第22話 苦手なんだって!
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ガラッ
「おー、晴っ!⋯⋯⋯どうだった?」
「⋯⋯⋯⋯⋯ダメだった⋯⋯。」
「⋯⋯まぁ、そうだろうな。」
翌日、学校へ行くと決めた俺は、いつものバスで颯介と登校。
噂は颯介から聞いていた通り収まっており、少なくとも俺の耳に入ることはなかった。
⋯⋯女の子達から、とても同情的な目で見られ、通りすがりに「頑張って!」とか、「女子は皆、桜庭くんの味方だから!」って声掛けられたけど。
唇が引き攣る為、「ありがとう」って少しだけ笑ったら、何故か皆顔を赤くして、動かなくなってたけど。
儚げ⋯⋯⋯って何?なんのこと?
そして、昼放課。
今日登校した目的である、「球技大会の種目変更」を願い出る為に、弁当をさっさと片付け職員室へ。
結果、「もう決まったことだから。」と却下。
担任の先生には、「俺が出たら、後悔することになりますよ⋯?」と、伝えてきた。
「黒歴史も青春の1ページ」と、良い笑顔で言った先生。
⋯⋯⋯俺、サッカーに関しては、沢山ありますけど?
「俺、補欠を目指す事にするわ。」
「前向きなのか、後ろ向きなのか、判断が難しいな。」
前向きに決まってるだろ。
「⋯⋯颯介、ソフトと替わって。」
「やだよ。俺もサッカー苦手だもん。それにお前⋯⋯ソフトでも、隣のポジションのボールまで追いかけて、ぶつかるじゃん。」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯はぁー⋯。」
球技全般がな⋯⋯。
小学校の時みたいに運動会で良くないか?
「ねーねー!桜庭くんに風間くん!ちょっと良~い?」
項垂れていると、クラスメイトの女の子が話しかけて来た。
「うん?何?」
「⋯えっ、桜庭くん、なんでそんなに儚げなの⋯」
「⋯⋯へ?」
「はい、伊藤さん。現実に戻ってきてねー。こいつ今、サッカーやだってゴネてるだけだから。⋯⋯それで、何?」
「⋯⋯あ。そうだった。あのね、肝試しのことなんだけどー、2人も参加で良いかな?」
「え?」
「俺は良いけど、⋯いつ?」
え?⋯颯介、参加するの?
「それがね、本当は今日にでもっていう話をしてたんだけど、昨日、部活行った子がそれぞれ部の子に話しちゃって。他のクラスの子も参加したいって事になって、そしたらもう、先生にも話そうってなって。で、先生の許可が出たら、明日の放課後!」
え?そんなに大勢でやるの?
あそこは、母さんが学生の時にじいちゃんが祓ったって聞いてるし、曰く付きの所は封印してあるって言ってたし、俺もチラッと見た時に陰気は無かったから大丈夫だと思うけど、出来ればあまり近寄らない方が良いんだけどな。
とくに、大勢で。
「明日か⋯⋯うん、大丈夫だと思う。部活の後になるけど。」
「うん、他にもそういう子いるから大丈夫だよー。じゃあ風間くんは参加ね。⋯⋯⋯桜庭くんは?どうかな?」
「え?えっと、俺は⋯」
「もちろん、こいつも大丈夫!」
「は?!」
「本当?!やったぁー!女子が喜ぶー!」
「ちょっと!そんな時間だとバスが」
「大丈夫。母さんに頼むから。」
「いや、でも、お前部活の後なんだろ?」
「待っててくれて良いぞー。」
「いや、ほら⋯」
乗り気がしなくてのらりくらりと言い訳するも、颯介が諦めてくれない。
「だ、だめかな?桜庭くん⋯」
「うっ⋯」
「大丈夫。俺が責任持って連れて行くから。」
「ホント?!じゃあ、明日の放課後、よろしくねー!」
ご機嫌な伊藤さんが、友達の元へと走り去っていく。
なんだかキャーキャーしている。
「おい、颯介!なんで勝手に⋯!」
「まぁーまぁー。お前、クラスメイトとの交流も大事なんだぞ?じゃないといつまでたってもボッチじゃん。」
「な?!ボッチじゃないだろ!」
「俺はカウントに入りませーん。何故なら、俺しか友達がいないからでーす!」
「なっ⋯⋯」
図星をさされて、言い返す言葉が見つからない。
けど、友達って無理して作るもんじゃないだろ?
だいたい、なんか皆一歩引いた所にいて、あまり寄って来ないし。
「あのな、晴。こういうのも、青春の1ページ、なんだぜ?」
颯介が親指立ててニカッと笑う。
そのフレーズ、似たようなのをさっきもどこかで聞いたわ!今、流行ってんの?
お前、そういうキャラじゃないだろ!
「まぁ、明日で5月も終わりだし、5月最後の思い出って事で。」
「はぁ⋯⋯」
「それに、お前がいると、なんだか幽霊達も逃げていきそうだしな。あ、そうだ、御守りとか頼むよ。「悪霊退散」!とかさ。」
「それは御札じゃないか?」
確かに、弱い幽霊達なら寄ってこないだろうけど⋯。
けど、俺は颯介に言っていない事が一つある。
俺は⋯⋯⋯幽霊が嫌いなんだっ!!
妖怪達は良い。
姿は人外だけど、そこまで嫌悪感は無い。
けど、幽霊達は違う!
だいたいは亡くなった時の姿をしてるんだぞ?!
血塗れだったり、内臓出てたり、顔潰れてたり⋯⋯⋯。
見た瞬間に、「滅っ!」って消滅させそう⋯。
一応、幽霊さんは成仏が先なのに⋯。
帰ってからやることは決まった。
明日の為に、護符をいっぱい作ろう。
あれ?
でも、そもそもそんなモノ、いないはずだよな?
これってフラグじゃないよね?




