第15話 曇天は続くよいつまでも
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帰ると、誰の気配も感じない。
明さんは、今朝から浅間大社に出向いている。
今後について、何やら話し合いをするそう。
その後は、そのまま仕事やプライベートで暫く留守になると言っていた。
静岡で学会があるらしい。
(⋯モヤモヤする時って、一人になりたいけど⋯⋯誰もいないといないで、更にモヤモヤするな⋯⋯)
その後、俺は着替えて「箱庭」へ向かった。
いつも楽しく過ごせ「箱庭」でも、あまり気分は解消されなかった。
心のどこかで、「明日も学校へ行かなくてはいけない。嫌だな。」という気持ちがあるからだ。
(俺は平穏に暮らしたいだけなのに⋯⋯はぁー⋯。)
俺の気分を察知したのか、那智が執拗に絡んでくるので、学校でのことを話すと、
「ははぁ~ん、その子、「構ってちゃん」なんだねぇ~。晴も、晴明に似て中性的な美形だからさぁ、モテる男は辛いねぇー。そんなに面倒なら、こっちに住んじゃったら?ここ、女の子いないよ?」
って、提案された。
へー、俺、御先祖様に似てるんだ。
⋯⋯⋯ここに住むのも悪くないな。
なんて、ちょっとだけ心が揺れた。
でも、那智もどちらかと言うと、山下さんと同タイプじゃ⋯⋯⋯。
でも、那智は、面倒くさいとは思わない。
たまにウザ絡みされるけど。
違いはなんだろう?
やっぱり⋯⋯⋯「恋愛感情」だろうか?
恋愛のどこが良いのか、さっぱり分からん。
その後、那智に「そーいえば、昔さぁー、道満が晴明の奥さん寝とってさぁー⋯」と、延々と平安トークを喋り倒していた。
⋯⋯⋯御先祖様のそんな話、聞きたくなかった。
奥さん巡って決闘とか⋯⋯俺だったら、そんなに欲しいなら離婚して、熨斗つけてあげるけどな⋯。
そもそも、結婚なんてしないか、面倒くさい。
御先祖様なら、俺より人外の血が濃いはずだけど⋯俺よりも人情家だったんだな。
でも、伝記にあった、一度死んで呪術で生き返ったのは、本当だったらしい。
御先祖様、すげぇ。
今度、明さんにも話してあげようかな。
帰ってからもモヤモヤし続け、布団に入っても寝付けず、モヤモヤは次第にイライラへと発展を遂げた。
もういい。
次に何か言われたら、その時点でキッパリ断ろう。
「別れよう」とならないのは、俺自身、山下さんと付き合っているという認識が、全く無いからだろう。
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翌日の放課後。
昨日からのイライラは尚も継続中。
今日は山下さんに会っていないが、C組の人とすれ違うと、たまにヒソヒソされる。
イライラは継続中とは言ったけど、フラストレーションは溜まる一方。
(もう、本当に休もうかな⋯。)
そう思いながら、靴に履き替えて昇降口を出ると、物陰から人が現れる。
警戒して見ると、山下さんだった。
(⋯今日は会わずに帰れると思ったのに⋯。しかも、颯介が部活で居ない時に⋯。狙われた?)
不快感は隠せなかった。
「ハルくん、ちょーっといいかなっ?少し話したいんだけど~。」
「⋯俺、帰りたいんだけど。」
「でも、バスの時間までまだあるよね?」
バスの時間まで把握してるの?!
「あ、やだっ!ストーカーとか、思わないでねっ!ちょっと気になって調べただけだからっ!」
ストーカーの定義とは?
ストーカー⋯⋯ ストーカーとは、特定の相手に対しつきまとい等を繰り返して不安や恐怖を与える行為をする人を指す。日本では「ストーカー規制法」により、具体的な行為が法律上定義され、処罰や規制の対象になり⋯
ストップ「晴ペディア」!
大丈夫、分かってるから。
彼女がしてるのはストーキングで、立派なストーカー行為に当たる。
もう、条件無視ってことでいいよね?
俺、昨日も警告したよね?
よし、向こうも話があるっていうのなら、キッパリハッキリ断ってやる!
バスの時間までならという事で、山下さんについて行く。
と言っても、20分も無い。
さっさと話をつけて、帰りたい。
上の空で着いて行った先は、校舎裏。
⋯⋯⋯なんで?




