↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の箱庭へようこそ!~創って、護って、派遣して~  作者: 緋桜
第一章 まだ始まってない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/42

第2話 ⋯彼女?

❀ ❀ ❀


田舎⋯というより、緑溢れる山の中の小さな集落に暮らす俺達は、村の入口にあるバス停から15分程バスに乗って高校へ通う。

両サイドには延々と樹木が並び立ち、歩道の無い片側1車線の下り坂。

麓までバス停も信号機も無く、乗客も俺と颯介だけの貸切状態。

バスも街中を走るような大型バスではなくて、マイクロバスのサイズ。

ここ最近は、短い仮眠タイムだ。


学校前のバス停で下車。

颯介と並んで歩く。

学校前の桜並木は葉が生い茂り、強い風に煽られザワザワ、ガサガサと、葉擦れの音を鳴らしている。


「⋯おい、晴。あそこ⋯彼女、待ってるぞ?」

「⋯⋯⋯彼女?⋯お前、いつの間に⋯」

「ちっげぇーよ。お前のだよ。お前の彼女の山下由美(やましたゆみ)だよ!」

「⋯⋯ん~?」

「⋯なんでいつも、「いたっけ?そんなの」みたいな感じなんだよ⋯。」


颯介凄いな。

心が読めるんじゃないだろうか?

まさに、そんなのいたっけ?って思ったところだよ。

颯介の視線を辿って顔を向けると、いかにもゆるふわ系の(頭の中も)女子がこちらに向かって手を振っていた。


「ハッルく~ん!おっはよぉ~♡⋯⋯きゃあ!」


鳥肌立ちそうな程甘ったるい声で彼女が挨拶した瞬間、突風が彼女を襲い、クルクルしたセミロングの茶髪は顔面に張り付き、髪の毛のお化けみたいになっている。

パンツが見えそうなくらい短いスカートは、捲りあげられ、慌てて両手で押さえるも、パンツは丸見えである。

そこらかしこで、小さな歓声が上がる。


「⋯今どき、スカートの下にスパッツとか履かないのかよ。」

「⋯なー⋯。」


颯介がげんなりした顔でボソリと呟く。

同じくげんなりした顔で、俺も同意する。


「んもうっ!何この風?!エッチなんだからぁ~!⋯あっ!ハルくん、見たでしょ?!」


語尾に「ぷんぷんっ」とか、「ぷんすこっ」とか付いてそう。

ひらがなで。


「⋯見たくない。」


あ⋯思わず本音が出てしまった。


「えぇ~?!ハルくんどういうこと?!ひっど~い!⋯⋯あっ、もしかして⋯照れてる?うふっ!」

「いや、まったく。」


朝から疲れるから、マジで勘弁してほしい。

おっも~いため息を吐きつつ、颯介を促して彼女の横をそそくさと通り過ぎる。


「えっ?!ちょっと?ハルくん?!」


喚いている声を気にすることなく、下駄箱でササッと靴を変えて、教室に向かう。

階段を登りながら、横から視線を感じる。

言いたい事は何となく分かるから、前を向いたまま、颯介に問い掛ける。


「⋯⋯⋯⋯なに?」

「⋯⋯昨日も聞いたけど、⋯なんでC組の山下さんと付き合ってんの?全然、好きなようには見えないんだけど?」

「⋯⋯⋯⋯付き合っては無い。」

「⋯⋯は?いや、彼女皆に言って回ってるぜ?お前を落としたって。それに、すんげぇ付き纏ってるよな?お前に。」

「え?⋯まだ、2日しか経ってないのに⋯。⋯⋯何度も何度も、何度も!断った!⋯俺、恋愛に興味無いし。けど、本当にしつこくって⋯。試しに1ヶ月だけって、それでダメなら諦めるっていうからさぁ⋯。」

「⋯うわっ⋯ご愁傷さま⋯。」


憐れむな。

そんな目で見るな。

俺だって本当は、1ヶ月だけでも嫌なんだよ⋯。


「でも、1ヶ月って、嫌々だと結構長いぞ?大丈夫か?お前⋯アセクシャルかもって言ってなかった?」

「んー。⋯それも伝えてある。けど、それでもって。だから、俺からは特に何もしないってのが条件。もちろん、性的な接触も俺からもしないけど、向こうからもしないって事で。それが無理なら、そこまで。」

「⋯⋯付き合う、とは?」

「さあー?⋯俺にも謎。」


朝から男2人で、難しい顔をしながら、2年A組の教室に入っていった。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
晴と颯介の掛け合いが面白いですね! 「付き合う、とは?」という最後のやり取りに笑いました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。