第二十話 「記録」
ロビーの机に資料が広がる。
「なんですか?これ…」
メルシオが自慢げに口を開く。
「クロアネのコアの成分表!」
「確か…人工物の可能性…?」
「それなんだけど…これ見て!」
写真を出す。
「これ!市街地Eで撮れた写真!」
クロアネが建物を食べている。
「これが……どうかしたんですか……?」
「こうやって食べてガラスとかコンクリート食べたんだと思う!」
「でも…成分は…?」
メルシオがニヤニヤする。
「それがわかったんだよ〜!」
「いちいちニヤニヤしないでください…」
「えー!」
ミラクは頭を抱えた。
「成分はさっき言ったガラスやコンクリート!鉄とかも入ってた!」
「えぇ?!…じゃあ…クロアネが人工物ってのは……」
「可能性はほとんどない!はず!」
「…」
ミラクは無言で部屋に帰った。
その一方で、研究室にはアキノらが集まっていた。
「適合者の暴走度合いについて…まだまだ進んではいないが…防止薬だけで止めれるのは一時的…」
イオリも口を開く。
「戦力にはなるから戦闘には出すけど……イオだけで大丈夫かな…」
「アオギリも一応処分役だ、大丈夫だろう。」
ディニタスも間に入る。
「まあ今後とも、見守ろう。彼には役に立ってもらっているからな。」
研究室のモニターにはミラクのデータ。
血液中のクロアネ残留物の反応が大きく、適合した原因と思われる。
過去の適合者にも見られるものだ。
そんな真剣な話をしている裏で、イオはミナに質問攻めにあっていた。
「ミラク君のどこが好きなの〜?」
「…」
顔を真っ赤にして、俯いている。
「ねぇ〜?」
「うるさい……」
蚊の鳴くような声で返事する。
「ねぇねぇ〜?」
「…」
イオの真っ赤な頬を突く。
「ど・こ・が〜…好きなの?」
「……か………可愛い………ところ………」
「へぇ〜…どこが可愛いの〜?」
「………私より……身長…小さい…ところ……」
顔を両手で押さえながら話す。
「じゃあ〜…コウでもよくない?」
「生意気…」
「あっ…」
ミナは少し笑った。
「まあ頑張りな〜?ミラク君取られちゃうよ〜?」
「嫌だ……」
「じゃあアピールしないと〜」
ミナはイオの部屋を出た。
「…………」
イオはベッドに潜った。
第二十話 「記録」 完




