2話『いや、待て待て?転生?それならド定番の主人公or悪役令嬢だろうが』
嵐のように去った先程の事件は、リオルトの頭の中でぐるぐる回っている。
先程まで、驚くほどに冷静だったがよくよく考えると頭を抱えるような事態だ。
(乙女ゲームに転生って…小説とか漫画でめっちゃ見るパターンだが、実際体験すると結構やばいぞこれは…‼‼‼)
小説の中ではごまんとあるパターン。
攻略する=ゲームのストーリーを変える
ことであって。
「こんなん絶対ゲームの強制力働くだろうがァァァァっっ‼‼‼‼」
これまた、転生後のパターン其の1。
絶対ゲームの強制力が働くのだ。
完全に。
そして、大体の転生したシチュエーションの人は、自分の望む未来を手に入れていない。
大体、ゲームの中のリオルトは、悪役令嬢といっしょに行動していた。
根本からヒロインに事件を仕掛けるのは悪役令嬢なわけで、例え伯爵令嬢であっても元平民であるリオルト
には悪役令嬢様には口出しする権利はない。
というか口出ししたら、早めの首ちょっきんの処刑ルートに入ってしまうかもしれない。
「何だよ‼‼悪役令嬢の取り巻きって‼‼‼こんな動きにくい立場あんのかよ‼‼‼神さまは私に何を求めてんだよっっ‼」
思わずクッションに殴りかかるリオルト。
先程まであんな冷静だった少女とは思えない。
はぁぁ…とクッションに顔を沈め、考えにふける。
(まずまず、悪役令嬢と私の出会いを潰すのは…無理、か。確か、リオルト父って悪役令嬢父と親友とかいう小話は公式の裏話から聞いたっけ…)
このまま行けば本当にリオルトは処刑レッツらゴーする。本当に。冗談抜きで。
助けを求めようど、この家には味方はほぼいない。
(どうしよう…本当に…)
ふと、机の上にある本が見えた。
「勉学…か」
はっきりいうと、リオルトは勉強ができない。面白いほど。
貴族の子女は15歳になれば王立魔法学園に入学しなければならないため、10歳頃から基本的な勉学や魔法などを学んでおくのだ。
リオルト父が勉学に励めるようにと、本を買ってくれたものだった。
けれど、面白いほど勉強ができないリオルトは一度本の中身を見たとき、「うえぇ」となった。
(けど…今見たら、もしかして…)
リオルトは恐る恐る本を開いて、はじめから読み始めた。
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