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乙女ゲームに転生したけれど、すべて投げ出したい令嬢は私です。  作者: 律樹


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1話『あらまぁ…からの自爆。』


「俺に妹なんていない」


この一言にリオルトは頭からかかとまで雷が打たれたように、誰ともわからない記憶が頭の中に入ってきていた。

おそらく…リオルトの前世のだ。


(ここは…___乙女ゲーの世界か_?)



リオルト・アシュリー。

現在8歳。

伯爵貴族令嬢。

容姿 普通


これが肩書だ。

そしてリオルトは…絶賛「乙女ゲームに転生しちゃったぜ☆」状態。


つい今しがた、言われた言葉で前世の記憶を思い出した。

日本という国に住んでいて、女性だった。


そして今世は「乙女ゲーム」とやらの世界に来た。

「どうやって死んだ」とか前世の自分の名前すらも覚えていない。

まぁ、このはたしない喋り方は前世の喋り方が乗り移ったんだろうが。


肝心な転生した人間は、鉄板な主人公…ではなく、これまた鉄板の悪役令嬢…でもなく。

もうこれは鉄板という問題より、大体のゲームでも悪役令嬢に乗っかって主人公に暴言を吐きまくっている姿しか見たことがない、悪役令嬢の名前すら知らなかった取り巻きだった。

それも残念なことに、自分はその悪役といっしょに巻き沿いを食らって「レッツラ☆ゴー処刑」する取り巻きなのだ。


(いやせっかく転生したのに、なんで悪役といっしょに処刑されないといけないんだよ…?)


この一言に尽きる。

リオルトは最初からいいところの箱入りお嬢様かと思いきや、実はそうではないのだ。

元平民でありながらアシュリー家に引き込まれ、結果わがまま令嬢になっている。

特に記憶を思い出した今、自分がどれほど愚かか痛いほどわかる。


(ポテンシャルが悪役令嬢なんだよなぁ…)


そんなことを頭の隅に思いながら、リオルトは眼の前の状況を見る。


「俺に妹なんていない」


そう宣言したのは、乙女ゲーム「花連」の攻略対象1,レン・アシュリー。

リオルトの義理の兄だ。

レンはスラリと長い手足に、切れ長の緑の目。

更に、さらりとした薄い水色の髪で普通のご令嬢が見れば確定一発ノックアウトの容姿だ。

ちなみに、この美男子からリオルトは毛虫のごとく嫌われている。


(記憶を取り戻す前に、この男を落として嫁になろうとか考えてたっけ…)


なんという馬鹿なことをしていたんだろう。

おそらく、妹でも家族でもない、無理やり家に入ってきて来ては我儘を言いまくり、義理の兄にベタベタするような元平民など気持ち悪く見えて仕方がないのだろう。


そんなことしたら悪役令嬢云々、処刑レッツラゴーするだろうに。


(やべえ、すべてを理解したらものすごく冷静になってきたし)


「俺に妹なんていない」発言はひとまず置いておき、リオルトは四歩後ろに下がり頭を垂れた。


(とりあえず、この状況から変えなるばなるまい)


いきなりのリオルトの行動に、レンが眉を一ミリほど上げる。

つくづく表情の変わらない美男子だ。


「今までのご無礼、お許しください。私は平民ながらなんという行いを。この身に深く反省の色をつけますので、どうかご容赦を」


リオルトは眉を寄せながら深く反省しているような表情を作る。


「…__次はない」


レンはそう言い残し、去っていく。

意外とあっさり通ったため、いきなり態度が変わったリオルトに、レンが動揺していたことがわかった。

表情に出さないなんて、さすが攻略対象である。


一息ついたところで、考えを振り返る。


(…乙女ゲームに転生_____)


「はあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼‼⁉」


遅めの発狂がリオルトを包んだ。

あんま書かないタイプのジャンルに初挑戦。

温かい目で見てください。

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