第三十一話 「急速」
イオは部屋に戻った。
あの子は寝ていた。
イオは起こそうと、掛け布団を外した。
そしたら、大きくなっていた。
イオはミラクに見せた。
一緒に一回顔を洗って、もう一回見た。
変わらなかった。
五歳児くらいだった。
「??????????????????」
「おはよう……」
喋った。
喋ったのだ。
「???????????????????」
「何で……話せるの……」
ミラクは倒れそうになった。
とりあえず、食堂に連れて行った。
「食べる?」
「うん。」
普通に食べた。
「君は……猫?」
「うん。」
「……」
ミラクはもう驚かなかった。
「なんでこの姿になったの……?」
「気分。」
ミラクは頭を抱えた。
「どこから来たの……?」
「ん……」
食堂内にある地図を指差す。
市街地Eの方向だ。
「そこ……」
ミラクは嫌な予感がした。
「あぁ!そこにいた!」
メルシオが走ってきた。
「その子は?」
「猫。」
「へ?」
「あの猫。」
メルシオはひと段落して、嬉しそうにした。
「だからだ!やっぱり確定だ!」
「……?」
ミラクは困惑した。
「あの猫はクロアネの一種!だから変身できるんだ!」
「はぁ……」
「んで!今までに前例のない友好的な種かも!」
「へぇ……」
メルシオはイオの膝に乗っている元猫の子供を見る。
「研究!させて!」
「ヤダ。」
明らかに嫌そうな顔をする。
あの時の注射を覚えているのだろう。
「お願い!」
「ヤダ。」
メルシオはしょんぼりしながら帰った。
そしたら、アキノがやってきた。
「ミラク、あの猫の話だが…………」
固まった。
またメルシオと同じように、知らない子供がいるからだ。
「その子は?」
「あの猫。」
「????????????????」
アキノは頭を抱えた。
ミラクは口を開けた。
「メルシオさんに聞いてください……もう疲れました……」
アキノは頭を抱えながら帰った。
第三十一話 「急速」 完




