

「やっぱりね。」


1体ずつ、難なく倒すとレベルアップ。


「「よし!」」


二人でハイタッチをした。


「これなら、もう少し強いモンスターが出ても大丈夫そうだ。」

「うん!」

「次に出るとしたら何かな?」


ゲームやラノベで定番の初期モンスターを思い出そうとしたその時。



「次に出るなら、狼か蝙蝠じゃないかのぅ!」



突然響いた第三者の声。


驚いて振り返ると、そこには見知らぬ男の子が頭の後ろで手を組んで、ニヤニヤと笑って立っていた。


(⋯なっ!俺が、全く気付かなかった⋯だとぉ?)


モンスターを相手にしていたさっきまでと違い、俺の顔から笑みが消え、一気に警戒心を引き上げた。


「⋯君、何者?」


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