第三十三話 「実験準備」
五月。ミラクがCBに入って三ヶ月。
急速治療が始まってから三週間。
ミラクはほぼほぼ回復した。実験準備は進んでいる。
練習室にはシートが敷かれていた。ミラクの暴走時の残留組織による汚染を避ける為だ。
イオは今日も医務室にいた。
「いつもいるよね……」
「当たり前。」
メディとそんな他愛もない会話をしていた。
ミラクはまだ寝ていた。朝は弱い。
八時になっても起きなかった。
イオはミラクを起こそうと、布団をバッと剥がした。まだ起きない。イオは仕方なくミラクを揺する。メディも参加する。
「んん〜……眠い〜……!」
そのまま布団をかぶって、寝始める。
イオはもう諦めた。メディはまだ揺すっていた。
「実験準備があるから起きて〜!」
ミラクは固まった。
「実……験……?」
「あ…………」
メディはイオの方をゆっくり向いた。
「言って……ない……?」
「ない…………」
メディは頭を抱えた。イオはどさくさに紛れて出ようとする。
「何で言ってないのよ!」
「…………実験……いつ……?」
「明後日の予定!」
イオは魂が抜けた。ミラクも抜けた。
「実験って何?!」
ミラクが問い詰める。
「暴走状態を自制できるようになるか……意図的に暴走を起こして制御させる……実験……」
「ええええええええええ?!」
ミラクはひょろひょろと倒れた。
「言いなさいよ……!」
イオをメディが揺する。イオはもう動かなくなった。
第三十三話 「実験準備」




