11話『街歩き①』
こうして家族との和解も済み、わだかまりが解消されたリオルトは久しぶりに解放された清々しい気分になった。
(それにしても、お父様がレンお兄様と街に行ってこればいいと言った時に乗ってくるとは思わなかった)
そう。
あのあと、家族での晩餐で酒が入り、気分が良くなっていた父が提案してきたのだ。
「レンとリオは最近は仲良くしてるみたいだな」
「いや、俺は…」
「どうだ、街にでも二人でいってこれば良いじゃないか」
その提案に思い切り顔をしかめるレン。
(まぁ当然の反応かなあ…)
いくら性格が変わろうと今までやったことがやったことである。
前よりも対応は軟化したが、やはりまだ嫌悪感があるのだろう。
(いやそんなの行ってくれるわけ…__)
「そうですね、行ってきます。」
「あ、行くんだ」
思わず声が出てしまった。
レンが驚いたようにこちらを見てきたが、目線をそらす。
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というわけで街に出てきたわけだが。
(めっっちゃ見られてるゥ…)
レンがリオルトを一生見ている。
そう、妹を見る優しい瞳ではなく、親の仇を見るような睨みである。
(前までは汚物を見る目だったからまだマシではあるけれども!)
そんな目を向けられたらこちらも微妙な顔になってしまう。
整った顔に睨まれるのは年若い乙女にとって少し悲しいものだ。
もちろん侍女のメーアがついてきてるが、少し離れながら移動しているため喋りかけれない。
2人できたはずがほぼ1人状態の街歩き。
(というより心の距離が筒抜けでちょっとさみしいぐらいだよ…)
すると、甘い香りがリオルトの鼻腔をくすぐった。
その香りがした方を向くと、大勢の人が並んでいて、特に女性が多かった。
(あれは…)
クレープか。
こちらの世界ではガレットと呼ばれていたはずだが、味付けはしょっぱかった記憶がある。
誰かがクリームなどを入れたら偶然クレープに近いものができてしまったのだろう。
ちらりと後ろを見ると、レンもクレープの方を見ていた。
なんなら、買った人のクレープを凝視している。
(あ、食いたいんだろうなあ…)
確かレンは『花連』の中でも生粋な甘い物好きだったはず。
リオルトは攻略に書いていたことをちらりと思い出し、少しかわいらしいところもあるじゃないか、とくすりと笑う。
買おうと提案しなければ、しばらくレンは動かないだろう。
(こういう時に妹って必要だよね!)
そうやって声をかけようとしたその時。
「きゃっ!」
離れたところでメーアの悲鳴が聞こえた。
不幸を呼び寄せる役:メーア
最近インフルでしんどかったんで投稿できなかったです。
復活したので許してください。




