↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の箱庭へようこそ!~創って、護って、派遣して~  作者: 緋桜
第一章 まだ始まってない

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/42

第18話 休んでもいいって!

❀ ❀ ❀


次の日は、学校を休んだ。



あの日、保健室で、保健の先生に手当てしてもらってから、帰った。

先生がいた手前、颯介は何も聞かなかった。

先生には、もちろん聞かれたが、虫が張り付いたのが嫌で擦ってたら擦り過ぎた⋯と、誤魔化した。

まぁ⋯⋯ほぼ事実だけど。

家に帰るまで、心配そうに時々こちらの様子を見ていた。

心配されてるのは分かっていたけど、どうにも話す気になれなかった俺には、聞かずにいてくれる事が、とても有難かった。


家に帰ると、しばらくしてから颯介が、明日の学校の準備をして、泊まりに来た。


「今日は泊まるからなっ!さぁ!何があったか吐けっ!」


あまりの勢いに吹き出すと、「何笑ってるんだ!心配したんだぞっ?!」って怒った後に、何故かあいつも一緒に笑っていた。


今日の下校時の、例の彼女(今は名前も呼びたくない)との話を、怒りが込み上げないように、なるべく気持ちを無にして、他人事のように話す。

気を抜けば、また吐き気を催すから。


「⋯マジか⋯⋯うわぁ~⋯。ひくわぁ~⋯お前⋯⋯よく、ビンタ食らわせなかったな⋯。」

「⋯⋯さすがに⋯ビンタはダメだろ⋯⋯。突き飛ばして転ばせたから、一緒か?」

「いや、それは突き飛ばすだろ⋯⋯。お前の言う通り、犯罪だよ、それ。⋯突然のキスから恋が芽生えるなんて、漫画だけだろ。好きでもない相手にキスされたら普通に気持ち悪い。」

「⋯⋯⋯だよな?」

「うん。」


そう⋯だよな?

俺、そんなに間違った事言ってないよな?

颯介の、怒った顔に、俺の気持ちへの理解に、黒く塗り潰されそうだった心が、少しだけ薄らいだ気がした。


「そういえば、さっきの話で気になったんだけど⋯。」

「ん?」

「ほら、校舎裏に行った時に、何人かが植木や校舎の陰に隠れてたんだろ?」

「うん。」

「そいつら、ずっと?」

「うん。⋯最後は気にする余裕なかったけど、姿は見てないから、誰も動いてないよ。」

「2人⋯か、3人?」

「いや、6人。」

「6人?!⋯え?多くない?⋯⋯⋯そいつら、絶対彼女が連れてきたんだろ?⋯⋯何しに来たんだ?」

「さぁ⋯喧嘩かな?」

「⋯はあ?意味が分からんけど⋯⋯。」


颯介と話しながら、ふと、あの時の現場を思い出す。


(⋯⋯⋯そういえば⋯⋯あの場所⋯⋯何か⋯⋯変、だった⋯⋯?)


「うーん⋯」

「ん?⋯どうした?」

「いや⋯⋯そういえば、なんか変な感じだった⋯気がしてさ⋯。」

「どういうこと?」

「それが分かんなくて⋯⋯うーん⋯⋯その後の事が、衝撃過ぎて頭が働かないわ⋯。」

「あぁー⋯。まぁ、それは仕方ないだろ。それに⋯⋯最初から計画してたなら、変な空気は流れてたかもな。何となくあるだろ?嫌な感じがするっていうか、不穏な空気って。」

「まぁな⋯。」


脳内では、じいちゃんが楽しみにしていた、新米で作った酒を空にした那智達が、空っぽの酒樽の横で泥酔しているのを見つけた時のじいちゃんの後ろ姿⋯。


⋯⋯うん、分かる。


「でも、誰だったんだろうな、その6人。」

「あぁ⋯。多分、C組の奴らじゃないか?彼女のクラスだし。」

「多分なぁー。」


さすがに相手が一般人じゃあ、「気」だけで個人の識別は出来ない。

普段からそんなことまでしてないし。

ただ⋯⋯。


「多分だけど、1人は確実にC組の奴だな。」


前にC組の前を通った時、1人だけ、気配が妙だった奴がいた。

気配が極端に薄かった。

まるで、自ら気配を消しているんじゃないかと、思ったくらいに。


「まぁ、そうだろうな。あの子、何故か男子には結構人気があって、取り巻きみたいなのもいたからなぁ。」

「⋯⋯だな。」


いや。

彼は、前は彼女の周りにいなかったはず。

ただ、顔は記憶していても、他クラスの奴の名前なんて知らない。

昔みたいに、名札でも付けていれば分かったのに。


「そいつらが何の目的だったかは分からんけど、きっとまた、明日から色々めんどくさい事になるだろうな。」

「うん⋯。」

「⋯⋯お前、明日は休めよ?」

「⋯⋯⋯⋯⋯え?!良いの?」


颯介の提案に、心がスッと一瞬軽くなった。

どのみち、明日は休む気でいたけど。

人から言われると、何か、浮き立つ。


「いや、その顔じゃ⋯⋯明日は1日休んで、傷を少しでも癒せよ。んで、明後日から来い。」

「⋯⋯⋯⋯⋯。」


明後日は学校⋯に、少しだけ浮上した気持ちがまた急降下。


「いっそ、辞めちゃうか。」

「ばか。」


だってー、と、唇を突き出してみる。


「痛っ!」

「はぁー⋯お前ねぇ⋯。」


唇から再度血が出た為、颯介がティッシュをくれる。

受け取って唇を押さえていると、


「とりあえず、傷を治せ。な?」

「⋯⋯はーい⋯。」


昨日の昼に、颯介から聞いた、俺の良くない噂の事を思い出す。


「⋯俺、また何か言われるのかなぁー⋯。」

「うーん⋯どうだろう。今日のお前のその姿、見ている人もいたし、どっちかと言うと、今回は向こうの方が言われるかもな。⋯⋯「花の王子」ファンが黙ってないだろ⋯⋯。」

「⋯⋯ん?王子?」

「いや、なんでもない。」


何故か、遠い目をして有耶無耶にされた。

うちの学校に王族なんていたっけ???


その後は久々に、ゲーム部屋で、オンラインゲームを結構夜遅くまでやって、朝、颯介は学校へと向かって行った。



そして、今。

時刻は、15時40分。


玄関横の書斎にいると、神社との境の門のインターホンが鳴った。


(颯介は、部活の後で来るって言ってたから違うな。誰だろう⋯⋯?)


使い魔達に声をかけて、そのまま門に向かうと、珍しい人が門の前に立っていた。


「え?史道さん?」


⋯予想外の事が起きると、人って思考が止まるよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。