第十八話 「取引」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!」
食堂でミラクらが昼食を取っていると、奥から声がした。
「コウの声?」
コウはロビーに忘れ物を取りに行っていた。
ミラクが駆け付けると、そこには腰を抜かしたコウと、大男がいた。
身長は190cmはあろうかという男。
既存の隊員だったら覚えているだろう。
「え…?」
男が振り向く。
「あの……アキノさんはどこに…」
「い、今は…奥の食堂に…」
「あぁ、ありがとうございます…」
ミラクも怯えながら話していた。
(でっかいし…荷物すごかったな…)
その後食堂に戻って昼食を取った後、ロビーに戻ると彼がいた。
「あれ…?なぜここに?」
「あぁ、店を開くんです。」
「店?」
「そう、私が持っている武器の強化材料とクロアネの残留品を交換するんです。」
「あぁ…だから最近いつもより残留品をよく回収するんだ…」
「そうです。アキノとは古くからの友達で、連絡をもらって店をするんです。よく鉄とかを集めていたんで、強化材料は沢山あるんです。」
「あぁ…そうなんですか…」
「CBから声はかかったんですけど…武器に適合しなくて…だからずっと避難所暮らしだったんです。」
そこにアキノが現れる。
「部位ごとの残留品で交換できるものが変わるからな。取り出しやすさが変わるんだ。」
「はぁ…」
「自己紹介はしたか?」
「あぁ、まだだった…私の名前はスクリーバ。アキノと同じ21歳です。」
(にしては髭多いな…)
ミラクは思った。
「君の武器はなんだい?」
「メシュガーです…」
「あぁ…あの武器か……アキノから作ったと連絡を受けた時はびっくりしたよ。あの時アキノは16歳だからね…アフラテュスと作ったんでしょ?」
「そうだな…アイツはメシュガーを試そうとして…死んじまったからな…」
「えぇ………」
「君はアフラテュスを知ってるのかい?」
「いや…」
「アフラテュスは天才だったよ、だいたいの武器の基盤は彼が作ったんだ。」
アキノが頷いて、口を開く。
「でも、その武器たちが出来たのはだいたい1年後だったかな。技術者も人員不足で戦闘に行って、亡くなったからな…」
「今は足りてるんですか?」
「今は足りてるな。」
スクリーバがバッグから材料を取り出す。
「これでメシュガーを強化できるだろう。あげるよ。」
「ありがとうございます…!」
その時、コウがやっと目を覚ます。
「ん…俺は…何を…」
視界にスクリーバが入った瞬間、コウは青ざめた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「俺そんな怖い…?」
スクリーバは少し凹んだ。
第十八話 「取引」 完




