夏の客間にて
とある夏の日、ユキオ達の住む街の住人達は悲鳴を上げていた。
連日の猛暑の暑さに参ってしまっているのもあるが、一番の原因は猛暑が続き全く雨が降っていない事だった。
それでは国の作物関係に大打撃を受けると予想され、住民達の不安が高まっていた。
そんな住民の不安を打開しようと王と大臣達は話し合いとある案が出され、一人の人物が城に招待されていた。
「一国民の久しぶり休日をぶち壊してまでやって来て困るんだけど………」
不貞腐れた様子で椅子に腰掛けながらそうボヤく人物。
勿論、ユキオの事だ。
学園での仕事が終わった後も変わらず忙しい日々を過ごし、生活などの金を稼いでいた。
今日に至るまでの約3か月ほぼ休みは無く睡眠時間もかなり少なかった。
その影響で城にやってきたユキオは目の下のクマにコケて浮かび上がっている頬骨。
誰が見ても一目見て疲れきっていると分かる程だ。
「今ならユキオに勝てるそう」
そう言ってユキオの頬をつつくのはセントラル学園の生徒でもあり、この国の第一王子でユキオとも親しい付き合いもある人物で名はマーク。
「そのウザったい指を止めないと食いちぎるぞマーク」
ギロリと睨みを効かせてくるユキオにマークは即座に手を引っ込め、王が来るのを二人で待っていた。
「だいたい、そっちから呼んでおいて客人を待たせるってどーゆー事かねマーク君」
因みに、ユキオを呼んで来たのは休みで戻ってきていたマークと数人の兵で、王がユキオを城に呼ぶように命を下した。
「マーク、氷魔法使ってこの部屋を涼しくしてよ~」
項垂れながらかったるそうにそう呟くユキオに嫌そうな顔をしつつも言う事を聞くマークは、椅子に座ったまま神経を集中させると体から冷気が吹き出し、部屋の温度が急激に下がっていく。
「以前より良くなってるけどまだ細かいコントロールが出来てないね……また、何度も言ってるけど魔力を込めれば良いってもんじゃないからこれからも魔力のコントロールは続ける感じだね」
ダルそうにしながらもしっかりと見極めてくるユキオにマークは一言も反論出来なかった。
あの数日間の最終日、生徒達に魔力のコントロールの重要性を改めて説明した後、自分達が次来る時までに繊細なコントロールが出来るように課題を出されていた。
量より質の良い魔法を扱う事が出来れば無駄な魔力の消費が抑えられる上に魔法の威力も上がると言われ、実際にその効果を感じているだけにマークは改めてこの男の凄さを実感させられた。




