第二十六話 「天秤」
「BLOOD-STAINED-VARIANT」
第二十六話 「天秤」
ミラクは医務室に運ばれていた。
「ミラク…」
イオはずっとそばにいた。
「イオ、食事は?」
メディが尋ねる。
「いい…」
飯も食わず、ずっとミラクの頭を撫でる。
「起きて…早く…」
ずっと、手は止まらない。
その頃、司令官室に幹部が集められていた。
「例の適合者…二度目はどうなるのか…」
イオリが口を開く。
「今回は…イオが止めたけどね…」
「何故止まったんだ?」
アキノが聞く。
「…ミラクとイオ…お互い特別な人だから…」
「へ?」
「……多分…両想いなのよ…」
「へ?」
「ラブラブってこと!」
顔を真っ赤にして断言する。
「だから理性を取り戻したかもしれない!ってわけ…」
「……」
一拍、置いて。
「ええええええええええええええ?!」
メルシオがイオリの服を掴んで揺する。
「あのイオが恋愛?!聞かせろ!」
「脱線してる!」
イオリがメルシオを落ち着かせる。
「とにかく!イオはミラクが大好き!本人からも聞いてる!多分ミラクもイオが好き!」
「だから止まった…と…?」
ディニタスが少し興味ありげに聞く。
「そうですね…」
「じゃあ…一回実験をしよう…」
「実験?」
「練習室でミラクを暴走させる。そこにイオを連れて行き、任意のタイミングで停止させよう。」
「……」
「少し残酷だが…やるしかないだろうな…」
こうして、暴走停止実験の準備が始まった。
イオリは医務室に向かった。
「イオ…話さないといけないことがあるの…」
「…?」
「ミラクの事なんだけど…」
「うん…」
「ミラクは貴重な戦力なの、だから処分は見送る…でも…暴走をまた止められるとは限らないから…実験するの…」
「実験…」
「練習室にミラクとあなたを連れて行って、ミラクを暴走させる…そして、任意のタイミングで暴走をあなたが止められるか、試す。」
「…………」
「…できる?」
「……………ミラク………」
「ミラクのことが大好きなのはわかってる…」
少し、イオの顔が赤くなる。
「だから…辛いのはわかるけど…お願いできる…?」
「…………………」
イオは、ミラクを撫でる手を止めた。
「やる…」
「そう…伝えておくからね…」
イオは、また撫で始めた。
第二十六話 「天秤」 完




