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神の箱庭へようこそ!~創って、護って、派遣して~  作者: 緋桜
第二章 神の試験は強制参加

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第42話 ダンジョン探索開始

❀ ❀ ❀


大きな鳥居を潜ると、そこは別世界だった。

ゴツゴツした岩肌に囲まれた、トンネル状の通路が続いた洞窟。


「おぉ~⋯本格的⋯」

「⋯⋯そうなの?」

「洞窟は行ったことないけど、ほら、壁の岩肌とか、質感は本物っぽい。」


うん、行ったことは無い。

うちの山には、そんな場所無いしね。

少し歩くと、壁が一部光って見えた。

近付いてよく見ると、透明な石。

これは、水晶?

じっと見ながら、晴ペディアで、過去に見た鉱石図鑑の記憶を引っ張り出す。


【水晶⋯⋯二酸化ケイ素(SiO₂)からなる無色透明の石英結晶を指す鉱物名・宝石名。主に六角柱状の結晶として産し、装飾品や工業材料に広く利用されている。】


やっぱり。


「これ、水晶だって。2つあるから、1つずつね。」


水晶を1つ、天道くんに渡す。

すると、天道くんがオロオロとし出す。


「え?でも、これ見つけたの、桜庭くんだし⋯⋯」

「いいの、いいの。1つしかないならまだしも、2つあるんだし。」

「あ、ありがとう⋯。でも、これ、どうすれば⋯」

「さっき火之迦具土神様が、拾ったアイテムは神珠に翳して(かざして)「収納」って念じろって言ってたでしょ?それで良いと思うよ。」

「この石、⋯綺麗だけど役に立つのかな?」

「それは⋯分からないけど、「もしも自分が世界を創るとしたら」って考えながらやれって言ってたでしょ?」

「うん。」

「世界ってさ、ものすごく沢山の物質で出来てるんだよ。だから、拾って損するものは無いと思うよ。この石も、それに、こういう土だって。」


そう言いながら、神珠に水晶と、足元の土を少し掬って翳し、「収納」と、呟く。


【水晶を獲得しました。】

【洞窟の土を獲得しました。】


「おぉ、獲得出来た。」

「消えた⋯」

「うん、神珠の中に入ったみたい。天道くんもやってみなよ。」

「うん⋯。」


天道くんも、水晶と土を神珠に収納。


「これが一体、どうなるのか、楽しみー!」

「⋯うん。」

「よし、先に進もう!」


まっすぐ進んだ先では、第1村人ならぬ、最初のモンスターに遭遇!


「さ、桜庭くん!あれ、な、何?!」

「うーん、溶けたゼリーみたいな形状⋯⋯さては、スライム?」


某ゲームだと丸い雫型のフォルムで、「僕は悪い魔物じゃないよ」って言いながら、ゲーム序盤のヒントをくれたりする最弱モンスター、スライム。

けど、他のゲームや漫画では、デロデロなゼリー状で、油断すると溶かされたりする、決して侮ってはいけなかったりする。


「ス、スライム??」

「うん、油断はしちゃダメだけど、多分、大丈夫だよ。」

「ええ?油断しちゃダメなんだよね?」

「そりゃまぁ⋯」


そう言いながら、スライムっぽいモノに近付く。


「さ、桜庭くん?!」

「まぁ、ちょっとやってみるね。」


霊力込めて術を放って、ダンジョン使えなくなると困るから⋯。

足に、霊力を込める。


「えいっ。」

「桜庭くん?!」


思いっきり踏んづけてみた。

ダメなら、狐火で燃やそうくらいの軽い気持ちで。

すると、スライムっぽいモノはピカーッと光った後、粒子となって、俺と天道くんの神珠に吸い込まれるように、消えてしまった。


【スライム Lv.1 を倒しました。】

【経験値 1 を獲得しました。】

【コイン 2 を獲得しました。】


「⋯⋯経験値ショボッ!⋯まぁ、Lv.1のスライムなら、そんなものかな?」

「⋯経験値?」

「うん。⋯あれ?頭の中でアナウンス流れない?」

「うん⋯。」

「え?倒した人だけ?⋯⋯ステータスボードは?変わりない?」

「ステータスボード⋯⋯見てみる。」


そう言いながら、ステータスボードを開いたみたいだ。

目が忙しなく動いている。


「あ、経験値欄が出来てる。経験値:1、所持金も2って。」

「え?本当?」


俺も慌ててステータスボードを開く。


《名前:桜庭晴人 年齢:17歳 性別:男 Lv.1

種族:半妖 役職:亜神候補 職業:陰陽師(下級)

経験値:1 所持金:2

霊力:50/100 神力:80/100

特殊能力:瞬間記憶

固有スキル:晴ペディア(ステータスボードと同期中)

血統スキル:狐火、大火、血走り、大炎上

アクティブスキル:結界、風早、浄化、解呪、快癒、破壊

パッシブスキル:気配感知、超回復、毒耐性、呪い無効》


本当だ!

種族の下に、記載欄が追加されている。


「なるほど、ステータスボードも確認した方が良いってことだね。本当にゲームみたいだ。」

「ゲームって、そうなの?」

「うん。あ、やった事ないって言ってたね。」

「う、うん⋯」


天道くん、オロオロしている。

どうしたんだろう?


「まあ、でも、それなら目一杯楽しんじゃおうよ!」

「⋯え?⋯⋯馬鹿にしないの?」

「へ?なんで?ゲームなんて、好き嫌いもあるし、そんな事でバカにしないよ?」

「そっかぁ⋯」


何故か、天道くんが涙を流す。

ええ?!なんで???


「ど、どうしたの?俺、変な事言った?!」

「ううん⋯ありがとう、桜庭くん。」

「ええ?⋯いや、なんにもしてないけど⋯。」


もしかして、天道くんは現世では、人付き合いが上手くいかなかったのかな?

それなら⋯。


「じゃあさ、現世に戻ったら、一緒にゲームしようよ!」

「え?」

「俺ん家、田舎だけどね。」

「⋯いいの?」

「もちろん!この試験を一緒にやるんだから、もう、友達でしょ?」

「⋯⋯うん、⋯うん!ありがとう!」


よし、これで俺も友達2人目ゲットだぜ!

颯介にも自慢してやろう。ふふん。

天道くんは、また泣いてしまった。

「ありがとう、桜庭くん」って泣いてる。

そんなに有難がられるとは⋯。


「いや、俺こそ友達2人目で嬉しいし。そうだ、友達になったならさ、俺の事、名前で呼んでよ。俺も、天道くんの事名前で呼んで良い?」

「えっと⋯は、晴人くん?」

「うん!「晴」でも良いよ。」

「え⋯⋯呼び捨てになっちゃう⋯」

「もう、高校生だし、そんな事気にしないで。」

「え?⋯高校生なの?」

「うん。高校二年生で17歳だよ。あ、そうか、今は皆子供の姿だから実年齢が分からないね?」

「うん。でも、僕も高校二年だよ。」

「そうなんだ!だったら尚更呼び捨てで良いよ!」

「じゃ、じゃあ僕も四季って名前で呼んで。」

「分かった。じゃあこれからもよろしくな、四季。」

「う、うん。よろしく⋯えっと、晴。」


いやぁー友達も新たに出来て、幸先良いなぁ~!


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