第三十四話 「兆し」
あの医務室の騒動の翌日。
ミラクは普通に歩けるようになった。
「実験は明日……いけるか?」
アオギリがミラクの隣に座って聞く。
「まぁ……なんとか……」
ここで、ミラクは気付いた。
イオが物凄い形相でアオギリを睨んでいる事を。アオギリも気付いた。
アオギリは怯えながら席を差し出す。
イオはそのまま座り、ミラクを撫で始めた。
「ミラク……出来る……?」
「出来る……多分……」
「多分?」
「……やる……!」
ミラクは顔を上げた。まだイオに撫でられていた。
「もうやめて……」
「ヤダ。」
もうミラクは諦めた。アオギリは隅っこで震えていた。
「その……ちゃんと制御できなかった場合は待機した隊員がいるからね……」
メディは練習室の図を取り出す。
「右側、左側、そして後ろ側。一箇所に三人づつ。幹部がアキノとアオギリとイオリ……他は一般兵よ。」
「アキノさんって戦えたんだ……」
「うるせー舐めんなあああ!」
外から声が聞こえた。こっそり覗いていたようだ。
「あらら……プライドが……アキノはいつもは研究とかしてばっかだけど……戦闘はあまり好きじゃないからね……」
メディがアキノを慰めに何処かへ向かった。
イオは撫でるのを止めた。
「絶対に……無理はしないで。」
「わかってるよ……大丈夫……」
「私が抑えるから……」
「ふぁ?」
「また言ってないの……?」
拗ねたアキノを連れてきたメディが近くに座る。
「イオがミラクの暴走を抑えられるかも試すの。」
「??????????」
「まぁ話すと長くなるから……もう疲れたでしょ……また昼に話しましょう。」
第三十四話 「兆し」 完




