第十七話 「景色」
ミラクは地図を見ていた。
「今まで行ったことがあるのは…C、F、Gくらいか…AとBとD…そしてEは行ったことないな…」
「市街地G……まだクロアネがいる…」
イオが覗き込む。
「地下施設はEとAとGにあるから…そこは注意しないとね…」
「……市街地Gは……私が生まれた所らしい……保護された時……懐に写真があった……」
イオが写真を取り出す。
ネオンの光は一切なく、自然の光が差し込む広場の写真。
「ここの近くで……生まれたらしい…」
「そうなんだ……僕はAで生まれたから…ずっとネオンが光ってたね……ほぼほぼの市街地は今はもう倒壊して、ネオンはもう見なくなった…」
「…戻りたい…」
イオが呟いた。
「戻れるよ、きっと…」
「うん…」
少しして、ミラクは任務の準備を始めた。
「市街地Eの地上戦か……浄化薬を多く持っていこう…」
ミラクいつもより多めの浄化薬を詰めて行った。
「今回は市街地E、倒壊した建物が多く、入り組んでいるから、迷わないように。そして、倒壊を免れたビルの上にはクロアネがよくいるから、気をつけろ。」
出撃ゲートへ向かう。
『市街地E』
「入り組んでるな〜…」
ミラクが少し歩くと木があった。
「よかった、持ってきといて。」
出てきた蛭を踏み潰して、浄化薬を打つ。
「まだあるかもしれないからな。」
アオギリが高台に登る。
ミラクとイオも上がる。
「届かねぇよ〜!」
コウの腕を掴んで、ミラクが引き上げる。
「ここの景色はいいな…」
「夕焼けか…」
沈む夕日が街を照らす。
「あそこ!」
コウが指差した先にクロアネの木が。
「行くぞ。」
ビルを移り、屋上の木に辿り着く。
「2本目〜…」
ミラクが注射をしようとした瞬間、下から音がする。
「ん…?」
「下がって!」
イオが下に向け、メイヘムを放つ。
「ངའི་མིག!」
クロアネの目に直撃し、下に落ちる。
「10mくらいか…!」
ミラクが飛び降りメシュガーを胸に突き立てる。
「コアはない…か…」
灰となって消えてゆくクロアネの胸から刃を取り出す。
「はぁ…はぁ…よく…飛び降りれたな…」
階段を駆け降りたコウが呟く。
「練習してるから。」
「にしても、少ないな…」
「多分地下だろう。まだ地下は行けないから、このぐらいでもいいんだ。」
一同は細い道を通る。
「イオ……中距離武器だから後ろの方がいいんじゃない…?」
「守る…」
「いや…その…」
なぜかイオはミラクの前に行く。
「注意しろよ。ここから広いところに出るからな。」
廃れた広場に出る。
[反応増加、複数体のクロアネに注意。]
「いるぞ…隠れろ。」
4体のクロアネ。
固まっておらず、バラバラだ。
「一人一体相手しよう、全員5m級だからいけるだろう。」
(5mか…いける!)
ミラクが飛び出すと同時に三人も飛び出す。
ミラクはメシュガーを呼び覚ます。
「ん…?アイツらは能力ないぜ〜…全部のクロアネにある弱い変形能力ぐらいだぞ…!」
「わかったよ!」
ミラクはクロアネの脇腹を切る。
「ནཝ་མས།!」
クロアネが叫び、他のクロアネも気付く。
イオは弱点をスコープで可視化する。
(膝…!)
両膝を撃ち抜き、動きを封じてから心臓を貫く。
コウは飛びかかり、背中を引っ掻く。
足の隙間を通り、顔を引っ掻く。
「ནཝ་མས།!」
アオギリはクロアネの腹を切り裂き、倒れた頭に剣を突き刺す。
「これで終わり…」
「すぐ終わったな。」
イオは弾を装填する。
他の三人は刃の血を落とす。
「ここまでにしておこう、ここから先は他の隊に任せよう。今ちょうど来ている。」
アオギリがそう言い、歩いてゆく。
それに続き、他班と合流する。
「この先、木が沢山ありそうだ。浄化薬を分けておく。」
アオギリがストックを渡し、託す。
「よし…帰ろう。」
第十七話 「景色」 完




