第十一話 「わかってる」
「ミラク、お前だけ全然暴走しないな…」
アキノが尋ねる。
「はい…何故か知らないけど…」
「コイツ面白いからだよ」
メシュガーが急に喋る。
「コイツ骨あるし、面白いから暴走させるの嫌なんだよ〜」
「面白いで決めんなよ…」
「でもコイツ普通に暴走の予兆がないんだよ。」
「何で…」
「俺もしらねぇよ…」
ミラクは、治療室に向かう。
「イオ、大丈夫?」
「大丈夫…もうすぐ戦闘に復帰する…」
「まだ休んだ方がいいよ…」
「大丈夫…」
「いやでも…」
「大丈夫だから…!自分でもわかってる……!」
イオは、初めて強く出た。
「……ごめんね…」
ミラクは申し訳なさそうにしながら帰った。
「あ…………」
イオは、目をつぶった。
「やってしまった………」
ミラクは自室で考えていた。
「イオは戦闘復帰したい…でも…心配………」
ミラクは治療室に行こうとしたが、やめた。
「イオ……またあんなことになるなら……」
ミラクは、眠れなかった。
「おはよう…」
「ミラク〜珍しくクマができてるぜ〜」
コウが頬をつつく。
「やめろよ〜…」
「ミラク、ちょっと来て…」
イオリに呼ばれて、ミラクは向かう。
「イオから聞いたけど…やっぱり心配よね…」
「はい……僕はまだ復帰は早いと思います…」
「イオはできるって言ってるけど…どうなんでろうね……」
ミラクは少し俯く。
「優しさの押し付けは、かえって相手を傷つける可能性があるから…」
「大丈夫かな…」
「大丈夫、少し話してきなさい…」
ミラクは、震える手をドアノブにかけた。
「イオ……話がしたいんだ……」
「……うん………」
ミラクは、イオのベッドの隣に座る。
「イオは……復帰したいんだよね…?」
「うん…」
「僕は…心配だからやめた方がいいと…イオの気持ちも考えずに言っちゃった…」
「私も……………」
「ほんとごめん……イオ……」
「私も……ミラクの心配を……無視して……」
二人は黙った。
「やっぱ…アイツにリベンジしたい…?」
「うん……それもある…」
「それもあるって………何か他にあるの……?」
「ミラクに助けてもらったから…恩返ししたい……戦いで…」
「そんな…いいよ…」
「でも……ミラクには………助けてもらうばかり…」
「大丈夫だよ…………」
ミラクは笑ってみせた。
「ごめんね…」
二人同時に、謝った。
第十一話 「わかってる」 完




