第2章 違和感の恋
今回も文章が変かもしれません…
優しく見守っていてください…
朝。
目覚ましより先に、スマホが震えた。
「……なんだよ、それ」
思わず笑ってしまった。
一周目でも、結衣はこういう雑な優しさを投げてきた。
雑なのに、不思議と温かい。
「生きてる。たぶん。結衣のおかげで」
スマホを伏せた。
嬉しいほど、怖くなる。
ベッドから起き上がり、身支度して登校する。
講義室の後ろの席に座る。
まだ誰とも深く関わらない方がいい。
そう思っていた。
「見つけた」
「……早いな」
「昨日倒れかけた人を放置するほど、私薄情じゃないので」
「保護者かよ」
「うん。今日から仮保護者」
結衣は当然のように隣に座った。
一周目では、この距離になるまで少し時間がかかった。
今回は、少し早い。
「ねぇ、佐伯くん」
「何?」
「昨日から思ってたんだけど、私のこと、見る目が変」
「変って」
「懐かしそう。それで、ちょっと泣きそう」
息が詰まった。
「気のせいだよ」
「ふーん」
「似てる人がいたんだ」
嘘、あんまり上手くないね。
「その人、大事な人?」
「……ああ」
「そっか。
じゃあ、私がその人の代わりみたいなのは嫌だな。」
「違う」
「うん。ならいい」
「結衣のことを、知ってる気がする」
「……それ、怖い言い方。
でも、なんでかな。完全には嫌じゃない」
……本当に、気のせい?
「あ、そうだ。今日の昼、空いてる?」
「昼?」
「学食、一人で行くの寂しいから」
「結衣なら誰か誘えるだろ」
「誘いたい人を誘ってるんだけど」
「……。」
「なにその顔。照れた?」
「照れてない」
「はいはい、そういう事にしとく」
「学食混んでたから、こっちで正解だったね」
「カフェの方が高いけどな」
「そこは大学生っぽく、未来への投資ってことで」
「カフェ代が?」
「思い出代」
結衣は、何気なくそう言った。
思い出。
俺が失って、戻ってきてもまだ抱えているもの。
「佐伯くん、また遠い顔してる」
「……悪い」
「謝るところじゃないよ」
「ただ、こっち見てほしいなって思っただけ」
「あれ、佐伯くん?」
声をかけてきたのは、青葉葵だった。
同じ講義で何度か見かけたことがある。
一周目では、深く関わらなかった相手。
「隣、いい? ここ混んでて」
「あ、どうぞ」
「ありがとう。青葉葵です。よろしくね」
「佐伯悠真」
「知ってる。昨日、入学式で少し騒ぎになってたから」
「……目立ってた?」
「うん。倒れそうな人として」
「ほら、やっぱり倒れそうに見えてたんだよ」
「二人して言うな」
三人で笑った。
普通の大学生みたいに。
普通に、生きているみたいに。
「青葉さん、話しやすい人だったね」
「そうだな」
「……仲良くなりたい?」
「え?」
「なんでもない」
「結衣?」
「ちょっとだけ、嫌だった。」
「佐伯くんが、私の知らない顔してたから」
「……そんな顔してたか?」
「してた」
「逃げ場所を見つけたみたいな顔」
否定できなかった。
葵と話している時、俺は少しだけ楽だった。
結衣に向き合う怖さから、逃げられる気がした。
「逃げてたかもしれない」
「……正直だね」
「今度は、そうしたいんだ」
「今度?」
「……言い間違えた」
「そんなことない」
また嘘。
「佐伯くん、隠す時だけ声が硬くなる」
「結衣には関係ない」
「……そっか」
「じゃあ、私はなんなのかな」
今日は誰とも帰らなかった。
関わらなければ、傷つけない。
そう思うのに。
スマホには、結衣からのメッセージが届いていた。
ごめん、少し一人になりたかった。
返事はしなかった。
既読だけが、彼女に届いた。
夜。
薬を飲もうとして、手が震えていることに気づいた。
……早いな。
一周目より、症状が出るのが早い気がする。
過去に戻っても、体は未来を覚えているのかもしれない。
……見てるよ。
胸の奥が痛む。
これは病気の痛みなのか。
それとも、同じ恋をもう一度始めてしまった痛みなのか。
二度目の大学生活は、少しずつ形を変えていく。
同じ出会い。
同じ病気。
同じはずの彼女。
でも、選ぶ言葉ひとつで、世界は違う表情を見せた。
……また、間違えたね。
――今のも、違ったよ。
第2章 END
二章も読んでくださり本当にありがとうございました…
今回も変な文が多いと思います、本当に作るのが難しすぎてお手上げ状態です…
本来ならこの感じのものをゲームにして作ってみたかったのもあります…




