第40話 衝撃の事実
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「まずは、状況説明からだ。」
平穏な生活が遠のいた事に悲しみながらも、顔を上げて二神を見上げる。
「なぜ、自分達が子供の姿なのか、それは、お前達の霊力や神力を調整した影響である。先程も言った通り、お前達は今、魂の状態であり、魂本来の姿であり、また、現世では使えなかった力が解放された状態である。」
⋯⋯⋯ん?それって結局どういう事?
そう思うと、火之迦具土神がこちらを見た。目が合ったと思った時には、火之迦具土神が俺の目の前にいて、俺を皆の方へと反転させる。
いったい何?!
「こやつは、この国で最も有名な人外、安倍晴明の子孫だ。」
火之迦具土神の言葉に周りがザワザワする。
なんだか、すっごく雑に紹介されたんだけど。
「あの、俺には桜庭晴人という名前が」
「こやつは、現世では今のようなピンク頭でも、金眼だった訳ではない。いまこの色なのは、こやつの魂本来の色だからだ。」
ねえ、聞いて?
俺の話、最後まで聞い⋯⋯⋯今、なんて言いました?
ピンク頭に⋯⋯⋯きんめ?
きんめって何?
まさか、金色の目だなんて言わないよね?
何その奇抜な色!?
俺今そんな色なの?!
服装だっておかしいのに、そんなビジュアル?!
「この狐の耳も!」
ムギュッ
「んにゃ?!」
「この2本のフサフサの狐の尾も!」
ムギュッ
「んぎゃ?!」
「現世では付いていない。」
な、な、な、なにっ?!
え?今の何?!
頭の上で、耳引っ張られた?!
お尻に触られた訳じゃないのに、何かあったよね?!
「ん?気付いておらんかったのか?お前、狐の耳と尾が生えとるぞ?二尾なら気狐だな。」
「⋯⋯は?⋯え?ええーっ?!」
慌てて頭の上を触ると、確かにケモ耳がある。
お尻に手を回すと、そこにはフッサフサの尻尾が⋯⋯なにこれ?!これじゃあ、玄じゃん!!
雑な人化で、耳と尾を消し忘れてる玄じゃん!!
「な、なんで?俺、人間。」
「⋯片言になってるが、大丈夫か?」
ちょっと涙目で、火之迦具土神を見上げる。
「やめろ、そんな目で見るな。何故って、お前の先祖は神使の妖狐を母に持つ人外なんだから、当たり前だろ?」
「でも、今まではこんなフッサフサの可愛い尻尾も耳も無かった⋯」
「それは、そういう呪いがかけられていたからだ。お前の先祖か、育ての親が、容姿で困らないようにしたのだろう。」
「え、じゃあ子孫は皆?」
「それは霊力にもよるし、どれだけその力を継いだかにもよるだろうが⋯⋯お前は先祖返りだろう?」
「え⋯⋯先祖返りって、そういう事?」
「意味は多岐に渡る。が、今はそれはどうでも良い。続けるぞ。」
「ええ?!ちょっと」
「待たん。ーー故に、現世とは違う姿の者達も居るという事だ。ここに居るものは皆、神や妖魔など、人外の血を引く者達。潜在能力は莫大。故に、こちらで霊力の調整をさせてもらった。子供の姿なのはその影響だ。」
な、なるほど?
分かったような?
分からないような?
「そして、今から行うのは、莫大な力を持つお前達が、最下級神にあたる「亜神」になる器かどうかを選別する試験だ。ここまでは分かったな?」
分かりたくないけど、分かった。多分。
いや、本当に分かりたくないんだけど。
「四の五の言わずにやれ。では、今から「神珠」と呼ばれる珠を一人一つずつ渡す。」
火之迦具土神がそう言うと、手のひらの中に、テニスボール位の大きさの透明な水晶のような珠が現れる。
「おぉ⋯。」
これが神珠。
神様って便利だな。
1人ずつ取りに行くのかと思ったよ。
陰陽術でも出来ないかな?
「神になれば出来る。⋯⋯が、聞いていた通りの面倒くさがりだな、お前。」
「⋯え?俺?⋯いや、誰に聞いたの?そんな事。」
「「安倍晴明。」」
「ええ?!」
御先祖様?!
なんで?
どうして、御先祖様がそんな事知ってるの?
「今回の協力者だからだ。まあ、それも置いておいて。」
「え?そこは置かないで?!」
「話が進まん。後でだ。お前が合格出来たらな。」
「えー⋯。」
「試験内容を説明する。この後、我々が作った試験用ダンジョンに、入ってもらう。」
「ダンジョン?」
「この先を進むと、洞窟状の迷宮ダンジョンになっている。「自分がもしも世界を創るとしたら」という考えの元、ダンジョンでアイテムを集めてもらう。集めたアイテムは、神珠に翳して「収納」と念じれば、神珠に吸収される。」
ふむ⋯神珠が、アイテムボックスとかインベントリみたいな役割かな。
これはちょっと、面白そうだぞ?
「1次試験が、不測の事態でおじゃんになったからな。少し難易度を上げる。」
そこかしこで「えーっ?!」と、悲鳴が上がる。
1次試験?
「結界だ。あれを自身の力で抜けられるかどうかが最初の試験だったのだ。あの程度の結界を解除出来ないのならそれだけの器という事だからな。⋯⋯だが、ほぼ全部綺麗に壊されてしまったからな。」
二神がこちらを見てくる。
周りからも視線を感じる。
痛いよ、視線が。
「いや、でもちょっと霊力込めただけですよ?結界が弱かったんじゃ⋯」
「なぜ、すぐに破壊するのだ。解除すれば良かったであろう?陰陽師。」
「⋯あ。」
ソウデスネ、ソウデシタ。
いやぁー、壊せば終わりって思っちゃった。
「それに、今のお前は神力も解放されて、力の濃度が上がっておる。まずは、色々検証してから動け。」
「はーい⋯。」
真面目に怒られた。
神様からマジ説教。
これはさすがに肝に銘じておこう。
「それで、モンスターを配置することにした。」
「え?モンスター?」
「ああ。これを倒しながら進んでもらう。なに、そう怯えるな。神の末席に連なるなら戦う強さもいるからな。だが、倒せば経験値とアイテムを拾えるようにしておいた。あと、このダンジョンのみで使用出来る貨幣もな。」
「貨幣⋯⋯コイン?」
「そう、それだ。運が良ければ、ダンジョン内で店を見つけて、アイテムを購入して神珠の糧にも出来る。」
「おお!RPGだ!」
「あーる⋯まぁ、それだ、多分。」
それは、凄く楽しそう!
肝試しとは大違い!
俄然、ヤル気が出てきた!
「そして、この試験の様子は、神界の別の場所で他の神々や、歴史に名を残した英霊も観ている。気に入られれば、助けてもらえるかもしれぬな。」
え?観られてるの?今までの全部?
⋯⋯あ、もしかして、御先祖様も?
「それから、スキルと呼ばれる能力を得られる事もある。」
「スキル?」
「ああ。各自、「ステータス」と、唱えてみろ。」
おお⋯!
忘れてたけど、死んで白い空間と言えば、ステータスの確認だよね?!
異世界転生のお約束っ!
まあ、異世界転生ではないけど⋯。
うわー、楽しみ!
「ステータスッ!」
ブンッ
《名前:桜庭晴人 年齢:17歳 性別:男 Lv.1
種族:半妖 血統:妖狐(神使:葛の葉)
役職:亜神候補 職業:陰陽師(下級)
霊力:50/100 神力:80/100
特殊能力:瞬間記憶
固有スキル:晴ペディア(ステータスボードと同期中)
血統スキル:狐火、大火、血走り、大炎上
アクティブスキル:結界、風早、浄化、解呪、快癒、破壊
パッシブスキル:気配感知、超回復、毒耐性、呪い無効》
おお⋯陰陽師らしいスキル構成だ。
毒耐性と呪い無効って⋯⋯もしかして、まだ意識がぼんやりしてた時に聞こえたやつかな?
よし、これならもう、呪いにはかからないって事だよね!
ありがとう、高坂家!
苦しめられたけど、役に立ったよ!
ところで⋯⋯「破壊」って⋯何?
これ、悪口じゃないよね?
種族、半妖?
これは⋯御先祖様の血かな。
先祖返りだしね、俺。
でも、妖力でも魔力でもなく、神力なんだ。
⋯⋯あ、もしかして、御先祖様の母親が、神使だったから?
気狐は妖狐だけど、神使に選ばれたエリートは、神力を授けられるからかな。
⋯⋯やっぱり御先祖様は凄いね。
「先程も言ったが、各自の力は調整して、全員、Lv.1霊力100、その他の力100に揃えてある。ここから、自分達で自身を育ててゆけ。」
「⋯⋯あのー、モンスターに負けてしまったら死ぬんですか?」
紫がかった銀髪の女の子が、質問する。
額に小さな角⋯⋯鬼の子か。
「一応回復アイテムも、散りばめられている。が、そんなに簡単に負けるほど、お前達は弱くない。心配なら、チームを組め。ただし、評価は個人だからな。」
火之迦具土神の言葉に、大多数の子達がキョロキョロと周りを見ている。
俺は⋯⋯1人の方が楽だな。
颯介がいるなら、別だけど。
うん、やってみてから考えよう。
「それでは、始めるぞ。」
二神が浮いてる場所より奥の地面に、大きな朱色の鳥居が現れる。
あれが、入口か。
「亜神候補試験、開始っ!!」




