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神の箱庭へようこそ!~創って、護って、派遣して~  作者: 緋桜
第二章 神の試験は強制参加

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第39話 何かが始まった

❀ ❀ ❀

ピロンッ

【ーーー毒耐性を獲得しました】

ピロンッ

【ーーー呪い無効を獲得しました】



⋯⋯⋯んぅ?


『目覚めなさい、亜神候補達よ。』



凛とした声が響き、意識が浮上する。


(んー⋯⋯?ここはどこ⋯?)


目を開けると、真っ白な空間。

起き上がって座り込む。

さっきまでいた病院とは違う、全方向真っ白。

おかげで遠近感がおかしい。

小さな手で目を擦る。


(いったい⋯⋯ん?手が小さい?)


違和感に、手を見てみると、どう見ても見慣れた男子高校生の手ではなく、柔らかくて小さな子供の手。

何度も瞬きを繰り返して、ジッと手の平を見つめて、握ったり開いたりを繰り返す。

⋯⋯⋯自分の手、だ。

え?夢?

頬っぺたを抓ってみる。

うん、痛いね?

⋯⋯何が起きてるの?

そもそも、ここはどこなんだ?


辺りを見回すも、なんの情報も得られない。


(うーん⋯これは、もしかして⋯結界とか、そういう感じかな?)


集中して気配を探ると、この白い空間が意外と狭いことが分かる。


(それに、さっき聞こえた声⋯聞き間違いじゃないなら、誰かいるって事。)


それなら、やるべき事は一つ。

この結界から出て、状況を確認する。


(よし、壊そう。⋯⋯結界の強度が分からないから、とりあえず、ちょっと強めに霊力を練ろう。)


刀印を結び、額に霊力を集める。


「ーーー破っ!」


バリンッ バリンッ バリンッ バリンッ パリーンッ


「⋯⋯⋯え。」


簡単に壊れたよ。

しかも、衝撃波みたいに広がった霊力が、周りにあったらしい他の結界を壊していく。

え?ちょっと弱くない?

俺、ちょっと霊力込めただけだよ?

なんか、最近似たような事があった気がする。

あぁーっ、また明さんに出力調整の課題が増やされる⋯。


俺が額に手を当てて、俯いている間に、周りがザワザワし始める。

俺と同じように、結界の中に居た子(・)供(・)達(・)だ。

そう、何故か皆子供なのである。


誘拐?

⋯⋯まさか、高坂家か?

あの時、意識を失う直前、明さんが近くまで来ている気配を感じたから、もう大丈夫だと安堵したんだけど、もしかして間に合わなかった?


途端に不安になる。

結局、拉致・監禁されたのだとしたら、どうしようか。

⋯⋯え?まさか、この子達皆そうなの?

なんて、悪党なんだ。

なら⋯⋯⋯結界壊したのは、問題無くない?

これって結果オーライ⋯


「そんなわけあるか、たわけっ!」

「⋯⋯⋯え?」


なんか、急に怒られた気がして顔を上げる。

すると、前方に、宙に浮かんだ何だか神々しい光を放つ白髪金眼と赤髪赤眼の男の2人組が、呆れた表情で俺を見ていた。



なんで?

あれ?今、俺、⋯声出してた?


「この空間では、お前達の心の声は全て聞こえておる。それも、選別の基準の一つだからな。」

「しかしまぁ⋯聞いてはいたが、見事にほぼ全部壊してくれたな⋯。霊力を調整しておいて良かった。」

「本当ですね。まあ、そのお陰で全員、子供の姿ですが。」


なんの話だろう?

選別?⋯ってなに?

聞いてはいたって何を?

⋯今の話の流れ的に、俺の話な気がするけど、俺の事じゃないよね?

俺、そんな破壊神みたいな言われるような事してないよ?


「たわけ、この現状でまだ言うか!そもそも、この結界を抜けられるかどうかも見極めておったのに、台無しだっ!」

「そんな事言われても⋯⋯ごめんなさい?」


とりあえず、謝っておこう。

とても、怒気を向けられているし、結界を壊したのは事実だから。

けど、さっきから、なんだかあの赤髪の人の言い方が引っかかる。

「選別」とか「見極め」とか、なんだろう?


「それを今から説明しよう。」


今度は白髪金眼の人が、話し始める。


「全員、話を聞きなさい。ーー皆、今の状況に戸惑っていると思う。先に言っておくが、今君たちがいる場所は、神界であり、君たちには今からある試験を受けてもらう為に、現世では一度死んでもらった。」


⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯はい?


今、なんて?

死んだ?

誰が?

⋯⋯⋯⋯俺が?


「驚くのは無理もないが、神界に呼ぶ為に一時的にそうしたのだ。試験に合格すれば、元に戻る。言うなれば、“仮死状態”だ。」


⋯⋯⋯へぇー仮死状態かぁ。

なら、大丈夫⋯⋯⋯ってなるわけないじゃん!

なに?

どういうこと?!

じゃあ、俺の身体は?


「安心せよ、神界と現世の狭間にて保管している。⋯⋯やる気が低空飛行と聞いていたが、ツッコミはキレが良いな?」

「はい?誰が、そんな事を?」


いや、なんか、どこかで言われたような?気がしなくもない?


「あのー⋯⋯試験ってなんの試験ですか?」


誰かが質問する。

目を向けると、金髪の男の子だ。

⋯⋯なんだろう?いやに服装がボロボロだね?

髪もボサボサで整えておらず、目は長い前髪に、隠れてしまっている。

思わずジッと見てしまうと、視線に気付いたのか、顔を背けられた。


⋯⋯なんか、学校でも目を逸らされることはあるけど、反応が違う気がする。


「試験とは、君たちが我ら神々の仲間に相応しいかどうかを見極め、資格あるものを「亜神」として迎える為の選別の試験だ。」


周りが一斉にザワつく。

いや、そうなるよね?

神?亜神?

どういうこと?

亜神って何?聞いた事ないよ?

そもそもあなた方は誰なの???


「我が名は天之御中主神(アメノミナカノヌシ)。日本と呼ばれるこの地の原初神が1柱である。」

「は?え、あの、天之御中主神様?神託をくださる?」

「俺は、天之御中主神様の補佐をしている火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)である。」

「ええ?!」


これまた、原初神を除く、最古神の1人だよね?

伊邪那美(イザナミ)から生まれて、出産時に火傷させたからって父親の伊邪那岐(イザナギ)に殺された、理不尽な神様。


⋯⋯⋯もしかして、これって大事?

「亜神」って多分、神様の一種だよね?

下位の神様かな?

なんだか、面倒くさそうな予感がする。

いや、絶対に面倒くさいよね?


「あのー⋯⋯これって拒否権は?」


勇気を出して、手を挙げてお二方に聞いてみた。


「「ない。」」


えぇー!そんなぁ〜⋯俺の平穏は、いったい、いつになったら迎えられるの?!


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